小ネタ(終)8
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今年の夏至は、小望月夜だった。
君は僕の性質を尊重するからこそ、ずっと夏至に特別なことはすまいと考えて、でもその割に当日になると、何もしないのもどうかと悩んだ。『好きにしたらいいよ』、と、お決まりになった文句すら欲しがらず。
あの月は僕と君に似ている。真円に見せかけて欠けている。
小望月なんて、とても気の利いた名前だ。僕と君の望みは、どちらも小さく叶っている。
僕の望みが──汎人類史の消失なんて対症療法ではなく──本当の意味で、叶ったとしたら。
その時こそ、君は本当の意味で、世界の滅びを望むだろうか。
それとも────
駄目だ。どちらにせよ駄目だ。そんな結末は、僕の/俺の、今までやってきたことに反する。
何度も何度も言われたことだ。“同じ黒だ”。欠けたものは、欠けたままでもいい。
さあ、その不安そうな目を閉じて。夜は寝る時間だよ。眠たくなる魔術を、こっそりかけてあげるから。
そして次の朝、もう一度目覚めて、夢でないと教えてくれたら、それでいいんだ。
君は僕の性質を尊重するからこそ、ずっと夏至に特別なことはすまいと考えて、でもその割に当日になると、何もしないのもどうかと悩んだ。『好きにしたらいいよ』、と、お決まりになった文句すら欲しがらず。
あの月は僕と君に似ている。真円に見せかけて欠けている。
小望月なんて、とても気の利いた名前だ。僕と君の望みは、どちらも小さく叶っている。
僕の望みが──汎人類史の消失なんて対症療法ではなく──本当の意味で、叶ったとしたら。
その時こそ、君は本当の意味で、世界の滅びを望むだろうか。
それとも────
駄目だ。どちらにせよ駄目だ。そんな結末は、僕の/俺の、今までやってきたことに反する。
何度も何度も言われたことだ。“同じ黒だ”。欠けたものは、欠けたままでもいい。
さあ、その不安そうな目を閉じて。夜は寝る時間だよ。眠たくなる魔術を、こっそりかけてあげるから。
そして次の朝、もう一度目覚めて、夢でないと教えてくれたら、それでいいんだ。