小ネタ5
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「やるよ………これ」
ベクターに放課後呼び出されたと思ったら、ふいに小箱を突き出された。品のあるピンクの外装にダークブラウンのリボンがかかった、横長のものだ。ベクターは頬を紅潮させて目を逸らしていて、そのしおらしい姿はまるで一輪の菫のようだ。今日の日付と彼の様子から、その箱の正体が何であるかが察せられた。
「ありがとう、でもどうして私に?」
ベクターから箱を受け取りそう訊くと、ベクターは耳まで朱に染めて呟いた。
「普段色々と世話になってるから……も、もしかして好きだからじゃないのかとか勘違いしたのかよ? ざ、残念だったなァ! ただの義理チョコ、だから………」
そこまで言って、煽るに煽りきれなかったベクターは、眉を八の字にして困ったような表情をする。行き場をなくした手を泳がせるベクターを、私はそっと抱きしめた。痩せた体だ。
「ありがとうベクター、嬉しいよ!」
そう言うとベクターはとうとう顔中真っ赤にしてしまって、ただ一言「…うん」とだけ返事をした。チョコレートはとてもとても甘かった。
ベクターに放課後呼び出されたと思ったら、ふいに小箱を突き出された。品のあるピンクの外装にダークブラウンのリボンがかかった、横長のものだ。ベクターは頬を紅潮させて目を逸らしていて、そのしおらしい姿はまるで一輪の菫のようだ。今日の日付と彼の様子から、その箱の正体が何であるかが察せられた。
「ありがとう、でもどうして私に?」
ベクターから箱を受け取りそう訊くと、ベクターは耳まで朱に染めて呟いた。
「普段色々と世話になってるから……も、もしかして好きだからじゃないのかとか勘違いしたのかよ? ざ、残念だったなァ! ただの義理チョコ、だから………」
そこまで言って、煽るに煽りきれなかったベクターは、眉を八の字にして困ったような表情をする。行き場をなくした手を泳がせるベクターを、私はそっと抱きしめた。痩せた体だ。
「ありがとうベクター、嬉しいよ!」
そう言うとベクターはとうとう顔中真っ赤にしてしまって、ただ一言「…うん」とだけ返事をした。チョコレートはとてもとても甘かった。