遠距離幼馴染み
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神奈川と東京。
とてつもなく遠い距離ではないが
お互い学生の身である以上
簡単には会うことができない。
今回、俺は桜に気持ちを伝えるつもりでいたのだが
本人を前にすると、この幼馴染みという関係を壊すことが
怖くなってしまった。
だが、このままの関係でいたとしても
なんの解決にもならない。
寧ろ、貞治や青学の連中に先を越させる可能性だってある。
ここまで、不甲斐ない男だったとは、と自嘲していると
控えめに部屋のドアがノックされた。
開けるとそこには寝巻き姿の桜。
『あ、ごめんね…勉強とかしてた?』
「いや。少し、考え事をしていただけだ」
『そっか…』
どこかいつもと様子が違う。
ふと、後ろ手に枕を持っているのが見えた。
「桜、それは……」
『その……えっと…、ちょっと寂しくて…
い、一緒に寝ちゃだめかなーって……』
一瞬にして、色んなことが頭を過る。
一緒に、とは俺のベッドに二人で、と解釈していいのか。
俺としては感極まる提案だが
その場合、理性は保つだろうか。
いや、保たせねばならない。まだ早い。早すぎる。
そもそも桜はどんな気持ちで…
「別に構わないぞ」
頭ではパニックになっているくせに
何も気にしていないかのように取り繕う。
寝巻き姿で、枕を抱えた桜が俺の部屋にいる。
どうしたものか。
『本当によかったの?』
「ああ。問題ない。……そろそろ寝るか?」
『うん、……隣、お邪魔するね』
やはり、俺のベッドで一緒に寝るようだ。
俺が横になると、ギシッとベッドが軋み桜が隣に並ぶ。
予想外の距離の近さに戸惑う。
「明日、帰るのが寂しいのか?」
『寂しいよ。でも、帰るのがっていうより
蓮二とまた離れるのが寂しい』
「俺も…同じ気持ちだ」
『ほんとに?』
「ああ」
寂しくて、堪らない。
同じ学校に通えたら
桜にドリンクを作ってもらったり
一緒に練習メニューを考えたり
制服のまま、一緒に登下校をして
たまには遊びに行ったり…
図書館で一緒に勉強もしてみたい。
何度も考え、心底貞治が羨ましかった。
『でも蓮二、そんな風に見えない。
今だって、余裕って感じで…私ばっかり…』
好きみたい、と小さく聞こえて
俺は桜の方へと身体を向けて
彼女のか細い身体を抱き締めた。
「俺が、余裕に見えるか?
本当は余裕など、全くないさ。
情けないほどに寂しいと感じているし
緊張もしていてる」
桜は最初驚いて身を強張らせたが
徐々に力を抜いて、ぎゅっと
抱き締め返してくれた。
『ふふっ、意外だった。
だっていつでも涼しい顔してるんだもん。
でも、本当だね。心臓の音、聞こえる』
「ふむ、表情はごまかせても
心音まではどうにもならないな。
……それだけ、この柳蓮二
お前のことが好きだという証拠だ」
ビクッと桜が身体を震わせた。
『えっ、えっ?ちょっとサラッといま…』
「ああ。告白、だな。
ずっと伝えようと、色々と考えてはいたのだが
自然と気持ちが出てしまったようだ」
あれほど伝えられなかった気持ちが
信じられないとほどすんなりと口にしていた。
桜は俺の腕の中で耳まで真っ赤にしていた。
「返事は、聞かせてはくれないのか?」
あえて少し悲しげな表情で問う。
優しい彼女がこの顔に弱いのは知っている。
『わ、私も…蓮二が好き…』
恥ずかしいのだろうか
抱きつく腕に力がこもり、胸に顔を埋める。
気持ちが通じ合ったのは嬉しいが
朝までこのままというのは
かなり忍耐強を試される。
それも当の本人はいつの間にか
幸せそうな顔をして夢の中だ。
今夜は眠れそうにないが、この愛らしい寝顔を
一晩中独り占めできる幸せを噛み締めていよう。
翌朝、帰る準備をしていた桜だったが
桜のご両親の勘違いで
滞在が1日延びることになった。
お互い、昨日が最後という気持ちで
若干大胆になっていたので
なんとなく気恥ずかしさが残り
しばらくギクシャクしてしまっていたのだった。
(蓮二、今日も一緒に寝ていい?)
