★君のヒーロー
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今回の事件で”黒曜の鳥”は法に裁かれることになり
もちろんギルドも解散した。
拐われた子供も、女性も無事に保護され
家族のもとへと帰ることができた。
子供を金で買おうとした貴族も罰せられ
今回の事件は解決したのだった。
マイは、殴られた頭の傷が思っていたよりも深く
しばらく安静にするようにと言われ
ヘリオードの宿屋で休んでいた。
ぼーっと外を眺めていると、
コンコンっとノックされてドアが開く。
レイヴンと、レイヴンの後ろに隠れるようにカロルがいた。
「怪我の具合はどお?」
『大丈夫。なんともないよ。二人ともごめんね心配かけて』
「マイが謝ることないよ!」
カロルは拳を握り締めて、泣きそうな顔をしている。
「僕が…僕があの時外になんか出なかったら
マイが連れて行かれることなんてなかったんだ。
怪我だって、怖い思いだってしなかった…。僕が悪いんだ…」
ごめんなさい、と震える声で言うカロルの手を
マイはそっと握る。
『カロルのせいじゃないよ。
私だってレイヴンやユーリに一言言えばよかったのに
一人で追いかけちゃったし。
他の拐われた人を助けることが出来たんだから
私はこれでよかったって思ってるよ。
……助けに来てくれてありがとう、カロル』
マイの言葉を聞くと、カロルは
うんうんと顔をあげないまま頷いている。
肩も少し動いているし
もしかしたら泣いているのかもしれない、と思っていると
レイヴンが
マイちゃんとお話があるから先戻っといて、と
声を掛けて、カロルは出て行った。
レイヴンのこういうさりげない気遣いが
マイはいいなあと感心する。
「カロル君、ずっと気にしてたのよ」
『気にしなくてよかったのに…。
あ、レイヴンもその…ありがとう。助けに来てくれて』
マイは皆の前でレイヴンに抱きついて
泣いてしまったことを思い出し
少し気恥ずかしかった。
「礼なんて言われることしてないわよ。
おっさんは当たり前のことをしたまでよ。
…もうちょい、早く助けに行ければよかったわね」
レイヴンは昨日のマイの姿を思い出す。
自分の大切に想っている女性が
乱暴されそうになっている。
しかも殴られた跡もあり、あちこち傷を負って
必死に抵抗している。
一瞬にして、怒りがこみ上げたのだ。
こんな華奢な腕で、よく耐えたなと思っていると
いつの間にかレイヴンはマイの手を握っていた。
『えっと…どうしたの?』
「マイちゃんがいなくなったって聞いたとき
おっさん、心配と焦りと苛立ちとで
どうにかなっちゃいそうだったわ。
でも、無事に帰って来てくれて、本当によかった」
レイヴンの慈しむような優しい笑顔に
マイは思わずドキリ、とする。
最近レイヴンはよくこういう笑顔を
向けてくれるようになったのだが
普段とのギャップにいつも驚く。
『きっと皆が来てくれるって信じてた。
でも途中で不安になって、どうしようもなく怖くなって…
それでも、レイヴンだけは
絶対に見つけてくれるって思えたの。
レイヴン助けて!って思ったら本当に来てくれるんだもん。
格好よかったよ。ヒーローだね』
「マイちゃんだけのヒーローね。
何処へでも、探しに行って守ってあげるわ。
……って、ヒーローより、王子様じゃダメかしら?」
『王子様キャラはフレンの専売特許かな』
「そんなあ…」
談笑しながらも二人はずっと手を握っていた。
お互いの存在を確かめるように
離れていた時の不安をかき消すように
手を握って、寄り添っていた。
(それにしても、よくあのバッチが
手掛かりになるってわかったわね)
(前にカロルがギルドのマークは色々あって
格好いいって見せてくれたことがあって)
(それで覚えてたの?)
