■おかえり
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
神殿を出てからの記憶は曖昧で
気がついたらバウルに乗ってヘラクレスへと向かっていた。
「ジル姐、怪我してるのじゃ…」
『大丈夫。大したこと、ないから』
「今ファーストエイドを」
『いいから!…お願い、迷惑はかけないから
このままにしておいて…』
レイヴンに斬られた傷を治したくない。
痛くてもいいから
こんな痛み、彼の痛みと比べたら
たいしたことなんてないから
残して背負っていきたい。
涙が、出そうになるのを必死で堪えた。
泣くな、私。私はそんなに弱くはない。
感傷に浸るのもあれこれ思い出すのも後だ。
エスエルを救うのが先なのだ。
ヘラクレスに到着すると
シュヴァーン隊の3人がいた。
「あんたらの顔見てると
思い出したくない顔が浮かんでくるのよ!」
リタが3人に噛みつくが、同意だった。
いまは、この3人を見たくない。
「どんな顔なんだろうなぁ。
よっぽど非道い顔のやつなのね」
ルブラン達から顔を背けた瞬間に
聞きなれた、聞きたかった声がする。
レイヴン様登場よ、なんて言ってウィンクしている。
全員が、死んだと思っていた。
一瞬呆気に取られていたが
すぐにリタが信用できないと叫ぶ。
「じゃあ掟に従ってケジメをつけさせてもらうぜ。
あんたの命、凛々の明星が貰った。
生きるも死ぬも、俺たち次第だ」
ユーリはレイヴンを思い切り殴った。
続いて全員が殴り、フレンだけが声をかける。
「ジル!先に行くぞ。
ちゃんとおっさん連れて来てくれ」
ユーリの配慮に感謝しつつ
私はレイヴンと対峙する。
「えーっとぉ、ジルちゃん…?」
『このバカッ!』
「ぐはっ!!ジルちゃ、きょ、強烈ぅ……って、え?」
私は思い切りレイヴンを殴ったあと、抱きついた。
思い切り抱きついたせいで
レイヴンは後ろに倒れ尻餅をつく。
『バカよ……バカ。いつも勝手にいなくなって
ふらっと戻ってきて…
残された側の気持ち、少しは考えなさいよ』
「こんなおっさんのために、泣いてくれてるの?」
『私が泣いてるわけ…、ないでしょ』
レイヴンは、ぎゅっと、抱き締め返してくれる。
「こんなおっさんを待っててくれる人がいるなんてねぇ。
おっさん、幸せもんねぇ」
『うるさい…こんなって言うなバカ』
「んもぅ、口が悪いんだから」
よしよしと、頭を撫でられ我に返る。
泣いたことと、抱きついたことと
色々と口走ったこと…
私のキャラじゃなさすぎて後悔し
慌てて身体を離して立ち上がる。
『ほら、行こう。皆が、エステルが待ってる』
「さーて、大将と真っ向勝負ね」
レイヴンのこの選択が
彼にとって最善の策なのかはわからない。
アレクセイに歯向かうことで
心臓魔導器を停められてしまうかもしれない。
リスクはある。
だけど、そのリスクを犯しても
戻ってきてくれたレイヴンに
どうしても言いたかった言葉があった。
『レイヴン、お帰り』
「うん、ただいまジルちゃん」
(って、ねぇ!怪我してるじゃない!)
(えっ、あ、あぁ。うん。でもこのくらい大丈夫よ)
(なんで手当てしてないのよ!)
(それは……)
(これ、さっきよね?おっさんと戦ったときの…)
(私の動きが悪かっただけだから)
(回復するから、傷見せてちょうだい)
(うん……って、ちょ!?なに傷口にキスして…んっ)
(愛の快針よ!詠唱がなくてもお手のもの~なんちゃって)
(ちょっと、も、いいからっ、んぅっ…)
(……抑えきかなくなっちゃうからやめてくんない?その声…)
(そっちがやめれ!!)
