小ネタ(終)4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今年はうちもがっつりハロウィンします!!」
昨日、***が藪から棒にそう言った。
「明日は朝にオベロンの部屋行くからね!」
そして、そうつなげた。
宣言されてしまったために、十月三十一日ハロウィン当日、オベロンは自室でベッドに座って、***が訪れるのを待っていた。
ここ最近、***は珍しくオベロンに一緒に寝ようとか寝かしつけてくれとか絡んでこなかった。そのために、隠れて何かを準備していることは明白だった。元来イベント事を馬鹿馬鹿しく思っているオベロンはげんなりした顔で、部屋の白い扉を見つめる。
(ハロウィンイベントが開催されてない分、何をされるかは大方予想がつく。お菓子くれだとか、いたずらさせろとか、コスプレしろとか、そんなところだろ)
そう思いながらベッドに座っていると、ドアが開いた。
「グッモーニン! エーンド、ハッピーハロウィーーン!!」
やけに元気よく飛び出してきたのは、ランジェリーさながらの格好に獣の耳をつけた***だった。
オベロンは呆然とその姿を見つめる。
「…………」
「やっぱりデンジャラスビーストは一回はやっておかないとね! ちょっと恥ずかしいけど! あっもちろんうちのマシュは着てないよ、大事な後輩にこんな格好させられないからね」
***が喋り終えて、オベロンはやっと言葉が出てくる。
「その格好で自分の部屋から俺の部屋まで来たの? 痴女じゃん」
「いうてオベロンの部屋と私の部屋すぐそばでしょ! どうかな?」
「自分がその服で喝采を浴びれると思ってるんだ。すごい自信だね」
「そうじゃなくて!! ……オベロンは、どう思う?」
「……まあ、外に着ていかないなら、仮装としてはアリなんじゃない?」
「よかった〜! 喜んでもらえて! じゃあ行こっ!」
「ちょっと……。今『外に着ていかないなら』って言っただろ、どこに連れてく気」
***がオベロンの手を引いて、どんどんカルデア内を進んでいく。この先にあるものといえば、ハベトロットの部屋だ。
(まさか、まだ他に衣装を用意してるとか? どこまで楽しみ尽くすつもりなんだ)
オベロンの思いはつゆ知らず、***はファーを跳ねさせながらハベトロットの部屋のドアを開ける。
「ハベにゃん! オベロン連れてきた!」
「おっ、思ったより早いな〜! ちゃーんとできてるぜ!」
「ありがと〜!!」
そう言って、***はハベトロットを撫でる。
「じゃあ、オベロン……これ……」
***は恥ずかしげに、オベロンに何かを手渡した。
────するとオベロンは、気がつけば色違いのデンジャラス・ビーストの衣装を纏っていた。
「ってなんだよこれ! 随分と良い趣味してるねえ!」
「えっそんなに嫌……? ちゃんとパンツは男の子用の面積にしたのに……」
「逆に女の子用の面積にするつもりだったの?!」
「そういう細かいところまでおそろいの方が嬉しいから……」
「……最悪だ、ノリで着てみたけどとんだ特殊性癖に付き合わされるなんて。やっぱりこういう催しなんてロクなもんじゃない」
「脱いじゃうの……? 一見黒に見えるけど光を当てると少し青いのが分かる色とか拘って染めたのに……」
「自分も制作過程に関わってたの?!」
はぁ、とオベロンは溜め息をつく。
「じゃあ分かったよ、大事に保管するだけしとくから」
「えぇ〜、やっぱりもう着てくれないの?」
「着ないよ、こんな格好」
「今日はおそろいでクエスト行こうと思ったのに……」
「ダメに決まってるだろそんなの!」
「大丈夫だよ、ヘラクレスとそんなに露出度変わらないから」
「露出度の問題じゃないって!」
「そんなに嫌なんだ……。予想はしてたけど、はぁ……」
***ががっくりと肩を落とす。
「……今日の素材集めが終わって、夜に暇になってから、どっちかの部屋で着るんならいいよ」
「見せびらかさないの?」
「見せびらかさない」
「エネミーにもダメ?」
「普通に考えろよ防御力皆無なんだから余計にダメだろ」
「そっか……わかった」
頷く***を見て、オベロンはやっと胸を撫で下ろした。
その晩、***とオベロンは大いに楽しんで、久方ぶりに同じベッドで眠った。
