■本気で君に惚れている
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれからエステル嬢ちゃんを無事に連れ帰ることができた。
アレクセイとも決着をつけ
ここんところバタバタだった。
だから彼女に避けられていることに
なかなか気づけなかった。
「おりょ?ジルちゃんは?」
「ん?…あぁ、なんか先に宿屋に戻るって」
「ご飯よー!ってジルちゃんは?」
「あんまり食欲ないらしいよ」
「ジルちゃんが欲しがってた合成素材
見つけたから渡したいんだけど…」
「ウチが、私が渡しておくのじゃ」
何をしたのかわからない。
わからないが、避けられているのは事実。
でもおかしい。
最近忙しすぎて何もしていない。
ちょっかいかけたりもしてないし
お姉ちゃんと飲みに行ってもない。
俺様にしては大人しく過ごしていたのに何故だ。
「ってことでね、おっさん何かしたかしら」
「知らず知らずのうちにセクハラでもしたんじゃないのか?」
「ジルの嫌がることしたんじゃないの?」
「おっさんの存在自体がウザすぎるのよ」
「リタっちひどい!!」
青年も少年も天才魔導師少女も
皆して心にもないことを言うんだから。
でもまあ、カロルくんが言うことが一番
あり得そうかもしんない。
でも本当に思い付かない。
「ねーえ、ジュディスちゃんは何か知らない?」
「そうねえ。ジルはいつから様子がおかしいのかしら?」
「へ?んーと、嬢ちゃんを連れ戻してから…?」
「ふふふ、ヘラクレスで二人とも
暫く戻って来なかったみたいだけど。何してたのかしら?」
ジュディスちゃんに言われて
もしやと思い浮かんだこと。
もし本当にこれが理由なら、おっさんとしては
めちゃくちゃ嬉しい。
ずっと避けられ続けていたけど
今日の夜の見張りはジルちゃん。
タイミングが良いのは青年の計らいなのか
たまたまなのか。
皆が寝静まった後、夜営のテントを抜け出し
焚き火を炊いているジルちゃんのもとへと近寄る。
「おっさんと、お話してくんない?」
『う………どーぞ』
ジルちゃんの隣に腰かける。
全くこっちを向いてもくれないけど
正直隣にいられるだけで嬉しいと思える。
だけど今日はやっと話せるこのチャンス。
仲間達も寝ている。
この機会を、みすみす逃したくはない。
「ジルちゃん、おっさんのこと避けてるわよね?」
『避けて、ない』
「嘘おっしゃい。おっさん何かしちゃった?」
『……何もしてない』
言葉を選んでいるのか
ジルちゃんは暫く黙り込んでしまった。
そんな姿を見ていたら
なんだか申し訳なくなってきた。
悩ませるつもりはなかった。
今日のところは引き下がったがよさそうね。
「言いたくなかったら無理に言わなくてもいいわよ。
ごめんね、問い詰めるつもりじゃなかったのよ」
ポンポンっと頭を撫でる。
しまった、こういうこと、ジルちゃんは
嫌うんだった。
怒られるかなと思い、恐る恐るジルちゃんを見ると
顔を赤く染めて、固まっていた。
「ジルちゃん…?」
『なんで、あんたは普通にしてんのよ』
「普通?」
『なんで私だけが…意識して…』
「意識?」
ジルちゃんが何を言いたいか
もう、頭ではわかっている。
でも彼女の言葉で聞きたいから
あえてわからないふりを続ける。
『ヘラクレスで、レイヴンに……
抱きついて…その…』
だんだんと声のトーンが落ちていく。
いつも強気で勝ち気なジルちゃんが
ごにょごにょと答える姿が可愛い。
「なになに?おっさんに泣きながら抱きついちゃったのが
恥ずかしくって顔を合わせられないと」
『………!』
「図星のようね」
『そ、その…』
「しかも首筋に
チューまでしちゃっ『言わなくていいでしょっ!』
ちょっと意地悪が過ぎたかしら、と思いつつも
このやり取りが楽しくて仕方がない。
『ふんっ。さすが遊び慣れてる色男ね。この女好きめ。
こんなこと、どうせ日常茶飯事なんでしょ』
