誕生日
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日付が変われば***の誕生日だ。
早い奴は一ヶ月も前から作戦会議らしきものをして、サーヴァント達が皆どこか浮かれた雰囲気の中にいる。
そしてその中で、全員に一致した意見があった。
『オベロン が誰より祝え』と。
そうなるのも当然だ。俺が俺として過ごし始めてから、***はずっと様子がおかしい。
世間一般ではこういう態度を、『好き』と言ったりする。本人は絶対にこの言葉を使いたくないみたいだが。
そういうことで、何人ものサーヴァントからアドバイスやら忠告やらを受けた。俺より長く共にいる者達だ、口だって出したくなるんだろう。そんなもの、本人の意見を聞かない限り意味なんてないんだけど。
することもなく自室で寝転んでいれば、時刻は二十三時五十九分。あと一分で***の誕生日になる。ご丁寧にその瞬間、***の部屋に『お気に入り』として呼ばれた。
***の部屋はすぐそば、きっと日付が変わった瞬間に戻ってくるんだろう。今は一応、情報の確認をしているようだ。扉を開け、照明が点き、とりあえずベッドに座っておく。
そして零時零分。***が入ってきた。
「オベロン! 今日私誕生日!」
知ってる。満面の笑みなんか浮かべやがって。
「おめでとー。プレゼント、何が欲しいのかな?」
「うん、とりあえずそのまま寝て!」
こんな命令をされたら、普通なら『そういうこと』だと思うだろう。でも***は違う。そうじゃないことは、短い時間でもよく分かった。
***はベッドにやってきて、徐に俺の上で寝そべる。腕を広げて、俺の胸元に耳を当てるような形だ。
「オベロンとこうしてる時間が欲しい」
「……それじゃいつもと同じだろ」
「違うよ、今日のマイルーム担当はずっとオベロンだから。今日はずーっと一緒」
マイルームはいつも、『頼もしいから』という理由でヘラクレスが担当している。その裏に『オベロンがいると気恥ずかしいから』という感情も視えていた。
でも確かに今日は違う。のびのびと、俺がここにいることを楽しんでいる。『誕生日だからいいよね』。……そういうことか。
おまえの周りには、おまえを甘やかす存在はいくらでもいるはずだ。実際何度も甘やかされてるだろう。それでも『駄目』だったのか。甘えてもいいと思えた存在はいなかったのか。そして俺に対してすら、理由がないと躊躇わずに甘えられないでいる。
「何の話をしよう?」
「夜更かししていいの? 明日も素材を集めに行くんだろ?」
「いいの、今日は。少しぐらい」
誕生日おめでとう、***。
どうせ生まれたんだ、今日という日ぐらい、何も気にせず楽しむといい。
早い奴は一ヶ月も前から作戦会議らしきものをして、サーヴァント達が皆どこか浮かれた雰囲気の中にいる。
そしてその中で、全員に一致した意見があった。
『
そうなるのも当然だ。俺が俺として過ごし始めてから、***はずっと様子がおかしい。
世間一般ではこういう態度を、『好き』と言ったりする。本人は絶対にこの言葉を使いたくないみたいだが。
そういうことで、何人ものサーヴァントからアドバイスやら忠告やらを受けた。俺より長く共にいる者達だ、口だって出したくなるんだろう。そんなもの、本人の意見を聞かない限り意味なんてないんだけど。
することもなく自室で寝転んでいれば、時刻は二十三時五十九分。あと一分で***の誕生日になる。ご丁寧にその瞬間、***の部屋に『お気に入り』として呼ばれた。
***の部屋はすぐそば、きっと日付が変わった瞬間に戻ってくるんだろう。今は一応、情報の確認をしているようだ。扉を開け、照明が点き、とりあえずベッドに座っておく。
そして零時零分。***が入ってきた。
「オベロン! 今日私誕生日!」
知ってる。満面の笑みなんか浮かべやがって。
「おめでとー。プレゼント、何が欲しいのかな?」
「うん、とりあえずそのまま寝て!」
こんな命令をされたら、普通なら『そういうこと』だと思うだろう。でも***は違う。そうじゃないことは、短い時間でもよく分かった。
***はベッドにやってきて、徐に俺の上で寝そべる。腕を広げて、俺の胸元に耳を当てるような形だ。
「オベロンとこうしてる時間が欲しい」
「……それじゃいつもと同じだろ」
「違うよ、今日のマイルーム担当はずっとオベロンだから。今日はずーっと一緒」
マイルームはいつも、『頼もしいから』という理由でヘラクレスが担当している。その裏に『オベロンがいると気恥ずかしいから』という感情も視えていた。
でも確かに今日は違う。のびのびと、俺がここにいることを楽しんでいる。『誕生日だからいいよね』。……そういうことか。
おまえの周りには、おまえを甘やかす存在はいくらでもいるはずだ。実際何度も甘やかされてるだろう。それでも『駄目』だったのか。甘えてもいいと思えた存在はいなかったのか。そして俺に対してすら、理由がないと躊躇わずに甘えられないでいる。
「何の話をしよう?」
「夜更かししていいの? 明日も素材を集めに行くんだろ?」
「いいの、今日は。少しぐらい」
誕生日おめでとう、***。
どうせ生まれたんだ、今日という日ぐらい、何も気にせず楽しむといい。