小ネタ(終)11
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※このマスターは成人しています
業務終了後。一人で廊下を歩いていると、不意に後ろから抱きついてくる人物がいた。
さらりと触れるボブヘアのプラチナブロンド。この艦 の中で比較してしまえばそう大きい方には分類されない体躯。
「酔っちゃった」
足音から誰が近付いているかは分かっていた。腹に回された手首を見れば、愛らしいフリルが装飾されている。
「精神異常無効だから『酔う』ってことないんじゃないの? オベロン。」
「やだな、あれは戦闘に支障が出るレベルの話さ。こうやって日常生活の範囲なら、無効化はされないよ。でないと感情全部が精神異常の扱いになる」
そうかなあ、明確に毒を摂取してるのと同じ状態だから、精神異常になりそうだけどなあ、と***は思案を巡らせる。
「とりあえずほら、酔ってるなら部屋戻ろうよ」
「うん」
***に促され、オベロンは素直に共に彼女の部屋へ向かった。
戻ったあとも、オベロンはベッドに座る***を、後ろから抱きしめ続けた。まるで羽化を待つために壁にしがみつく蛹のようだ。
「妖精國にしろこっち来てからにしろ、会席で酒飲むこともあったんじゃないの? その度にこんなんなってたの?」
「ううん、そういう時は断ってたから。君が思ってるより飲みニケーションってないよ」
今日のオベロンは性質 が悪い。絶妙に嘘とも本当とも判別できないことばかりを流し込んでくる。
「じゃあなんで飲んだの?」
「物の良し悪しが分かるか久しぶりに試そうかなって。寒くなってきたし」
「…………。」
後者は苦しいが、王としてそういった能力は必要……なんだろうか。『珍しいものが好き』という自己申告も、多少裏はあれど、完全な偽りではなさそうに聞こえた。ならば何が希少か判る力も要るはずだ。
オベロンからワインの芳醇な匂いがする。熟成された果実の皮の苦さとほんのりとした甘さ、樽の香ばしい奥行き、そこにオベロンの新鮮な森の香りが織り重なっている。他人からするツンとしたアルコール臭も、そう悪い気がしない。
そうしていると、オベロンがマントの下から黒い瓶を取り出した。
「少しだけど、残ってるよ。君も飲むといいよ」
断ろうとした矢先、オベロンの方が軽く挿していた栓を抜いて、中の液体を口に含んだ。
そのまま、そっと顎を持たれて、肩越しに口移しをされた。深いコクと渋味、酸味、甘やかな舌が触れる。そうまでされると断る理由もなく、熱い液体が喉を通っていく。一瞬強いアルコールに喉が焼ける感覚に怯えるが、身構えていたより柔らかに刺激が抜け、口腔と鼻腔に心地良い余韻を残していく。
「……おいしいね」
「やっぱり、分かるかい」
「あ゙ー、頭ぐにゃぐにゃする……。これがあるから酒飲まないようにしてるのに……」
「でも嫌いではないんだろ? たまにはこういう楽しみもいいんじゃないかな」
そうかもしれないな、と***が気を緩めたその時、柔らかい唇で挟みながら、耳を軽く噛まれた。
「おつまみほしくなってきちゃったから少しもらうね」
「もしかして本当に酔ってる!? ほら水飲んで!!」
「やだ、いらない。それより君も飲んで、もっと必要なら(他所のを勝手に)持ってくるから」
「飲むにしろ私水ないと無理だから!! オベロンも水飲んで!!」
業務終了後。一人で廊下を歩いていると、不意に後ろから抱きついてくる人物がいた。
さらりと触れるボブヘアのプラチナブロンド。この
「酔っちゃった」
足音から誰が近付いているかは分かっていた。腹に回された手首を見れば、愛らしいフリルが装飾されている。
「精神異常無効だから『酔う』ってことないんじゃないの? オベロン。」
「やだな、あれは戦闘に支障が出るレベルの話さ。こうやって日常生活の範囲なら、無効化はされないよ。でないと感情全部が精神異常の扱いになる」
そうかなあ、明確に毒を摂取してるのと同じ状態だから、精神異常になりそうだけどなあ、と***は思案を巡らせる。
「とりあえずほら、酔ってるなら部屋戻ろうよ」
「うん」
***に促され、オベロンは素直に共に彼女の部屋へ向かった。
戻ったあとも、オベロンはベッドに座る***を、後ろから抱きしめ続けた。まるで羽化を待つために壁にしがみつく蛹のようだ。
「妖精國にしろこっち来てからにしろ、会席で酒飲むこともあったんじゃないの? その度にこんなんなってたの?」
「ううん、そういう時は断ってたから。君が思ってるより飲みニケーションってないよ」
今日のオベロンは
「じゃあなんで飲んだの?」
「物の良し悪しが分かるか久しぶりに試そうかなって。寒くなってきたし」
「…………。」
後者は苦しいが、王としてそういった能力は必要……なんだろうか。『珍しいものが好き』という自己申告も、多少裏はあれど、完全な偽りではなさそうに聞こえた。ならば何が希少か判る力も要るはずだ。
オベロンからワインの芳醇な匂いがする。熟成された果実の皮の苦さとほんのりとした甘さ、樽の香ばしい奥行き、そこにオベロンの新鮮な森の香りが織り重なっている。他人からするツンとしたアルコール臭も、そう悪い気がしない。
そうしていると、オベロンがマントの下から黒い瓶を取り出した。
「少しだけど、残ってるよ。君も飲むといいよ」
断ろうとした矢先、オベロンの方が軽く挿していた栓を抜いて、中の液体を口に含んだ。
そのまま、そっと顎を持たれて、肩越しに口移しをされた。深いコクと渋味、酸味、甘やかな舌が触れる。そうまでされると断る理由もなく、熱い液体が喉を通っていく。一瞬強いアルコールに喉が焼ける感覚に怯えるが、身構えていたより柔らかに刺激が抜け、口腔と鼻腔に心地良い余韻を残していく。
「……おいしいね」
「やっぱり、分かるかい」
「あ゙ー、頭ぐにゃぐにゃする……。これがあるから酒飲まないようにしてるのに……」
「でも嫌いではないんだろ? たまにはこういう楽しみもいいんじゃないかな」
そうかもしれないな、と***が気を緩めたその時、柔らかい唇で挟みながら、耳を軽く噛まれた。
「おつまみほしくなってきちゃったから少しもらうね」
「もしかして本当に酔ってる!? ほら水飲んで!!」
「やだ、いらない。それより君も飲んで、もっと必要なら(他所のを勝手に)持ってくるから」
「飲むにしろ私水ないと無理だから!! オベロンも水飲んで!!」