■おかえり
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違和感は、あった。
でもまさか、こんなことになるなんて。
時間が巻き戻れば…いや
巻き戻ってもきっと同じ結末だ。
出会ったときから、違ったのだ。
出会ったときから、変わらなかったのだ。
エステルとレイヴンが姿を消して
私の頭には嫌な考えしか浮かばなかった。
ユーリは二人揃って
いなくなるなんてことはないと断言していたが
二人共何者かに連れ去られたのかもしれないし
レイヴンはいつものようにふらっと戻ってきて
およ?皆どったの?
と、とぼけた顔をしてひょっこり戻ってくるかもしれない。
そうは思ってみたものの、現実味はない。
レイヴンが裏切った、としか考えられない自分が憎かった。
何度も、お願いだから勘違いであってくれと願う。
そうしてバクティオン神殿で私達に立ちはだかったのは
容貌も雰囲気も何もかもが
あのおっさんとは似ても似つかない騎士の姿。
ラピードが吠える。
あぁ、やっぱりそうだったのか。
私の感じていた違和感は正しかったのか。
「嘘でしょ!レイヴン!!」
「バッカやろうが!!」
「〈帝国〉騎士団隊長首席
シュヴァーン・オルトレイン…参る」
私たちに本気で斬りかかってくる姿には
いつもの笑顔はなく、冷たい感情のない瞳。
『なぜ…!!全部…嘘だったわけ!?』
思うように、身体が言うことを聞いてくれない。
戦いたく、ない。
周囲を見渡せば、泣きそうな顔のカロルとリタ。
悲痛な顔をしているパティとフレン。
感情を押し殺そうとしているユーリとジュディス。
仲間たちもきっと同じ気持ちなのだ。
シュヴァーンの攻撃を受け止めながら
眉ひとつ動かさない彼を睨み付ける。
こんなにも重い攻撃ができるのかと
一瞬怯んだところに容赦なく次の攻撃がくる。
体制がぐらついた私に剣が振り下ろされた。
「おっさん、何やってるんだよ!!」
ガキンッと鈍い音がして
ユーリが攻撃の間に入って受け止めてくれた。
そしてシュヴァーンを斬りつける。
「な・・・!」
『!』
ユーリの攻撃は胸に当たり、シュヴァーンは片膝をつく。
胸には見たこともない
禍々しい光を放つ魔導石が埋め込まれていた。
「なにそよれ・・・?」
「自前のは、10年前になくした」
初めて聞く、彼の過去。
人魔戦争に参加したものの、所属部隊は全滅。
自身も心臓を失い、死ぬはずだったところを
アレクセイによって心臓魔導器を埋め込まれ蘇生し
それからはアレクセイに従っている、と。
ズズンッ…
となにかが、崩れる音がした。
シュヴァーンは淡々とした口調で
自分ごと生き埋めにするのだろうと言う。
彼の表情からは
もう全て終わらせたい、という思いが伝わってくる。
「はじめから、ここを生きて出るつもりはなかったのね」
ジュディスの言葉に、ドクン、と心臓が跳ねる。
いやだ。そんなの、許さない。
生きてよ。戻ってきてよ。
傍にいなさいよ。
色んな感情が溢れてしまって
掛ける言葉が見つからない。
「ひとりで勝手に終わった気になってんじゃねぇ!!
最後までしゃんと生きやがれ!!」
ユーリの言葉にハッとする。
それはシュヴァーン、レイヴンも同じだった。
「…ほんと、容赦ないあんちゃんだねぇ」
吹っ切れたような顔つきになったレイヴンは
塞がれた瓦礫を払いのけてくれた。
崩れ去る瓦礫を避けながら、出口に向かおうとした矢先
私とカロルの頭上に大きな瓦礫が落ちてきた。
先ほどの戦いで少し怪我をしていた私は
咄嗟の動きができなかった。
『え……?』
「ちょっと…!生命力の落ちているアンタが
今そんなことしたら…!」
レイヴンが、私達を庇って瓦礫を支えてくれていた。
『レイヴン……』
「長くはもたない。早く行け!」
「いやだよ、レイヴン!!」
その間にも、どんどん神殿は崩れていく。
ユーリが行くぞと声を張る。
カロルは泣きじゃくっている。
「行くんだ!!」
ユーリが叫んだ瞬間、レイヴンは私を見て
悲しいような、優しいような笑顔を見せた。
でもまさか、こんなことになるなんて。
時間が巻き戻れば…いや
巻き戻ってもきっと同じ結末だ。
出会ったときから、違ったのだ。
出会ったときから、変わらなかったのだ。
エステルとレイヴンが姿を消して
私の頭には嫌な考えしか浮かばなかった。
ユーリは二人揃って
いなくなるなんてことはないと断言していたが
二人共何者かに連れ去られたのかもしれないし
レイヴンはいつものようにふらっと戻ってきて
およ?皆どったの?
