小ネタ(終)4
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夕食を摂り終えた***が自室へ戻ると、枕元に愛くるしい小さな妖精がいた。
「うえっ、また小さい姿で勝手に部屋に入ってる……」
「そんな反応されると傷付くなあ。僕と君との仲だろ?」
「それは別にいいんだけど……なんかその姿見るともうカスのイメージしかなくて」
「妖精國を一緒に旅してた時の思い出、もう忘れちゃった?」
あの頃は君たちのためにこの姿で東奔西走したのになぁ、とオベロンはわざとらしく言う。
「で、どうしたの? 理由もなくその姿にはならないでしょ」
「そうさ、もちろん理由はある。なんだと思う?」
「……悪いことして追われてるとか?」
「そんな風に思われてるなんて、余計傷付くよ」
しょんぼりした風に、オベロンは目を伏せる。
「まあ今そういうことやる気ないって言ってるもんね。じゃあなんだろう、前みたいに覗き見とかプライバシーの侵害をしたいわけじゃないみたいだし……」
オベロンが***を見上げる。大きな目はくりくりとしていて、皮膚の薄い頬は血の色を透かしてほんのりと赤い。
「……甘やかしてほしい、とか?」
人間大の大きさではできないことを考えると、そういう結論になった。
「あってる?」
「さあ、断言はしてあげられないな。でも君がそうだろうと思うんなら、やりたいようにやってみなよ」
「まーたそんな言い方して……。白い時は余計遠回しな言い方しかできないの? 『自分わかってます』って感じで導く立場でいないと自分を保てないの?」
「言い方に関しては、君もあまりひとのこと言えないと思うな」
「わかったよ、うんうん」
***はベッドに横たわり、オベロンに目の高さを合わせる。
「で、甘やかすってどうすればいいのかな。お風呂入れてあげればいい?」
「妖精は人間みたいに入浴の必要はないよ。たまにシャワー浴びるぐらい」
「ほんとぉ? まあそれにサーヴァントだもんね……。うーんじゃあ、いつもオベロンにやってもらってることを……。なら先にさっとお風呂入ってくるから、好きにくつろいでて」
そう言って***は浴室に向かった。オベロンは白いシーツに横たわって、彼女が向かった扉の方を向く。水の音、そしてドライヤーの音がくぐもって聞こえ、それが止むと温まった***が戻ってきた。
「おまたせ」
再び***がオベロンの横に寝転がる。そして、布団を自分とオベロンの上にかけた。
「あ、今のオベロンにちょうどいい大きさの布団用意した方がいい?」
「大丈夫、寝心地は悪くないよ」
***は枕に頭を乗せ、オベロンはその胸元の辺りで***を見る。この姿でこれほど向き合ったことはなかったため、互いに視界が新鮮に見えた。
***の手がそっとオベロンへ伸びる。
「頭、触っても大丈夫?」
「ああ」
***の指が、オベロンの頭を極めて優しく撫でる。いつも***が『無理矢理』オベロンに頭を撫でさせていることのお返しだ。髪は細く、柔らかで、まるでドールのようだ。この大きさで人型の、マスコットのようにデフォルメの効いたデザインが、生きて動いていることに改めて神秘を感じる。
「オベロン、かわいいね」
自然と***の口からそんな言葉が漏れ出た。
(僕はこんなこと、言ったことないのにな)
普段のオベロンの鏡写しとしては間違っている。
(そういえば、妖精國で暗躍してた時、『かわいい』は言われなかったな。相手が相手だから当然だけど)
この姿の他の用途といえば戦闘で、こうやって触れられたのも初めてだ。
「…………」
オベロンはゆっくりと、泉のような色の目を瞬かせる。
「じゃあオベロン、寝る前のお話するね。私が小さい頃に読んでた、お気に入りの絵本で……」
翌朝。
「おはよ〜オベ……うわぁあああ知らぬ間に大きくなるな!!」
「あっはは☆」
「うえっ、また小さい姿で勝手に部屋に入ってる……」
「そんな反応されると傷付くなあ。僕と君との仲だろ?」
「それは別にいいんだけど……なんかその姿見るともうカスのイメージしかなくて」
「妖精國を一緒に旅してた時の思い出、もう忘れちゃった?」
あの頃は君たちのためにこの姿で東奔西走したのになぁ、とオベロンはわざとらしく言う。
「で、どうしたの? 理由もなくその姿にはならないでしょ」
「そうさ、もちろん理由はある。なんだと思う?」
「……悪いことして追われてるとか?」
「そんな風に思われてるなんて、余計傷付くよ」
しょんぼりした風に、オベロンは目を伏せる。
「まあ今そういうことやる気ないって言ってるもんね。じゃあなんだろう、前みたいに覗き見とかプライバシーの侵害をしたいわけじゃないみたいだし……」
オベロンが***を見上げる。大きな目はくりくりとしていて、皮膚の薄い頬は血の色を透かしてほんのりと赤い。
「……甘やかしてほしい、とか?」
人間大の大きさではできないことを考えると、そういう結論になった。
「あってる?」
「さあ、断言はしてあげられないな。でも君がそうだろうと思うんなら、やりたいようにやってみなよ」
「まーたそんな言い方して……。白い時は余計遠回しな言い方しかできないの? 『自分わかってます』って感じで導く立場でいないと自分を保てないの?」
「言い方に関しては、君もあまりひとのこと言えないと思うな」
「わかったよ、うんうん」
***はベッドに横たわり、オベロンに目の高さを合わせる。
「で、甘やかすってどうすればいいのかな。お風呂入れてあげればいい?」
「妖精は人間みたいに入浴の必要はないよ。たまにシャワー浴びるぐらい」
「ほんとぉ? まあそれにサーヴァントだもんね……。うーんじゃあ、いつもオベロンにやってもらってることを……。なら先にさっとお風呂入ってくるから、好きにくつろいでて」
そう言って***は浴室に向かった。オベロンは白いシーツに横たわって、彼女が向かった扉の方を向く。水の音、そしてドライヤーの音がくぐもって聞こえ、それが止むと温まった***が戻ってきた。
「おまたせ」
再び***がオベロンの横に寝転がる。そして、布団を自分とオベロンの上にかけた。
「あ、今のオベロンにちょうどいい大きさの布団用意した方がいい?」
「大丈夫、寝心地は悪くないよ」
***は枕に頭を乗せ、オベロンはその胸元の辺りで***を見る。この姿でこれほど向き合ったことはなかったため、互いに視界が新鮮に見えた。
***の手がそっとオベロンへ伸びる。
「頭、触っても大丈夫?」
「ああ」
***の指が、オベロンの頭を極めて優しく撫でる。いつも***が『無理矢理』オベロンに頭を撫でさせていることのお返しだ。髪は細く、柔らかで、まるでドールのようだ。この大きさで人型の、マスコットのようにデフォルメの効いたデザインが、生きて動いていることに改めて神秘を感じる。
「オベロン、かわいいね」
自然と***の口からそんな言葉が漏れ出た。
(僕はこんなこと、言ったことないのにな)
普段のオベロンの鏡写しとしては間違っている。
(そういえば、妖精國で暗躍してた時、『かわいい』は言われなかったな。相手が相手だから当然だけど)
この姿の他の用途といえば戦闘で、こうやって触れられたのも初めてだ。
「…………」
オベロンはゆっくりと、泉のような色の目を瞬かせる。
「じゃあオベロン、寝る前のお話するね。私が小さい頃に読んでた、お気に入りの絵本で……」
翌朝。
「おはよ〜オベ……うわぁあああ知らぬ間に大きくなるな!!」
「あっはは☆」