小ネタ(終)5
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※オベロンの翅を食わされる話
※お互いに全裸だけどあまり意味はない
気が付くと真っ暗闇の中にいた。だのに目は不思議とよく冴えて、目の前にいるオベロンの姿を捉えている。彼は何も身に纏っておらず、左手の前腕までと、腰から下が、人間とは違う形をしているのが見える。私も生まれたままの姿であったが、何故だか恥ずかしくはなかった。私も彼も立った状態だが、私が見下ろす高さにいて、四肢が『埋め込まれる』形で拘束されているのがわかった。手脚にまとわりつくそれは空間そのものであり、黒い闇であり、オベロンであると自然と認識した。
彼が翅を生やした。いつも外衣とする翅の外にある、蜻蛉に似た翅と近いが、より短かった。兜虫のもののような、飛ぶことを常としない種類に見えた。オベロンはその一対の翅を引き抜いた。血は出ず、反動もなく、当たり前に離れた。彼はそれを千切って、掌に収まる大きさにした。
翅の破片を口に詰め込まれる。土くさく、ほんの少し腐った臭いがして、わずかに感じ取れるうま味があり、大部分が苦い。そして、明らかに普通の翅と違って、ざらざらした不快な感触が残る。だというのに、すっと口から消えていく。オベロンの一部を口にしている。その事実で体の奥が熱くなった。
「言っとくけど、これゴキブリの翅だから」
彼のその言葉は、私に特段影響を与えなかった。
「あ、これでいいんだ。これで嬉しいんだ」
オベロンが私を見上げている。軽蔑を隠しているとも、そうでないともとれる目で。
朝の気配が忍び寄る時刻、***は黒い夢に魘されていた。
「…………」
隣に寝転ぶオベロンが、***に背を向けたまま、薄目でちらりと彼女を見た。
※お互いに全裸だけどあまり意味はない
気が付くと真っ暗闇の中にいた。だのに目は不思議とよく冴えて、目の前にいるオベロンの姿を捉えている。彼は何も身に纏っておらず、左手の前腕までと、腰から下が、人間とは違う形をしているのが見える。私も生まれたままの姿であったが、何故だか恥ずかしくはなかった。私も彼も立った状態だが、私が見下ろす高さにいて、四肢が『埋め込まれる』形で拘束されているのがわかった。手脚にまとわりつくそれは空間そのものであり、黒い闇であり、オベロンであると自然と認識した。
彼が翅を生やした。いつも外衣とする翅の外にある、蜻蛉に似た翅と近いが、より短かった。兜虫のもののような、飛ぶことを常としない種類に見えた。オベロンはその一対の翅を引き抜いた。血は出ず、反動もなく、当たり前に離れた。彼はそれを千切って、掌に収まる大きさにした。
翅の破片を口に詰め込まれる。土くさく、ほんの少し腐った臭いがして、わずかに感じ取れるうま味があり、大部分が苦い。そして、明らかに普通の翅と違って、ざらざらした不快な感触が残る。だというのに、すっと口から消えていく。オベロンの一部を口にしている。その事実で体の奥が熱くなった。
「言っとくけど、これゴキブリの翅だから」
彼のその言葉は、私に特段影響を与えなかった。
「あ、これでいいんだ。これで嬉しいんだ」
オベロンが私を見上げている。軽蔑を隠しているとも、そうでないともとれる目で。
朝の気配が忍び寄る時刻、***は黒い夢に魘されていた。
「…………」
隣に寝転ぶオベロンが、***に背を向けたまま、薄目でちらりと彼女を見た。