と、とぼけた顔をしてひょっこり戻ってくるかもしれない。
そうは思ってみたものの、現実味はない。
レイヴンが裏切った、としか考えられない自分が憎かった。
何度も、お願いだから勘違いであってくれと願う。
そうしてバクティオン神殿で私達に立ちはだかったのは
容貌も雰囲気も何もかもが
あのおっさんとは似ても似つかない騎士の姿。
ラピードが吠える。
あぁ、やっぱりそうだったのか。
私の感じていた違和感は正しかったのか。
「嘘でしょ!レイヴン!!」
「バッカやろうが!!」
「〈帝国〉騎士団隊長首席
シュヴァーン・オルトレイン…参る」
私たちに本気で斬りかかってくる姿には
いつもの笑顔はなく、冷たい感情のない瞳。
『なぜ…!!全部…嘘だったわけ!?』
思うように、身体が言うことを聞いてくれない。
戦いたく、ない。
周囲を見渡せば、泣きそうな顔のカロルとリタ。
悲痛な顔をしているパティとフレン。
感情を押し殺そうとしているユーリとジュディス。
仲間たちもきっと同じ気持ちなのだ。
シュヴァーンの攻撃を受け止めながら
眉ひとつ動かさない彼を睨み付ける。
こんなにも重い攻撃ができるのかと
一瞬怯んだところに容赦なく次の攻撃がくる。
体制がぐらついた私に剣が振り下ろされた。
「おっさん、何やってるんだよ!!」
ガキンッと鈍い音がして
ユーリが攻撃の間に入って受け止めてくれた。
そしてシュヴァーンを斬りつける。
「な・・・!」
『!』
ユーリの攻撃は胸に当たり、シュヴァーンは片膝をつく。
胸には見たこともない
禍々しい光を放つ魔導石が埋め込まれていた。
「なにそよれ・・・?」
「自前のは、10年前になくした」
初めて聞く、彼の過去。
人魔戦争に参加したものの、所属部隊は全滅。
自身も心臓を失い、死ぬはずだったところを
アレクセイによって心臓魔導器を埋め込まれ蘇生し
それからはアレクセイに従っている、と。
ズズンッ…
となにかが、崩れる音がした。
シュヴァーンは淡々とした口調で
自分ごと生き埋めにするのだろうと言う。
彼の表情からは
もう全て終わらせたい、という思いが伝わってくる。
「はじめから、ここを生きて出るつもりはなかったのね」
ジュディスの言葉に、ドクン、と心臓が跳ねる。
いやだ。そんなの、許さない。
生きてよ。戻ってきてよ。
傍にいなさいよ。
色んな感情が溢れてしまって
掛ける言葉が見つからない。
「ひとりで勝手に終わった気になってんじゃねぇ!!
最後までしゃんと生きやがれ!!」
ユーリの言葉にハッとする。
それはシュヴァーン、レイヴンも同じだった。
「…ほんと、容赦ないあんちゃんだねぇ」
吹っ切れたような顔つきになったレイヴンは
塞がれた瓦礫を払いのけてくれた。
崩れ去る瓦礫を避けながら、出口に向かおうとした矢先
私とカロルの頭上に大きな瓦礫が落ちてきた。
先ほどの戦いで少し怪我をしていた私は
咄嗟の動きができなかった。
『え……?』
「ちょっと…!生命力の落ちているアンタが
今そんなことしたら…!」
レイヴンが、私達を庇って瓦礫を支えてくれていた。
『レイヴン……』
「長くはもたない。早く行け!」
「いやだよ、レイヴン!!」
その間にも、どんどん神殿は崩れていく。
ユーリが行くぞと声を張る。
カロルは泣きじゃくっている。
「行くんだ!!」
ユーリが叫んだ瞬間、レイヴンは私を見て
悲しいような、優しいような笑顔を見せた。
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