ジルちゃんは少しムスッとした顔をする。
あらら、今度は少し拗ねちゃったかしら。
出会ったばかリの頃は、どちらかというと
常に気を張っているような、怒っているような
そんな顔ばかりをしていたのに
今ではコロコロと表情が変わるようになっている。
これも、ともに旅をする仲間達のおかげなんだろうか。
おっさんも、彼女を変えたうちのひとりに
含まれていたら良いなぁ
なんて思うのはガラじゃないだろうか。
「そんなことないわよ。
おっさんは、女の人好きってイメージかもしんないけど
あんなことするのは、本気で惚れてる相手にだけよ」
『えっ・・・・』
「ジルちゃんは、誰にでもああいうことしちゃうの?」
『するわけ…!ない、でしょ…』
「じゃーあ、おっさんにだけ?」
案外単純なジルちゃんは
おっさんの誘導尋問に、まんまとのせられている。
悔しいような、観念したような顔をして
ジルちゃんは口を開く。
『レイヴンにだけ、よ。
わ、私だって惚れた相手にしか…しないんだから…
ってなによその顔、むかつく』
「いんやぁ、だって嬉しいじゃない。
ジルちゃーん!おっさんの胸においでー!」
『うっさい!』
照れた彼女はどうやら乱暴になるらしい。
これから先が思いやられるけど
照れたり、拗ねたり、怒ったり
君の色んな表情を、ずっと隣で見ていきたい。
(でねー!ジルちゃんったら可愛くってねー!)
(はいはい。そりゃよかったな)
(んもぅ、青年ってばちゃんと聞いてよー!)
(お付き合いできてよかったですね、レイヴンさん)
(そうなのよ…って…あ)
(なんだよおっさん。まさか肝心なこと言ってないんじゃ)
(ユーリ、レイヴンさんに限ってそんなこと…)
(そういえば、言ってないわ…しかも言われてないわ…)
(………)
(…どうしよう、俺様ちょっと不安になってきたわ…)
(レイヴンさん、大丈夫ですよ)
(そーそー。ちゃんと好きだって言ってこい)
(…改まると、ちょっと恥ずかしいわ…どうしよ)
(おっさん、めんどくさいぞ)
アレクセイとも決着をつけ
ここんところバタバタだった。
だから彼女に避けられていることに
なかなか気づけなかった。
「おりょ?ジルちゃんは?」
「ん?…あぁ、なんか先に宿屋に戻るって」
「ご飯よー!ってジルちゃんは?」
「あんまり食欲ないらしいよ」
「ジルちゃんが欲しがってた合成素材
見つけたから渡したいんだけど…」
「ウチが、私が渡しておくのじゃ」
何をしたのかわからない。
わからないが、避けられているのは事実。
でもおかしい。
最近忙しすぎて何もしていない。
ちょっかいかけたりもしてないし
お姉ちゃんと飲みに行ってもない。
俺様にしては大人しく過ごしていたのに何故だ。
「ってことでね、おっさん何かしたかしら」
「知らず知らずのうちにセクハラでもしたんじゃないのか?」
「ジルの嫌がることしたんじゃないの?」
「おっさんの存在自体がウザすぎるのよ」
「リタっちひどい!!」
青年も少年も天才魔導師少女も
皆して心にもないことを言うんだから。
でもまあ、カロルくんが言うことが一番
あり得そうかもしんない。
でも本当に思い付かない。
「ねーえ、ジュディスちゃんは何か知らない?」
「そうねえ。ジルはいつから様子がおかしいのかしら?」
「へ?んーと、嬢ちゃんを連れ戻してから…?」
「ふふふ、ヘラクレスで二人とも
暫く戻って来なかったみたいだけど。何してたのかしら?」
ジュディスちゃんに言われて
もしやと思い浮かんだこと。
もし本当にこれが理由なら、おっさんとしては
めちゃくちゃ嬉しい。
ずっと避けられ続けていたけど
今日の夜の見張りはジルちゃん。
タイミングが良いのは青年の計らいなのか
たまたまなのか。
皆が寝静まった後、夜営のテントを抜け出し
焚き火を炊いているジルちゃんのもとへと近寄る。
「おっさんと、お話してくんない?」
