★君の涙は見たくない
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「いやいや、旅に同行させるって無茶じゃないかしら?」
昨日カプアトリム近くの海岸に、1人の女性が倒れていた。
マイ、という名前で
彼女の話ではにわかに信じがたいが
別の世界から来たという。
まあ、本人もよく理解していないようだし
本当に全くこちらの世界のことを知らない様子から
嘘をついているようには見えない。
が、100%信じられるわけでもない。
……まあ、俺様も人のことは言えないけど。
「あたしもこればっかりは、おっさんに同意よ」
ため息混じりに天才魔導師少女が呟く。
「リタ、でもマイを一人にはできませんよ」
「だからって連れてくの?
魔法も戦い方も知らないのよ。
連れてってなんのメリットがあるのよ」
言い方はきっついけど、リタっちの言うとおり。
戦えなければ、誰かが彼女を守らなければならない。
守りながら戦うのは、かなり負担がかかる。
「じゃあせめて!
マイが暮らせる場所を見つけましょう!」
「リタ、諦めろ。エステルがこうなると止められねぇよ」
リタっちは納得していないようだけど
エステル嬢ちゃんはどうしても彼女のことが
気がかりらしい。
まあでも確かに、このまま見捨てていくのも
多少の後ろめたさはある。
エステル嬢ちゃんが嬉々として
彼女に旅の同行の話をしたのだが
彼女の反応は落ち着いたものだった。
『有難いけど・・・それはかなりご迷惑になるんじゃない?』
「でも、これからどうするの?」
『どうも決まってはないけど・・・
私はこの世界のこと、何も知らない。
今いる街がなんて名前なのか、文字すら読めない。
戦ったりするって聞いたけど、そんな経験もない。
あなたたちにとって、邪魔でしかないと思う』
先程の会話を
聞いていたんじゃないかっていうほどの返事で
思わず全員が黙る。
あらら、リタっちも苦い顔しちゃって。
「確かにあんた一人引き取るのはなかなか大変だ。
でも悪いな。
うちの姫さんは言い出したら引き下がらないんだよ。
だから暫くの間は、一緒に行動してもらうぜ」
『・・・ありがとう。
なるべく足を引っ張らないように頑張る』
とんだ甘ちゃん連中ね、と思いはするけど
人間臭くて案外悪い心地はしない。
ぶつくさ文句を言っているリタっちだって
そのうち打ち解けるだろう。
この胡散臭いおっさんのことすら
なんだかんだで許してくれているのだし。
こうしてマイちゃんは仲間になったのだけど
リタっちが彼女を認めるのは案外早かった。
もともと頭が良いのか、言語に然程の違いがないのか
文字はすぐに読めるようになったし
食材や料理は同じらしいので、
はじめの頃は料理係をすすんでやってくれていた。
それからは驚くことに戦闘にも参加できるようになり
術式をなんとなく理解でき
あのリタっちが
彼女の存在を認めざるを得ないことになった。
「ねえ!これ、あんたはどう思う?」
『えー、どうって言われても…これがこう、とか?』
「あ、そうか。そうなったら、こっちを……」
彼女を邪魔者扱いしていたのに
なんなんだあのデレッぷりは、と
ツッコミたくなるほど、リタっちが懐いている。
研究書を読んでいる二人を見て、青年が
苦笑いしながら近づいてきた。
「リタの奴、あんなに邪険にしてたのにな」
「ほんとよー。おっさんあの時ハラハラしちゃったわ」
どうやら全員同じ事を思ってそう。
「まあ、マイが馴染めたんならいいけどな」
「にしても不思議なお姉ちゃんよねぇ。
なんでも、そつなくこなしちゃって」
「……どうだかな」
昨日カプアトリム近くの海岸に、1人の女性が倒れていた。
マイ、という名前で
彼女の話ではにわかに信じがたいが
別の世界から来たという。
まあ、本人もよく理解していないようだし
本当に全くこちらの世界のことを知らない様子から
嘘をついているようには見えない。
が、100%信じられるわけでもない。
……まあ、俺様も人のことは言えないけど。
「あたしもこればっかりは、おっさんに同意よ」
ため息混じりに天才魔導師少女が呟く。
「リタ、でもマイを一人にはできませんよ」
「だからって連れてくの?
魔法も戦い方も知らないのよ。
連れてってなんのメリットがあるのよ」
言い方はきっついけど、リタっちの言うとおり。
戦えなければ、誰かが彼女を守らなければならない。
守りながら戦うのは、かなり負担がかかる。
「じゃあせめて!
マイが暮らせる場所を見つけましょう!」
「リタ、諦めろ。エステルがこうなると止められねぇよ」
リタっちは納得していないようだけど
エステル嬢ちゃんはどうしても彼女のことが
気がかりらしい。
まあでも確かに、このまま見捨てていくのも
多少の後ろめたさはある。
エステル嬢ちゃんが嬉々として
彼女に旅の同行の話をしたのだが
彼女の反応は落ち着いたものだった。
『有難いけど・・・それはかなりご迷惑になるんじゃない?』
「でも、これからどうするの?」
『どうも決まってはないけど・・・
私はこの世界のこと、何も知らない。
今いる街がなんて名前なのか、文字すら読めない。
戦ったりするって聞いたけど、そんな経験もない。
あなたたちにとって、邪魔でしかないと思う』
先程の会話を
聞いていたんじゃないかっていうほどの返事で
思わず全員が黙る。
あらら、リタっちも苦い顔しちゃって。
「確かにあんた一人引き取るのはなかなか大変だ。
でも悪いな。
うちの姫さんは言い出したら引き下がらないんだよ。
だから暫くの間は、一緒に行動してもらうぜ」
『・・・ありがとう。
なるべく足を引っ張らないように頑張る』
とんだ甘ちゃん連中ね、と思いはするけど
人間臭くて案外悪い心地はしない。
ぶつくさ文句を言っているリタっちだって
そのうち打ち解けるだろう。
この胡散臭いおっさんのことすら
なんだかんだで許してくれているのだし。
こうしてマイちゃんは仲間になったのだけど
リタっちが彼女を認めるのは案外早かった。
もともと頭が良いのか、言語に然程の違いがないのか
文字はすぐに読めるようになったし
食材や料理は同じらしいので、
はじめの頃は料理係をすすんでやってくれていた。
それからは驚くことに戦闘にも参加できるようになり
術式をなんとなく理解でき
あのリタっちが
彼女の存在を認めざるを得ないことになった。
「ねえ!これ、あんたはどう思う?」
『えー、どうって言われても…これがこう、とか?』
「あ、そうか。そうなったら、こっちを……」
彼女を邪魔者扱いしていたのに
なんなんだあのデレッぷりは、と
ツッコミたくなるほど、リタっちが懐いている。
研究書を読んでいる二人を見て、青年が
苦笑いしながら近づいてきた。
「リタの奴、あんなに邪険にしてたのにな」
「ほんとよー。おっさんあの時ハラハラしちゃったわ」
どうやら全員同じ事を思ってそう。
「まあ、マイが馴染めたんならいいけどな」
「にしても不思議なお姉ちゃんよねぇ。
なんでも、そつなくこなしちゃって」
「……どうだかな」
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