気がついたらバウルに乗ってヘラクレスへと向かっていた。
「ジル姐、怪我してるのじゃ…」
『大丈夫。大したこと、ないから』
「今ファーストエイドを」
『いいから!…お願い、迷惑はかけないから
このままにしておいて…』
レイヴンに斬られた傷を治したくない。
痛くてもいいから
こんな痛み、彼の痛みと比べたら
たいしたことなんてないから
残して背負っていきたい。
涙が、出そうになるのを必死で堪えた。
泣くな、私。私はそんなに弱くはない。
感傷に浸るのもあれこれ思い出すのも後だ。
エスエルを救うのが先なのだ。
ヘラクレスに到着すると
シュヴァーン隊の3人がいた。
「あんたらの顔見てると
思い出したくない顔が浮かんでくるのよ!」
リタが3人に噛みつくが、同意だった。
いまは、この3人を見たくない。
「どんな顔なんだろうなぁ。
よっぽど非道い顔のやつなのね」
ルブラン達から顔を背けた瞬間に
聞きなれた、聞きたかった声がする。
レイヴン様登場よ、なんて言ってウィンクしている。
全員が、死んだと思っていた。
一瞬呆気に取られていたが
すぐにリタが信用できないと叫ぶ。
「じゃあ掟に従ってケジメをつけさせてもらうぜ。
あんたの命、凛々の明星が貰った。
生きるも死ぬも、俺たち次第だ」
ユーリはレイヴンを思い切り殴った。
続いて全員が殴り、フレンだけが声をかける。
「ジル!先に行くぞ。
ちゃんとおっさん連れて来てくれ」
ユーリの配慮に感謝しつつ
私はレイヴンと対峙する。
「えーっとぉ、ジルちゃん…?」
『このバカッ!』
「ぐはっ!!ジルちゃ、きょ、強烈ぅ……って、え?」
私は思い切りレイヴンを殴ったあと、抱きついた。
思い切り抱きついたせいで
レイヴンは後ろに倒れ尻餅をつく。
『バカよ……バカ。いつも勝手にいなくなって
ふらっと戻ってきて…
残された側の気持ち、少しは考えなさいよ』
「こんなおっさんのために、泣いてくれてるの?」
『私が泣いてるわけ…、ないでしょ』
レイヴンは、ぎゅっと、抱き締め返してくれる。
「こんなおっさんを待っててくれる人がいるなんてねぇ。
おっさん、幸せもんねぇ」
『うるさい…こんなって言うなバカ』
「んもぅ、口が悪いんだから」
よしよしと、頭を撫でられ我に返る。
泣いたことと、抱きついたことと
色々と口走ったこと…
私のキャラじゃなさすぎて後悔し
慌てて身体を離して立ち上がる。
『ほら、行こう。皆が、エステルが待ってる』
「さーて、大将と真っ向勝負ね」
レイヴンのこの選択が
彼にとって最善の策なのかはわからない。
アレクセイに歯向かうことで
心臓魔導器を停められてしまうかもしれない。
リスクはある。
だけど、そのリスクを犯しても
戻ってきてくれたレイヴンに
どうしても言いたかった言葉があった。
『レイヴン、お帰り』
「うん、ただいまジルちゃん」
(って、ねぇ!怪我してるじゃない!)
(えっ、あ、あぁ。うん。でもこのくらい大丈夫よ)
(なんで手当てしてないのよ!)
(それは……)
(これ、さっきよね?おっさんと戦ったときの…)
(私の動きが悪かっただけだから)
(回復するから、傷見せてちょうだい)
(うん……って、ちょ!?なに傷口にキスして…んっ)
(愛の快針よ!詠唱がなくてもお手のもの~なんちゃって)
(ちょっと、も、いいからっ、んぅっ…)
(……抑えきかなくなっちゃうからやめてくんない?その声…)
(そっちがやめれ!!)
2/2ページ