遠距離幼馴染み
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「泊まりにくる?夏休み中にか?」
『うん!お姉さん達もおいでって言ってくれてるしって
聞いてなかったの?』
いきなりかかってきた、桜からの電話。
そんな話、聞いてなどいない。
普段から桜と仲の良い姉のことだ、
大方彼女のことを独り占めにでもする気だったのだろう。
「それで、何日くらいいるつもりだ?」
『まだうちのお母さんに聞かないとわかんないんだけど
今のところは3日間、お世話になるつもりです!』
桜は幼馴染みだ。
俺がこちらへ引っ越すまでは
貞治と3人でよくテニスをしていた。
今は青学テニス部のマネージャーをしていて
普段からお互いの近況を報告し合ったりしている。
今回、夏休み期間中桜のご両親が
遠方の親戚の家へ行かねばならないということで
うちに来ることになった。
青学のマネージャーをしているということもあり
試合の時に顔を会わせることもあったが
なかなかゆっくりと話をすることは出来ていなかった。
ふむ、3日か。
確か1日は部活だが、丁度あとの2日は休みの予定だ。
どこに連れていこうか考えている自分が
いかに浮かれていることか。
『蓮ニは私がいる3日間、予定はあるの?』
「1日だけは部活だ。あとの2日の予定はない」
『そっか~、立海の見学にでも行こうかな』
「絶対に駄目だ」
『え~。間近で真田くんとか幸村くん見てみたかったのに』
真田は良いとして、幸村や仁王には会わせたくない。
あと赤也にも知られたくはない。
この柳蓮ニが、惚れている一人の少女に
振り回されている姿など見せたくはない。
『お久しぶりです!』
「わー!桜ちゃんてば大人っぽくなったわね!」
玄関先で桜の両親とうちの両親が挨拶を交わしている間に
桜と姉は盛り上がっていた。
『蓮ニも!久しぶりだね!』
「ああ、久しいな」
内心、蓮ニも、と言われたことに多少引っ掛かったが
満面の笑みで駆け寄って来られれば
そんな小さなことはどうでもよくなった。
両親たちの話を聞いていると
どうやら桜の滞在は3泊4日らしい。
今日はもう既に、時間的に出掛けるのは難しいし
桜も疲れているだろう。
明日は部活だから、実質二人で外出して一緒に
過ごせるのは3日目しかないのか。
ただ、それでも離れていた分
同じ空間に桜がいる、それだけで素直に嬉しかった。
『ねえ、蓮ニ。荷物置いてちょっとだけ休憩したら
このあたりを案内してよ』
「別に構わないが…疲れてはいないか?」
『うん、大丈夫!』
「わかった。じゃあ茶でも煎れよう」
一息ついて一緒に散歩に行く。
夕飯までの間、暫く二人きりだ。
よく行く本屋や図書館、公園、近くの商店街など
俺にとっては見慣れた場所を案内する。
特別物珍しいところはないのだが
桜はキョロキョロと周りを見渡しては
楽しそうにしている。
『もしかして、あそこが
立海の皆と食べたっていうコロッケ屋さん?』
「あぁ、そうだ。よくわかったな」
『なんとなく、蓮二が話してくれた雰囲気と
似てるなって思って。食べたいなー』
「今日は夕飯まで時間があまりないからな。
この休みの間、タイミングを計らって行くか?」
『うん!行く!食べる!』
この街に、いつもの場所に桜がいるだけで
違う景色に見える。
俺の住む街を案内する、というのは
思っていたよりも感慨深い。
『私、蓮二の住む場所、見たかったんだ。
いつも電話と手紙だけの世界だったから
どんな街だろうって思ってたの』
「見た感想はどうだ?」
『素敵な街!』
「フッ……そうか」
家に着くと、今まで柳家では
出たことのない料理が並んでいた。
母と姉のもてなしはすさまじく、
コロッケは食べなくて正解だった。
『うん!お姉さん達もおいでって言ってくれてるしって
聞いてなかったの?』
いきなりかかってきた、桜からの電話。
そんな話、聞いてなどいない。
普段から桜と仲の良い姉のことだ、
大方彼女のことを独り占めにでもする気だったのだろう。
「それで、何日くらいいるつもりだ?」
『まだうちのお母さんに聞かないとわかんないんだけど
今のところは3日間、お世話になるつもりです!』
桜は幼馴染みだ。
俺がこちらへ引っ越すまでは
貞治と3人でよくテニスをしていた。
今は青学テニス部のマネージャーをしていて
普段からお互いの近況を報告し合ったりしている。
今回、夏休み期間中桜のご両親が
遠方の親戚の家へ行かねばならないということで
うちに来ることになった。
青学のマネージャーをしているということもあり
試合の時に顔を会わせることもあったが
なかなかゆっくりと話をすることは出来ていなかった。
ふむ、3日か。
確か1日は部活だが、丁度あとの2日は休みの予定だ。
どこに連れていこうか考えている自分が
いかに浮かれていることか。
『蓮ニは私がいる3日間、予定はあるの?』
「1日だけは部活だ。あとの2日の予定はない」
『そっか~、立海の見学にでも行こうかな』
「絶対に駄目だ」
『え~。間近で真田くんとか幸村くん見てみたかったのに』
真田は良いとして、幸村や仁王には会わせたくない。
あと赤也にも知られたくはない。
この柳蓮ニが、惚れている一人の少女に
振り回されている姿など見せたくはない。
『お久しぶりです!』
「わー!桜ちゃんてば大人っぽくなったわね!」
玄関先で桜の両親とうちの両親が挨拶を交わしている間に
桜と姉は盛り上がっていた。
『蓮ニも!久しぶりだね!』
「ああ、久しいな」
内心、蓮ニも、と言われたことに多少引っ掛かったが
満面の笑みで駆け寄って来られれば
そんな小さなことはどうでもよくなった。
両親たちの話を聞いていると
どうやら桜の滞在は3泊4日らしい。
今日はもう既に、時間的に出掛けるのは難しいし
桜も疲れているだろう。
明日は部活だから、実質二人で外出して一緒に
過ごせるのは3日目しかないのか。
ただ、それでも離れていた分
同じ空間に桜がいる、それだけで素直に嬉しかった。
『ねえ、蓮ニ。荷物置いてちょっとだけ休憩したら
このあたりを案内してよ』
「別に構わないが…疲れてはいないか?」
『うん、大丈夫!』
「わかった。じゃあ茶でも煎れよう」
一息ついて一緒に散歩に行く。
夕飯までの間、暫く二人きりだ。
よく行く本屋や図書館、公園、近くの商店街など
俺にとっては見慣れた場所を案内する。
特別物珍しいところはないのだが
桜はキョロキョロと周りを見渡しては
楽しそうにしている。
『もしかして、あそこが
立海の皆と食べたっていうコロッケ屋さん?』
「あぁ、そうだ。よくわかったな」
『なんとなく、蓮二が話してくれた雰囲気と
似てるなって思って。食べたいなー』
「今日は夕飯まで時間があまりないからな。
この休みの間、タイミングを計らって行くか?」
『うん!行く!食べる!』
この街に、いつもの場所に桜がいるだけで
違う景色に見える。
俺の住む街を案内する、というのは
思っていたよりも感慨深い。
『私、蓮二の住む場所、見たかったんだ。
いつも電話と手紙だけの世界だったから
どんな街だろうって思ってたの』
「見た感想はどうだ?」
『素敵な街!』
「フッ……そうか」
家に着くと、今まで柳家では
出たことのない料理が並んでいた。
母と姉のもてなしはすさまじく、
コロッケは食べなくて正解だった。
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