★私の強さは
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「じゃあ僕ちょっとナンのとこに行ってくる!」
久しぶりにダングレストに寄ってみると
どうやら魔狩の剣がいるらしく
カロルはあのナンちゃんのもとへと出掛けて行った。
カロルが戻るまでの間、自由行動になったので
私はブラブラと街の中を探索する。
ドンが居なくなったこの街は
しばらくは混乱していたものの
少し落ち着いて来ているようだった。
街を眺めながら武器屋を覗いて
橋の上から景色を眺める。
「あー!ダメだって!
約束やぶったらけじめつけなきゃいけないんだよ!」
「ボスに怒られるぞー!」
私の後ろを子供達がはしゃぎながら走って行った。
どうやらギルドごっこをしているようだ。
お母さん役は誰だの、
お父さん役は嫌だだのと言っていた
おままごとではなく、ギルドって。
しかも、あんな幼い子の口からけじめって。
「物思いに耽る姿、うーん、色っぽいわ」
『何言ってるの?』
いきなりの発言に驚くこともなく、振り返ってみると
案の定鼻の下を伸ばしたレイヴンがいた。
気持ち悪いことを言ってるけど
きっと私一人でいるのが気になったんだろうなあ。
「何か考え事かしら?」
『考え事っていうか……こっちの世界の子供達って
色んな意味ですごい、というか強いなあと思って』
レイヴンは”きょとん”という文字が
浮かんでいるかのような表情をしていて、ちょっとかわいい。
『私の世界の子供達って
守られるのが当たり前で、甘えるのも当たり前。
辛いことも、痛いことも、悲しいことからも
誰かが守ってくれる』
話しながら、それは子供だけに
言えることじゃないなぁとも思う。
大人達だって、甘えている。
社会から守られていることに、胡座をかいている。
この世界では、自分の身は自分で守らなきゃいけないのに。
『なんかね、カロルもパティもナンちゃんも
皆自立していて、甘えることも頼ることもしないで
すごいなって思ったの』
「こっちの世界の子供達が、皆そうとも限らないわよ」
『そうなの?』
「おっさん、実は貴族の生まれなのね。
もう故郷も全部失くなっちまったけど」
そういえば、レイヴンの過去を聞いたときに
窮屈な生活が嫌だったって聞いたことがあったけど
あれは貴族の生活を示していたのか。
貴族…意外だけど、シュヴァーンの振る舞いは
貴族と云われてもおかしくはない。
「生活は、何不自由なかったわ。
金はあるから、食い物にも着る物にも住むとこにも
困ることはなかったし。
何も苦労してない子供だったの」
レイヴンの幼少期を想像してみるけど
うーん、なかなか難しい。
なぜかユーリとかフレンとかエステルとか
他のみんなはなんとなく想像できるのに。
「マイちゃんは、どんな子供だったの?」
『私は……マイペースでのんびりした子だったみたい。
だからよく一人で遊んだりしてたって』
「わー、すんごい想像できるわぁ」
一人でじーっと空とか川とか眺めてそうねと言われたけど
図星すぎて返事はしなかった。
……ちょっと悔しい。
『カロルくらいの歳のときにここに来てたら
私は生きていけてないだろうね』
「…おっさんは、マイちゃんの世界に一人で迷い込んだら
この歳でも生きていける自信はないわよ」
『え、そう?』
「それこそマイちゃんのこと、すごいなって思うわよ。
文化も、生活も価値観も違うこの世界に一人で来て
一から色んなことを学んで
今では世界を救うことにもなって…
普通はできないわよ。こんなこと」
私だって、はじめは怖かった。
この全く異なる世界に来て
何もかもがわからなくて
どうすればいいかわからなかった。
でも皆がいたから、生きてこれた。
『皆が色々教えてくれたり
面倒をみてくれたから、今ここにいられるんだよ。
それに、私が一人でいたら
すぐに心配して駆けつけてくれたりする
心強いボディーガードもいるしね』
レイヴンはいつでも私を気に掛けてくれてる。
少しでも怪我をしたらすぐに回復してくれるし
