氷の女王
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財前はあのあと、なんかすんませんと謝ってきた。
余計なことを言ったと、気にしているようだった。
正直なところ、なんで
そこで千歳が出てきたのかわからない。
確かに千歳が転校してきた時期と近かった気がする。
同じ転校生ってことで意気投合したのだろうか…
千歳と仲が良いのか聞こうと思ったのに
言葉に出来なかった。
なぜだろう、モヤモヤする。
部活に行こうとテニスコートへ向かっていると、
千歳の笑い声がした。
今日はサボらずに来たな、と思って視線を向けると
そこには楽しそうに笑う南條さんがいた。
「お~白石。ちょうどよかった」
いつもの調子で話しかけてくる千歳とは正反対に
バツの悪そうな表情の南條さん。
千歳が何か言おうとしていたのを遮って
俺は自分の気持ちがつい口に出てしまった。
「南條さん、なんで俺とは話してくれへんの?」
つい問い詰めるような口調になってしまって
しまったと、思った。
なんで仲良いん、俺もまぜてーくらい
冗談で言えるはずやのに。
南條さんは悲しそうに目を伏せる。
ああ、こんな顔をさせたいわけじゃなかったのに。
「白石、千冬は…」
名前呼びなんかい、俺の入る余地はないのかと
もう何を話していいかわからず
そのまま背を向けて立ち去ることにした瞬間
グイッと手を引っ張られる。
『し、白石くん!』
南條さんが俺の手を引っ張って、ぎゅっと手を握る。
顔はうつ向いているが
緊張しているのか、赤くなっている。
『わ、わたし…その…』
もしかして、このシチュエーションはもしかする?
期待してもいいのか?
『わたし………実は…………な、訛りがひどいと!』
「……へ?」
訛り、と言われてすぐに理解はできなかった。
「千冬は俺と同じ九州出身たい」
千歳に言われて思い出す。
そういえば、九州出身だと先生が紹介していた。
『白石くんが、話しかけてきてくれて
嬉しかったとけどね
その…訛りがひどいけん、
恥ずかしくて話せんかったっちゃん』
何その理由。
そして話し方がめちゃくちゃ可愛い。
何この子、普通の女の子や。
今までの会話と
俺のヘタレな妄想と勘違いとを思い起こすと
笑いが込み上げてくる。
『ち、千歳!ほら、やっぱり白石くんにも
笑われたたい!私の話し方変やけん…』
「南條さん、ちゃうよ。変やなんて思うてない。
俺が勝手に色々勘違いしとってん。
まさか、そんな可愛い理由だとは思ってもみいひんくて」
『可愛いって…!…だって、皆クールだとか
【氷の女王】とか言うけん
余計に話せんくなって…単語でならバレないって
思っとたとけど限界あって…』
そうか、この子は悩んでたのか。
見た目で決められて、自分を出せなくなっていて
それで同郷の千歳に相談していたのか。
「南條さん、俺がついてるから
明日からクラスの奴らにその言葉で話してみん?」
『でも…』
「皆大阪人やから、笑いはするとは思うけど
悪意のある笑いではないねん。
受け入れてくれるはずやから」
『…白石くんがおってくれるなら、やってみる』
ポンッと彼女の頭を撫でる。
へにゃっと笑う笑顔を初めて見た。
ああ、そうか、モヤモヤしていたのは
彼女のことが好きだったからか。
話しかけたいと、笑顔が見たいと思っていたのは
好きだったから。
千歳に妬いていたのだ。
彼女を見ると、眩しいくらいの笑顔を向けてくれる。
明日からこの笑顔を
クラスメートが見るのかと思うと
また少しだけ、モヤっとした。
思ってた以上に、俺はヤキモチ妬きらしい。
余計なことを言ったと、気にしているようだった。
正直なところ、なんで
そこで千歳が出てきたのかわからない。
確かに千歳が転校してきた時期と近かった気がする。
同じ転校生ってことで意気投合したのだろうか…
千歳と仲が良いのか聞こうと思ったのに
言葉に出来なかった。
なぜだろう、モヤモヤする。
部活に行こうとテニスコートへ向かっていると、
千歳の笑い声がした。
今日はサボらずに来たな、と思って視線を向けると
そこには楽しそうに笑う南條さんがいた。
「お~白石。ちょうどよかった」
いつもの調子で話しかけてくる千歳とは正反対に
バツの悪そうな表情の南條さん。
千歳が何か言おうとしていたのを遮って
俺は自分の気持ちがつい口に出てしまった。
「南條さん、なんで俺とは話してくれへんの?」
つい問い詰めるような口調になってしまって
しまったと、思った。
なんで仲良いん、俺もまぜてーくらい
冗談で言えるはずやのに。
南條さんは悲しそうに目を伏せる。
ああ、こんな顔をさせたいわけじゃなかったのに。
「白石、千冬は…」
名前呼びなんかい、俺の入る余地はないのかと
もう何を話していいかわからず
そのまま背を向けて立ち去ることにした瞬間
グイッと手を引っ張られる。
『し、白石くん!』
南條さんが俺の手を引っ張って、ぎゅっと手を握る。
顔はうつ向いているが
緊張しているのか、赤くなっている。
『わ、わたし…その…』
もしかして、このシチュエーションはもしかする?
期待してもいいのか?
『わたし………実は…………な、訛りがひどいと!』
「……へ?」
訛り、と言われてすぐに理解はできなかった。
「千冬は俺と同じ九州出身たい」
千歳に言われて思い出す。
そういえば、九州出身だと先生が紹介していた。
『白石くんが、話しかけてきてくれて
嬉しかったとけどね
その…訛りがひどいけん、
恥ずかしくて話せんかったっちゃん』
何その理由。
そして話し方がめちゃくちゃ可愛い。
何この子、普通の女の子や。
今までの会話と
俺のヘタレな妄想と勘違いとを思い起こすと
笑いが込み上げてくる。
『ち、千歳!ほら、やっぱり白石くんにも
笑われたたい!私の話し方変やけん…』
「南條さん、ちゃうよ。変やなんて思うてない。
俺が勝手に色々勘違いしとってん。
まさか、そんな可愛い理由だとは思ってもみいひんくて」
『可愛いって…!…だって、皆クールだとか
【氷の女王】とか言うけん
余計に話せんくなって…単語でならバレないって
思っとたとけど限界あって…』
そうか、この子は悩んでたのか。
見た目で決められて、自分を出せなくなっていて
それで同郷の千歳に相談していたのか。
「南條さん、俺がついてるから
明日からクラスの奴らにその言葉で話してみん?」
『でも…』
「皆大阪人やから、笑いはするとは思うけど
悪意のある笑いではないねん。
受け入れてくれるはずやから」
『…白石くんがおってくれるなら、やってみる』
ポンッと彼女の頭を撫でる。
へにゃっと笑う笑顔を初めて見た。
ああ、そうか、モヤモヤしていたのは
彼女のことが好きだったからか。
話しかけたいと、笑顔が見たいと思っていたのは
好きだったから。
千歳に妬いていたのだ。
彼女を見ると、眩しいくらいの笑顔を向けてくれる。
明日からこの笑顔を
クラスメートが見るのかと思うと
また少しだけ、モヤっとした。
思ってた以上に、俺はヤキモチ妬きらしい。