(うん。それにその時レイヴンが
あの鳥のマークのやつには気を付けろって言ってたから)
(ジュディスちゃんの言うとおり、マイちゃんは冷静だわね…)
(でもだから二人には本当に助けられたんだよ)
(その話、後でカロルくんにもしてやってね)
もちろんギルドも解散した。
拐われた子供も、女性も無事に保護され
家族のもとへと帰ることができた。
子供を金で買おうとした貴族も罰せられ
今回の事件は解決したのだった。
マイは、殴られた頭の傷が思っていたよりも深く
しばらく安静にするようにと言われ
ヘリオードの宿屋で休んでいた。
ぼーっと外を眺めていると、
コンコンっとノックされてドアが開く。
レイヴンと、レイヴンの後ろに隠れるようにカロルがいた。
「怪我の具合はどお?」
『大丈夫。なんともないよ。二人ともごめんね心配かけて』
「マイが謝ることないよ!」
カロルは拳を握り締めて、泣きそうな顔をしている。
「僕が…僕があの時外になんか出なかったら
マイが連れて行かれることなんてなかったんだ。
怪我だって、怖い思いだってしなかった…。僕が悪いんだ…」
ごめんなさい、と震える声で言うカロルの手を
マイはそっと握る。
『カロルのせいじゃないよ。
私だってレイヴンやユーリに一言言えばよかったのに
一人で追いかけちゃったし。
他の拐われた人を助けることが出来たんだから
私はこれでよかったって思ってるよ。
……助けに来てくれてありがとう、カロル』
マイの言葉を聞くと、カロルは
うんうんと顔をあげないまま頷いている。
肩も少し動いているし
もしかしたら泣いているのかもしれない、と思っていると
レイヴンが
マイちゃんとお話があるから先戻っといて、と
声を掛けて、カロルは出て行った。
レイヴンのこういうさりげない気遣いが
マイはいいなあと感心する。
「カロル君、ずっと気にしてたのよ」
『気にしなくてよかったのに…。
あ、レイヴンもその…ありがとう。助けに来てくれて』
マイは皆の前でレイヴンに抱きついて
泣いてしまったことを思い出し
少し気恥ずかしかった。
「礼なんて言われることしてないわよ。
おっさんは当たり前のことをしたまでよ。
…もうちょい、早く助けに行ければよかったわね」
レイヴンは昨日のマイの姿を思い出す。
自分の大切に想っている女性が
乱暴されそうになっている。
しかも殴られた跡もあり、あちこち傷を負って
必死に抵抗している。
一瞬にして、怒りがこみ上げたのだ。
こんな華奢な腕で、よく耐えたなと思っていると
いつの間にかレイヴンはマイの手を握っていた。
『えっと…どうしたの?』
「マイちゃんがいなくなったって聞いたとき
おっさん、心配と焦りと苛立ちとで
どうにかなっちゃいそうだったわ。
でも、無事に帰って来てくれて、本当によかった」
レイヴンの慈しむような優しい笑顔に
マイは思わずドキリ、とする。
最近レイヴンはよくこういう笑顔を
向けてくれるようになったのだが
普段とのギャップにいつも驚く。
『きっと皆が来てくれるって信じてた。
でも途中で不安になって、どうしようもなく怖くなって…
それでも、レイヴンだけは
絶対に見つけてくれるって思えたの。
レイヴン助けて!って思ったら本当に来てくれるんだもん。
格好よかったよ。ヒーローだね』
「マイちゃんだけのヒーローね。
何処へでも、探しに行って守ってあげるわ。
……って、ヒーローより、王子様じゃダメかしら?」
『王子様キャラはフレンの専売特許かな』
「そんなあ…」
談笑しながらも二人はずっと手を握っていた。
お互いの存在を確かめるように
離れていた時の不安をかき消すように
手を握って、寄り添っていた。
(それにしても、よくあのバッチが
手掛かりになるってわかったわね)
(前にカロルがギルドのマークは色々あって
格好いいって見せてくれたことがあって)
(それで覚えてたの?)
(うん。それにその時レイヴンが
あの鳥のマークのやつには気を付けろって言ってたから)
(ジュディスちゃんの言うとおり、マイちゃんは冷静だわね…)
(でもだから二人には本当に助けられたんだよ)
(その話、後でカロルくんにもしてやってね)
4/4ページ