(……お前はもう少し警戒心を持ったほうがいい)
(蓮二に警戒する必要ないもん)
(俺も男だ。いつまでも今までのようにはいかない)
(わかってるよ。
…私は今までのままっていうのも、いやなんだけど)
(頼むから、あまり可愛いことを言ってくれるな・・・)
とてつもなく遠い距離ではないが
お互い学生の身である以上
簡単には会うことができない。
今回、俺は桜に気持ちを伝えるつもりでいたのだが
本人を前にすると、この幼馴染みという関係を壊すことが
怖くなってしまった。
だが、このままの関係でいたとしても
なんの解決にもならない。
寧ろ、貞治や青学の連中に先を越させる可能性だってある。
ここまで、不甲斐ない男だったとは、と自嘲していると
控えめに部屋のドアがノックされた。
開けるとそこには寝巻き姿の桜。
『あ、ごめんね…勉強とかしてた?』
「いや。少し、考え事をしていただけだ」
『そっか…』
どこかいつもと様子が違う。
ふと、後ろ手に枕を持っているのが見えた。
「桜、それは……」
『その……えっと…、ちょっと寂しくて…
い、一緒に寝ちゃだめかなーって……』
一瞬にして、色んなことが頭を過る。
一緒に、とは俺のベッドに二人で、と解釈していいのか。
俺としては感極まる提案だが
その場合、理性は保つだろうか。
いや、保たせねばならない。まだ早い。早すぎる。
そもそも桜はどんな気持ちで…
「別に構わないぞ」
頭ではパニックになっているくせに
何も気にしていないかのように取り繕う。
寝巻き姿で、枕を抱えた桜が俺の部屋にいる。
どうしたものか。
『本当によかったの?』
「ああ。問題ない。……そろそろ寝るか?」
『うん、……隣、お邪魔するね』
やはり、俺のベッドで一緒に寝るようだ。
俺が横になると、ギシッとベッドが軋み桜が隣に並ぶ。
予想外の距離の近さに戸惑う。
「明日、帰るのが寂しいのか?」
『寂しいよ。でも、帰るのがっていうより
蓮二とまた離れるのが寂しい』
「俺も…同じ気持ちだ」
『ほんとに?』
「ああ」
寂しくて、堪らない。
同じ学校に通えたら
桜にドリンクを作ってもらったり
一緒に練習メニューを考えたり
制服のまま、一緒に登下校をして
たまには遊びに行ったり…
図書館で一緒に勉強もしてみたい。
何度も考え、心底貞治が羨ましかった。
『でも蓮二、そんな風に見えない。
今だって、余裕って感じで…私ばっかり…』
好きみたい、と小さく聞こえて
俺は桜の方へと身体を向けて
彼女のか細い身体を抱き締めた。
「俺が、余裕に見えるか?
本当は余裕など、全くないさ。
情けないほどに寂しいと感じているし
緊張もしていてる」
桜は最初驚いて身を強張らせたが
徐々に力を抜いて、ぎゅっと
抱き締め返してくれた。
『ふふっ、意外だった。
だっていつでも涼しい顔してるんだもん。
でも、本当だね。心臓の音、聞こえる』
「ふむ、表情はごまかせても
心音まではどうにもならないな。
……それだけ、この柳蓮二
お前のことが好きだという証拠だ」
ビクッと桜が身体を震わせた。
『えっ、えっ?ちょっとサラッといま…』
「ああ。告白、だな。
ずっと伝えようと、色々と考えてはいたのだが
自然と気持ちが出てしまったようだ」
あれほど伝えられなかった気持ちが
信じられないとほどすんなりと口にしていた。
桜は俺の腕の中で耳まで真っ赤にしていた。
「返事は、聞かせてはくれないのか?」
あえて少し悲しげな表情で問う。
優しい彼女がこの顔に弱いのは知っている。
『わ、私も…蓮二が好き…』
恥ずかしいのだろうか
抱きつく腕に力がこもり、胸に顔を埋める。
気持ちが通じ合ったのは嬉しいが
朝までこのままというのは
かなり忍耐強を試される。
それも当の本人はいつの間にか
幸せそうな顔をして夢の中だ。
今夜は眠れそうにないが、この愛らしい寝顔を
一晩中独り占めできる幸せを噛み締めていよう。
翌朝、帰る準備をしていた桜だったが
桜のご両親の勘違いで
滞在が1日延びることになった。
お互い、昨日が最後という気持ちで
若干大胆になっていたので
なんとなく気恥ずかしさが残り
しばらくギクシャクしてしまっていたのだった。
(蓮二、今日も一緒に寝ていい?)
(……お前はもう少し警戒心を持ったほうがいい)
(蓮二に警戒する必要ないもん)
(俺も男だ。いつまでも今までのようにはいかない)
(わかってるよ。
…私は今までのままっていうのも、いやなんだけど)
(頼むから、あまり可愛いことを言ってくれるな・・・)
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