02.少女は無意識に人を魅了する
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***
「先に行っててください」
「そこの先にドアがあるから」
フィーロさんの指差す方向を覗き込んで頷く。
“アルヴェアーレ”前ここに来た時は、ベルガさんにかつがれたままだった。
そっとドアを開けると、中は煌びやかで私だけ浮いているように感じる。
身を小さくしながら俯いて中に入った私は、視界の端に誰かの足が見えたときにはもう遅くて。
「むっ、」
顔から誰かにぶつかって、慌てて顔を上げた。
「、ごめんなさい」
「いや」
外国人っていうのもあるんだろうけど、みんな大きすぎると思う。
見上げたその人は顎に手を当てたままじっと私を見て、私はただ首を傾げた。
「君は‥」
「あれ、ロニーさん」
後ろからした声に振り返れば、用事を終えたらしい二人がこっちに来る。
「この子が昨日話したユウですよ」
「ほう」
フィーロさん仲良しなのかな?
またじっと降る視線に、隣に来たラックさんの後ろにそっと隠れた。
「ははっ、ロニーさん見過ぎですって」
「‥まあいい」
なんて言うか‥不思議な人。
今まで会った中で一番独特な雰囲気を持った人だと思う。
「ユウ?」
私は恐る恐るロニーさんに近づいて、ぺこりと頭を下げた。
「、ユウです。よろしくお願いします」
下げた頭をぐりぐりと撫でられる。私はぽけっとロニーさんを見上げて、無表情で続けられるそれにへらりと笑った。
「あ、ユウが懐いた」
「新記録ですね」
「?」
二人の会話に首を傾げているとフィーロさんに笑われて、なんでもないと椅子に座らされる。
せっかくだからとロニーさんも一緒に。
「ロニーさん、戸籍買える場所ってどこか知ってます?足つかなそうなとこで‥」
「俺の知り合いにいる」
「本当ですか!?よかったな、ラック!」
「ロニーさん、その方を紹介していただきたいのですが‥」
‥‥なんかどんどん話が進んでる。
戸籍って買えるんだ。裏社会ってすごい。
「いいだろう。ただし‥」
「?」
「俺の義理の妹として戸籍を作るなら、だがな」
「‥えっ?」
突然の言葉に顔を上げれば、私を見ているロニーさんと驚いたまま固まっている二人。
「‥え、ロニーさん、」
「俺はユウを気に入った。ただそれだけだ」
私はどうしたらいいか分からず、三人の顔を見比べる。
ラックさんは私と目が合うと小さく笑って、ロニーさんにお願いしますと頭を下げた。
「お願いしますっ」
早い方がいい、というフィーロさんの意見で明日またロニーさんに会いに来ることになって。
「ラックさんはお仕事?」
「ええ、なので明日はフィーロと出てください」
「、はい」
「明日1時集合な!」
ラックさんがいないのはすごく心細いけど。
こんなに依存してたらだめなんだ。
何度も自分に言い聞かせて、私は出されたココアに口をつけた。
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「先に行っててください」
「そこの先にドアがあるから」
フィーロさんの指差す方向を覗き込んで頷く。
“アルヴェアーレ”前ここに来た時は、ベルガさんにかつがれたままだった。
そっとドアを開けると、中は煌びやかで私だけ浮いているように感じる。
身を小さくしながら俯いて中に入った私は、視界の端に誰かの足が見えたときにはもう遅くて。
「むっ、」
顔から誰かにぶつかって、慌てて顔を上げた。
「、ごめんなさい」
「いや」
外国人っていうのもあるんだろうけど、みんな大きすぎると思う。
見上げたその人は顎に手を当てたままじっと私を見て、私はただ首を傾げた。
「君は‥」
「あれ、ロニーさん」
後ろからした声に振り返れば、用事を終えたらしい二人がこっちに来る。
「この子が昨日話したユウですよ」
「ほう」
フィーロさん仲良しなのかな?
またじっと降る視線に、隣に来たラックさんの後ろにそっと隠れた。
「ははっ、ロニーさん見過ぎですって」
「‥まあいい」
なんて言うか‥不思議な人。
今まで会った中で一番独特な雰囲気を持った人だと思う。
「ユウ?」
私は恐る恐るロニーさんに近づいて、ぺこりと頭を下げた。
「、ユウです。よろしくお願いします」
下げた頭をぐりぐりと撫でられる。私はぽけっとロニーさんを見上げて、無表情で続けられるそれにへらりと笑った。
「あ、ユウが懐いた」
「新記録ですね」
「?」
二人の会話に首を傾げているとフィーロさんに笑われて、なんでもないと椅子に座らされる。
せっかくだからとロニーさんも一緒に。
「ロニーさん、戸籍買える場所ってどこか知ってます?足つかなそうなとこで‥」
「俺の知り合いにいる」
「本当ですか!?よかったな、ラック!」
「ロニーさん、その方を紹介していただきたいのですが‥」
‥‥なんかどんどん話が進んでる。
戸籍って買えるんだ。裏社会ってすごい。
「いいだろう。ただし‥」
「?」
「俺の義理の妹として戸籍を作るなら、だがな」
「‥えっ?」
突然の言葉に顔を上げれば、私を見ているロニーさんと驚いたまま固まっている二人。
「‥え、ロニーさん、」
「俺はユウを気に入った。ただそれだけだ」
私はどうしたらいいか分からず、三人の顔を見比べる。
ラックさんは私と目が合うと小さく笑って、ロニーさんにお願いしますと頭を下げた。
「お願いしますっ」
早い方がいい、というフィーロさんの意見で明日またロニーさんに会いに来ることになって。
「ラックさんはお仕事?」
「ええ、なので明日はフィーロと出てください」
「、はい」
「明日1時集合な!」
ラックさんがいないのはすごく心細いけど。
こんなに依存してたらだめなんだ。
何度も自分に言い聞かせて、私は出されたココアに口をつけた。
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