同期の彼は天然マイペース
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「風間さん、ちょっと待ってくれんね」
定時になったと同時に
すぐに退社したのだったが
一番会いたくない人に、呼び止められた。
『・・・なに?』
「俺、なんかしたね?」
開口一番に、ストレートに疑問をぶつけられる。
避けまくっていたし
私から話しかけることもしなくなったから
そりゃ”なにかした”と思うのも無理はない。
『別に、なにも・・・』
「だったらなんで俺んこつ、避けとると?」
千歳くんの様子は怒っている風でもなく
ただただ、私を心配するような眼差しで見つめてくる。
そんな態度も今の私にとっては、逆効果だ。
いっその事、怒ってくれたら良いのに。
『・・・なんなのよ、あんた。
なんで・・・そんな一生懸命やってなさそうなのに
うまくやれるのよ。
試験だって簡単に合格しちゃうし
仕事も余裕な顔してこなしちゃうし
社内の人達ともすんなり馴染んじゃって・・・』
一度口にすると、止めどなく言葉が溢れてくるが
全く持って、千歳くんは悪くはない。
単なる私の嫉妬だ。
「風間さん。
もうちっと、肩の力ば抜かんね」
『はぁ?』
千歳くんはそう言うと、私の背後に回って
後ろから肩を揉んできた。
『ちょっ・・・、ちょっと!何するのよ・・・!』
「ほら、かちこちに固まっとるったい。
リラックスして上ば向いてみんね」
そう言われて上を向くと、にこやかな笑顔の千歳くん。
背中には千歳くんの温もりを感じて
徐々に体全体が熱くなってくる。
それと同時に、この状況がなんだか段々
おかしくなって来てしまった。
195cmの千歳くんが、160cmの私の肩を揉んでいる・・・
『ぶはっ・・・あははっ!もう、なんなのよ・・・』
ひとしきり笑うまで千歳くんは待っててくれて
それからスッと缶コーヒーを渡され
近くの公園に移動してベンチに腰掛ける。
「笑ったらすっきりしたやろ?」
『うん。ごめんなさい。
完全に私の気持ちの問題だから
千歳くんは悪くないわ』
「気にしとらんよ。
風間さんは真面目かけん
色々溜め込みやすかとやろ。
たまには発散せんばよ」
『うん、そうね。・・・なんか、頑張らなきゃ
ちゃんとしなきゃって思って、心に余裕がなかった。
だから千歳くんが羨ましかったの。
私は、自由にすることが、怖くてできないから』
子供の時から”しっかりしてる”って
言われることが多かった。
だから”しっかりしなきゃ”って思って
力みすぎることが多くて
それで人間関係が悪くなったこともあった。
”気が強い”とか”堅物”とか言われて
鬱陶しがられることもあって
だからって、”しっかり”することを辞めたら怒られたり。
手を抜くことと
全力でやることのバランスが下手くそなのだ。
「俺は余裕に見えるんじゃなくて、関心が薄いとよ。
だけん、何にでも一生懸命な[#dn=1#]さんば尊敬しとる」
『尊敬って、私何もしてないよ』
「提出期限教えてくれたもの、すごか人やと思った。
俺は他の人のことなんか、気にもしとらんかったけんね。
白石の手伝いも、手伝うって発想がなかったけん
優しか人やねって思うたとよ。
ばってん、研修の打ち合わせは俺が悪かったたいね。
風間さんのこと信用しとるけんって
任せっきりはよくなかったばい」
ごめんって謝る千歳くんにちょっと驚いた。
何にも考えていないお気楽なタイプだと思っていた。
私は千歳くんのこと、かなり誤解していたようだ。
『私いままで言い方とかきつかったと思う。
千歳くんのこと、よくも知らないで誤解してて・・・
本当に失礼だったと思う。ごめんなさい』
「誤りすぎたい。
俺も風間さんのこと勘違いしとったけんお互い様やね。
こぎゃんも不器用で、健気で
むぞらしか人って知らんかった」
『むぞらしか・・・?』
「あ~、気になるなら調べてみなっせ。
俺は頑張ってる姿も、さっきの思い切り笑った顔も
全部、むぞらしかって思っとるったい」
千歳くんの優しい、慈しむような顔に
胸が締め付けられるように感じた。
言葉の意味を知ってしまったら
もう後戻りできそうにない気がするけど
彼のことをもっと知りたいという気持ちが
もう、抑えられそうにない。
(風間さん、どぎゃんね?意味はわかったと?)
(わ、わかりました…
けど、千歳くん変わってるよね・・・)
(ん?まあ変わっとるとはよう言われるばい)
(でしょうね)
(でも俺だけが風間さんのむぞらしかとこ
知っとるならそれでよか)
(あ~!もう、そういうのいいからっ・・・!
そ、そういえば、よく試験受かったよね。すごいよ)
(そりゃ好きな子の前やけん、かっこつけたかって思うたとよ)
(へ?好きな子?)