「この格好で寝ちゃダメ?」
「絶対風邪引くからダメ」
昨日、***が藪から棒にそう言った。
「明日は朝にオベロンの部屋行くからね!」
そして、そうつなげた。
宣言されてしまったために、十月三十一日ハロウィン当日、オベロンは自室でベッドに座って、***が訪れるのを待っていた。
ここ最近、***は珍しくオベロンに一緒に寝ようとか寝かしつけてくれとか絡んでこなかった。そのために、隠れて何かを準備していることは明白だった。元来イベント事を馬鹿馬鹿しく思っているオベロンはげんなりした顔で、部屋の白い扉を見つめる。
(ハロウィンイベントが開催されてない分、何をされるかは大方予想がつく。お菓子くれだとか、いたずらさせろとか、コスプレしろとか、そんなところだろ)
そう思いながらベッドに座っていると、ドアが開いた。
「グッモーニン! エーンド、ハッピーハロウィーーン!!」
やけに元気よく飛び出してきたのは、ランジェリーさながらの格好に獣の耳をつけた***だった。
オベロンは呆然とその姿を見つめる。
「…………」
「やっぱりデンジャラスビーストは一回はやっておかないとね! ちょっと恥ずかしいけど! あっもちろんうちのマシュは着てないよ、大事な後輩にこんな格好させられないからね」
***が喋り終えて、オベロンはやっと言葉が出てくる。
「その格好で自分の部屋から俺の部屋まで来たの? 痴女じゃん」
「いうてオベロンの部屋と私の部屋すぐそばでしょ! どうかな?」
「自分がその服で喝采を浴びれると思ってるんだ。すごい自信だね」
「そうじゃなくて!! ……オベロンは、どう思う?」
「……まあ、外に着ていかないなら、仮装としてはアリなんじゃない?」
「よかった〜! 喜んでもらえて! じゃあ行こっ!」
「ちょっと……。今『外に着ていかないなら』って言っただろ、どこに連れてく気」
***がオベロンの手を引いて、どんどんカルデア内を進んでいく。この先にあるものといえば、ハベトロットの部屋だ。
(まさか、まだ他に衣装を用意してるとか? どこまで楽しみ尽くすつもりなんだ)
オベロンの思いはつゆ知らず、***はファーを跳ねさせながらハベトロットの部屋のドアを開ける。
「ハベにゃん! オベロン連れてきた!」
「おっ、思ったより早いな〜! ちゃーんとできてるぜ!」
「ありがと〜!!」
そう言って、***はハベトロットを撫でる。
「じゃあ、オベロン……これ……」
***は恥ずかしげに、オベロンに何かを手渡した。
────するとオベロンは、気がつけば色違いのデンジャラス・ビーストの衣装を纏っていた。
「ってなんだよこれ! 随分と良い趣味してるねえ!」
「えっそんなに嫌……? ちゃんとパンツは男の子用の面積にしたのに……」
「逆に女の子用の面積にするつもりだったの?!」
「そういう細かいところまでおそろいの方が嬉しいから……」
「……最悪だ、ノリで着てみたけどとんだ特殊性癖に付き合わされるなんて。やっぱりこういう催しなんてロクなもんじゃない」
「脱いじゃうの……? 一見黒に見えるけど光を当てると少し青いのが分かる色とか拘って染めたのに……」
「自分も制作過程に関わってたの?!」
はぁ、とオベロンは溜め息をつく。
「じゃあ分かったよ、大事に保管するだけしとくから」
「えぇ〜、やっぱりもう着てくれないの?」
「着ないよ、こんな格好」
「今日はおそろいでクエスト行こうと思ったのに……」
「ダメに決まってるだろそんなの!」
「大丈夫だよ、ヘラクレスとそんなに露出度変わらないから」
「露出度の問題じゃないって!」
「そんなに嫌なんだ……。予想はしてたけど、はぁ……」
***ががっくりと肩を落とす。
「……今日の素材集めが終わって、夜に暇になってから、どっちかの部屋で着るんならいいよ」
「見せびらかさないの?」
「見せびらかさない」
「エネミーにもダメ?」
「普通に考えろよ防御力皆無なんだから余計にダメだろ」
「そっか……わかった」
頷く***を見て、オベロンはやっと胸を撫で下ろした。
その晩、***とオベロンは大いに楽しんで、久方ぶりに同じベッドで眠った。
「この格好で寝ちゃダメ?」
「絶対風邪引くからダメ」