海堂side



立海のマネージャー[#dn=1]は、
自分の中の考えや思いをしっかりもっていて、まっすぐな奴だ。
誰にでも平等で優しく、誰とでもすぐに打ち解けられる。
相手が俺に対しても。



合宿所に来てから、俺は毎日早朝に走っている。
強くなりたい、がむしゃらに走っていた。

『そんなに闇雲に走るだけじゃだめだよ』

走り終えた俺に久川は話しかけてきた。

「お前に関係ないだろ」

少し気が立っていた俺は、少し強めに答えてしまった。
さすがに、言い方がきつすぎたか…？

『関係ないかもしれないけど、気になるの！
いい？走るだけじゃなくて……』

[#da=4#]はインターバルが大事だとか
俺に合ったストレッチの仕方とか教えてきた。

「なんで、俺にここまでするんだ…？」

『？理由が必要？私はマネージャーよ。
しかも今は立海のマネージャーじゃなくて
皆のマネージャーなの。皆を支えるのが仕事よ』

「…悪かった」

『なんのこと？』

そういうと、久川は綺麗に笑って見せた。

ライバル校とか関係なく
俺個人に真摯に向かってくれた彼女に惹かれた。
気持ちを隠していたつもりだったが
まさか切原たちにバレるとは…


…負けねえ。