(鈍かごたんね~そぎゃんとこもむぞらしかよ)
定時になったと同時に
すぐに退社したのだったが
一番会いたくない人に、呼び止められた。
『・・・なに?』
「俺、なんかしたね?」
開口一番に、ストレートに疑問をぶつけられる。
避けまくっていたし
私から話しかけることもしなくなったから
そりゃ”なにかした”と思うのも無理はない。
『別に、なにも・・・』
「だったらなんで俺んこつ、避けとると?」
千歳くんの様子は怒っている風でもなく
ただただ、私を心配するような眼差しで見つめてくる。
そんな態度も今の私にとっては、逆効果だ。
いっその事、怒ってくれたら良いのに。
『・・・なんなのよ、あんた。
なんで・・・そんな一生懸命やってなさそうなのに
うまくやれるのよ。
試験だって簡単に合格しちゃうし
仕事も余裕な顔してこなしちゃうし
社内の人達ともすんなり馴染んじゃって・・・』
一度口にすると、止めどなく言葉が溢れてくるが
全く持って、千歳くんは悪くはない。
単なる私の嫉妬だ。
「風間さん。
もうちっと、肩の力ば抜かんね」
『はぁ?』
千歳くんはそう言うと、私の背後に回って
後ろから肩を揉んできた。
『ちょっ・・・、ちょっと!何するのよ・・・!』
「ほら、かちこちに固まっとるったい。
リラックスして上ば向いてみんね」
そう言われて上を向くと、にこやかな笑顔の千歳くん。
背中には千歳くんの温もりを感じて
徐々に体全体が熱くなってくる。
それと同時に、この状況がなんだか段々
おかしくなって来てしまった。
195cmの千歳くんが、160cmの私の肩を揉んでいる・・・
『ぶはっ・・・あははっ!もう、なんなのよ・・・』
ひとしきり笑うまで千歳くんは待っててくれて
それからスッと缶コーヒーを渡され
近くの公園に移動してベンチに腰掛ける。
「笑ったらすっきりしたやろ?」
『うん。ごめんなさい。
完全に私の気持ちの問題だから
千歳くんは悪くないわ』
「気にしとらんよ。
風間さんは真面目かけん
色々溜め込みやすかとやろ。
たまには発散せんばよ」
『うん、そうね。・・・なんか、頑張らなきゃ
ちゃんとしなきゃって思って、心に余裕がなかった。
だから千歳くんが羨ましかったの。
私は、自由にすることが、怖くてできないから』
子供の時から”しっかりしてる”って
言われることが多かった。
だから”しっかりしなきゃ”って思って
力みすぎることが多くて
それで人間関係が悪くなったこともあった。
”気が強い”とか”堅物”とか言われて
鬱陶しがられることもあって
だからって、”しっかり”することを辞めたら怒られたり。
手を抜くことと
全力でやることのバランスが下手くそなのだ。
「俺は余裕に見えるんじゃなくて、関心が薄いとよ。
だけん、何にでも一生懸命な[#dn=1#]さんば尊敬しとる」
『尊敬って、私何もしてないよ』
「提出期限教えてくれたもの、すごか人やと思った。
俺は他の人のことなんか、気にもしとらんかったけんね。
白石の手伝いも、手伝うって発想がなかったけん
優しか人やねって思うたとよ。
ばってん、研修の打ち合わせは俺が悪かったたいね。
風間さんのこと信用しとるけんって
任せっきりはよくなかったばい」
ごめんって謝る千歳くんにちょっと驚いた。
何にも考えていないお気楽なタイプだと思っていた。
私は千歳くんのこと、かなり誤解していたようだ。
『私いままで言い方とかきつかったと思う。
千歳くんのこと、よくも知らないで誤解してて・・・
本当に失礼だったと思う。ごめんなさい』
「誤りすぎたい。
俺も風間さんのこと勘違いしとったけんお互い様やね。
こぎゃんも不器用で、健気で
むぞらしか人って知らんかった」
『むぞらしか・・・?』
「あ~、気になるなら調べてみなっせ。
俺は頑張ってる姿も、さっきの思い切り笑った顔も
全部、むぞらしかって思っとるったい」
千歳くんの優しい、慈しむような顔に
胸が締め付けられるように感じた。
言葉の意味を知ってしまったら
もう後戻りできそうにない気がするけど
彼のことをもっと知りたいという気持ちが
もう、抑えられそうにない。
(風間さん、どぎゃんね?意味はわかったと?)
(わ、わかりました…
けど、千歳くん変わってるよね・・・)
(ん?まあ変わっとるとはよう言われるばい)
(でしょうね)
(でも俺だけが風間さんのむぞらしかとこ
知っとるならそれでよか)
(あ~!もう、そういうのいいからっ・・・!
そ、そういえば、よく試験受かったよね。すごいよ)
(そりゃ好きな子の前やけん、かっこつけたかって思うたとよ)
(へ?好きな子?)
(鈍かごたんね~そぎゃんとこもむぞらしかよ)