日吉side

財前に言われて自覚した。
ああ、俺は彼女のことが好きだったのか。


立海のマネージャー。
どんな強者かと思えば、見た目は華奢で
どちらかといえば氷帝にいそうな
少しお高くとまったタイプに見えた。
男の中にただ一人のマネージャーなんて
単なる男好きなんだろ、とも思った。

でも、彼女は真剣だった。
あの幸村さんの信頼を得ていて
あの真田さんの気迫にも負けず
あの柳さんに引けず劣らないデータ収集、分析力。
素直に彼女のことをすごいと思った。

その気持が、いつの間にか好意に変わっていた。



『恋』と呼ぶにはまだ早く
『憧れ』ともすこし違う。
ただ彼女ともう少し、話したりしてみたい。



・・・下剋上の相手が多すぎるのが、問題だがな。