苦手な食べ物を食べたときも
「大丈夫?」って気づいてくれるし
寒がりのくせに、私が寒いって言えば
上着を羽織らせてくれるし
気がついたら、いつも傍にいてくれる。
ああ、この人が好きだなって思ってレイヴンを見ると
少しだけ照れたように笑っていた。
「おっさん、マイちゃんのためならば
火の中の、水の中どこへでも参上しちゃうわよ」
『どこでもはちょっと気持ちが重いよ…』
「あらま、そんなこと言っちゃって。
おっさんかなしー」
『はいはい』
レイヴンとのやり取りはいつも楽しい。
傍にいると、自然と笑顔にさせてくれる。
『レイヴン、いつもありがとう』
日頃あまり言わない感謝の言葉を口にして
ちょっぴり気恥ずかしいけど
今はどうしても伝えたくなったのだ。
レイヴンの面食らった顔を見て
私はレイヴンの手をとる。
「えっ、マイちゃん?どったの?」
『ほら、そろそろ戻ろう。お腹空いちゃった』
「ちょっとちょっと、走らなくても…!」
転けそうになるレイヴンを見て思い切り笑う。
大切なものがあると、人は強くなれるってよくいうけど
あれはあながち間違いではないと思う。
レイヴンと、大切な仲間達がいてくれるだけで
私は強くなれる気がする。
(マイ!ちょうどよかった!あのね、ナンがね
マイと話してみたいんだって!)
(ナンちゃんが?)
(えっと…その…)
(なんかね、マイの世界のこと聞きたいんだって)
(そうなんだ。
いいよ、あっちでお茶しながらお話ししようよ。
私もナンちゃんのこと、知りたいし)
(え!ほ、本当に…?)
(うん。女子会しよう)
(女子会…?)
(あ、女子会っていうのはね…)
(少年、なんだか嬉しそうね)
(うん!ナンもマイも楽しそうだからね)
(青春ねえ。若いっていいわぁ)
(レイヴンも嬉しくない?
だってマイ、あんなに笑ってるよ?)
(へ?あ…まぁ、そう、ね。嬉しいわね)
(だよね!レイヴン、マイのこと大好きだもんね)
(ありゃ?おっさんのほうが実は青春してたりするのかしら…)
久しぶりにダングレストに寄ってみると
どうやら魔狩の剣がいるらしく
カロルはあのナンちゃんのもとへと出掛けて行った。
カロルが戻るまでの間、自由行動になったので
私はブラブラと街の中を探索する。
ドンが居なくなったこの街は
しばらくは混乱していたものの
少し落ち着いて来ているようだった。
街を眺めながら武器屋を覗いて
橋の上から景色を眺める。
「あー!ダメだって!
約束やぶったらけじめつけなきゃいけないんだよ!」
「ボスに怒られるぞー!」
私の後ろを子供達がはしゃぎながら走って行った。
どうやらギルドごっこをしているようだ。
お母さん役は誰だの、
お父さん役は嫌だだのと言っていた
おままごとではなく、ギルドって。
しかも、あんな幼い子の口からけじめって。
「物思いに耽る姿、うーん、色っぽいわ」
『何言ってるの?』
いきなりの発言に驚くこともなく、振り返ってみると
案の定鼻の下を伸ばしたレイヴンがいた。
気持ち悪いことを言ってるけど
きっと私一人でいるのが気になったんだろうなあ。
「何か考え事かしら?」
『考え事っていうか……こっちの世界の子供達って
色んな意味ですごい、というか強いなあと思って』
レイヴンは”きょとん”という文字が
浮かんでいるかのような表情をしていて、ちょっとかわいい。
『私の世界の子供達って
守られるのが当たり前で、甘えるのも当たり前。
辛いことも、痛いことも、悲しいことからも
誰かが守ってくれる』
話しながら、それは子供だけに
言えることじゃないなぁとも思う。
大人達だって、甘えている。
社会から守られていることに、胡座をかいている。
この世界では、自分の身は自分で守らなきゃいけないのに。
『なんかね、カロルもパティもナンちゃんも
皆自立していて、甘えることも頼ることもしないで
すごいなって思ったの』
「こっちの世界の子供達が、皆そうとも限らないわよ」
『そうなの?』
「おっさん、実は貴族の生まれなのね。