『う………どーぞ』
ジルちゃんの隣に腰かける。
全くこっちを向いてもくれないけど
正直隣にいられるだけで嬉しいと思える。
だけど今日はやっと話せるこのチャンス。
仲間達も寝ている。
この機会を、みすみす逃したくはない。
「ジルちゃん、おっさんのこと避けてるわよね?」
『避けて、ない』
「嘘おっしゃい。おっさん何かしちゃった?」
『……何もしてない』
言葉を選んでいるのか
ジルちゃんは暫く黙り込んでしまった。
そんな姿を見ていたら
なんだか申し訳なくなってきた。
悩ませるつもりはなかった。
今日のところは引き下がったがよさそうね。
「言いたくなかったら無理に言わなくてもいいわよ。
ごめんね、問い詰めるつもりじゃなかったのよ」
ポンポンっと頭を撫でる。
しまった、こういうこと、ジルちゃんは
嫌うんだった。
怒られるかなと思い、恐る恐るジルちゃんを見ると
顔を赤く染めて、固まっていた。
「ジルちゃん…?」
『なんで、あんたは普通にしてんのよ』
「普通?」
『なんで私だけが…意識して…』
「意識?」
ジルちゃんが何を言いたいか
もう、頭ではわかっている。
でも彼女の言葉で聞きたいから
あえてわからないふりを続ける。
『ヘラクレスで、レイヴンに……
抱きついて…その…』
だんだんと声のトーンが落ちていく。
いつも強気で勝ち気なジルちゃんが
ごにょごにょと答える姿が可愛い。
「なになに?おっさんに泣きながら抱きついちゃったのが
恥ずかしくって顔を合わせられないと」
『………!』
「図星のようね」
『そ、その…』
「しかも首筋に
チューまでしちゃっ『言わなくていいでしょっ!』
ちょっと意地悪が過ぎたかしら、と思いつつも
このやり取りが楽しくて仕方がない。
『ふんっ。さすが遊び慣れてる色男ね。この女好きめ。
こんなこと、どうせ日常茶飯事なんでしょ』
ジルちゃんは少しムスッとした顔をする。
あらら、今度は少し拗ねちゃったかしら。
出会ったばかリの頃は、どちらかというと
常に気を張っているような、怒っているような
そんな顔ばかりをしていたのに
今ではコロコロと表情が変わるようになっている。
これも、ともに旅をする仲間達のおかげなんだろうか。
おっさんも、彼女を変えたうちのひとりに
含まれていたら良いなぁ
なんて思うのはガラじゃないだろうか。
「そんなことないわよ。
おっさんは、女の人好きってイメージかもしんないけど
あんなことするのは、本気で惚れてる相手にだけよ」
『えっ・・・・』
「ジルちゃんは、誰にでもああいうことしちゃうの?」
『するわけ…!ない、でしょ…』
「じゃーあ、おっさんにだけ?」
案外単純なジルちゃんは
おっさんの誘導尋問に、まんまとのせられている。
悔しいような、観念したような顔をして
ジルちゃんは口を開く。
『レイヴンにだけ、よ。
わ、私だって惚れた相手にしか…しないんだから…
ってなによその顔、むかつく』
「いんやぁ、だって嬉しいじゃない。
ジルちゃーん!おっさんの胸においでー!」
『うっさい!』
照れた彼女はどうやら乱暴になるらしい。
これから先が思いやられるけど
照れたり、拗ねたり、怒ったり
君の色んな表情を、ずっと隣で見ていきたい。
(でねー!ジルちゃんったら可愛くってねー!)
(はいはい。そりゃよかったな)
(んもぅ、青年ってばちゃんと聞いてよー!)
(お付き合いできてよかったですね、レイヴンさん)
(そうなのよ…って…あ)
(なんだよおっさん。まさか肝心なこと言ってないんじゃ)
(ユーリ、レイヴンさんに限ってそんなこと…)
(そういえば、言ってないわ…しかも言われてないわ…)
(………)
(…どうしよう、俺様ちょっと不安になってきたわ…)
(レイヴンさん、大丈夫ですよ)
(そーそー。ちゃんと好きだって言ってこい)
(…改まると、ちょっと恥ずかしいわ…どうしよ)
(おっさん、めんどくさいぞ)
1/1ページ