「本当に乗るのか？」
「本当に乗るんですよ」
「どうしても乗らなきゃダメか？」
「どうしても乗らなきゃダメなんです」
「…………」
「…………」
「いやだあああ俺は飛行機なんかのらねえええええええええ」
「ダメです！乗ってください！」
「あんな鉄の塊が空飛べる訳ねえだろ！」
「さっきベクター様も前の便が飛びところ見たでしょう！」
「合成映像だろあんなのありえねぇ！！」
「そんなことして誰にメリットがあるんですか！」
「じゃあ百歩譲って飛んだとしても落ちた時どーすんだよ。もう俺らバリアンじゃねぇから死んじゃうんだぞ！！」
「もーそんなの初手でエグゾディアが揃うぐらいの確率ですから大丈夫ですって！」
「うう…もう俺抜きでお前達で行けよ」
「それは無理です！この旅行は過去のわだかまりを忘れ、新たに七皇が一丸となって進むためのものなんですから！バリアン一の問題児であるベクター様がいなくてどうするんですか！」
「お前…結構酷いこと言うな…」
「とにかく！ベクター様なしでこの旅行は始まらないのです！……大丈夫ですよ。どんなことがあっても、私がついていますから。絶対にベクター様をひとりで死なせたりしません。」
「＊＊＊……分かったよ、一緒に行ってやるよ」
「ベクター様……！ さあ急ぎましょう！」
その後、彼らが乗った飛行機には、自力ではない飛行の楽しさを知ったベクターの高笑いが響いたという…