もう故郷も全部失くなっちまったけど」
そういえば、レイヴンの過去を聞いたときに
窮屈な生活が嫌だったって聞いたことがあったけど
あれは貴族の生活を示していたのか。
貴族…意外だけど、シュヴァーンの振る舞いは
貴族と云われてもおかしくはない。
「生活は、何不自由なかったわ。
金はあるから、食い物にも着る物にも住むとこにも
困ることはなかったし。
何も苦労してない子供だったの」
レイヴンの幼少期を想像してみるけど
うーん、なかなか難しい。
なぜかユーリとかフレンとかエステルとか
他のみんなはなんとなく想像できるのに。
「マイちゃんは、どんな子供だったの?」
『私は……マイペースでのんびりした子だったみたい。
だからよく一人で遊んだりしてたって』
「わー、すんごい想像できるわぁ」
一人でじーっと空とか川とか眺めてそうねと言われたけど
図星すぎて返事はしなかった。
……ちょっと悔しい。
『カロルくらいの歳のときにここに来てたら
私は生きていけてないだろうね』
「…おっさんは、マイちゃんの世界に一人で迷い込んだら
この歳でも生きていける自信はないわよ」
『え、そう?』
「それこそマイちゃんのこと、すごいなって思うわよ。
文化も、生活も価値観も違うこの世界に一人で来て
一から色んなことを学んで
今では世界を救うことにもなって…
普通はできないわよ。こんなこと」
私だって、はじめは怖かった。
この全く異なる世界に来て
何もかもがわからなくて
どうすればいいかわからなかった。
でも皆がいたから、生きてこれた。
『皆が色々教えてくれたり
面倒をみてくれたから、今ここにいられるんだよ。
それに、私が一人でいたら
すぐに心配して駆けつけてくれたりする
心強いボディーガードもいるしね』
レイヴンはいつでも私を気に掛けてくれてる。
少しでも怪我をしたらすぐに回復してくれるし
苦手な食べ物を食べたときも
「大丈夫?」って気づいてくれるし
寒がりのくせに、私が寒いって言えば
上着を羽織らせてくれるし
気がついたら、いつも傍にいてくれる。
ああ、この人が好きだなって思ってレイヴンを見ると
少しだけ照れたように笑っていた。
「おっさん、マイちゃんのためならば
火の中の、水の中どこへでも参上しちゃうわよ」
『どこでもはちょっと気持ちが重いよ…』
「あらま、そんなこと言っちゃって。
おっさんかなしー」
『はいはい』
レイヴンとのやり取りはいつも楽しい。
傍にいると、自然と笑顔にさせてくれる。
『レイヴン、いつもありがとう』
日頃あまり言わない感謝の言葉を口にして
ちょっぴり気恥ずかしいけど
今はどうしても伝えたくなったのだ。
レイヴンの面食らった顔を見て
私はレイヴンの手をとる。
「えっ、マイちゃん?どったの?」
『ほら、そろそろ戻ろう。お腹空いちゃった』
「ちょっとちょっと、走らなくても…!」
転けそうになるレイヴンを見て思い切り笑う。
大切なものがあると、人は強くなれるってよくいうけど
あれはあながち間違いではないと思う。
レイヴンと、大切な仲間達がいてくれるだけで
私は強くなれる気がする。
(マイ!ちょうどよかった!あのね、ナンがね
マイと話してみたいんだって!)
(ナンちゃんが?)
(えっと…その…)
(なんかね、マイの世界のこと聞きたいんだって)
(そうなんだ。
いいよ、あっちでお茶しながらお話ししようよ。
私もナンちゃんのこと、知りたいし)
(え!ほ、本当に…?)
(うん。女子会しよう)
(女子会…?)
(あ、女子会っていうのはね…)
(少年、なんだか嬉しそうね)
(うん!ナンもマイも楽しそうだからね)
(青春ねえ。若いっていいわぁ)
(レイヴンも嬉しくない?
だってマイ、あんなに笑ってるよ?)
(へ?あ…まぁ、そう、ね。嬉しいわね)
(だよね!レイヴン、マイのこと大好きだもんね)
(ありゃ?おっさんのほうが実は青春してたりするのかしら…)
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