夢の中で、オベロンの手によって最高のストライカーになった夜。
　オベロンはいつものように、＊＊＊の部屋に呼ばれていた。
「〜♪」
「あれだけ寝たから、『眠れない』ってまた遊びに付き合わされるんだと思ってたけど、もう寝る気なんだ」
「うん！　夢の中だけどいっぱい走ったし！　それに生活リズム崩れて本当に起きれなくならないように、いつもの時間に寝ないと。ちゃんと明日の朝起きなきゃなんでしょ？」
　オベロンの隣で、＊＊＊が悪そうに笑う。
「…………」
「やっぱり、夢の中で一緒なのもいいけど、こうして現実で一緒なのもいいね。夢のよさも、現実のよさも、それぞれある……」
「まーた適当なそれっぽいこと言ってる」
「でも本当だよ。夢と切っても切り離せないオベロンに出会えて、こうして夢のような現実を送れてる。好きだよ、オベロン。今日改めて思った」
「夢で何があったかは知らないけど。そんなに楽しかったなら、よかったね〜」
「ふふ……」
　＊＊＊が部屋の照明を消す。部屋の中に、夜が舞い込んでくる。
　オベロンは夜目が効くため、瞼を閉じた＊＊＊の顔も見えた。薄く微笑んで、心底安らいでいる。
　彼の手がそっと、布団越しに、＊＊＊を優しく叩いた。