◇暗殺チーム◆
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ある夕食時、凪子はメローネと二人で食事をしていた。
テイクアウトのマルガリータと即席で作ったカプレーゼ。ブルスケッタもある。
「メローネ、食事の時くらいはパソコン触るのやめなよ。お行儀悪いよ」
「別に良いだろう? あっ、モッツァレラをひと切れ口に入れてくれ」
メローネは手を止めるどころか顔色一つ変えることもなく、おまけに凪子にカプレーゼを食べさせることを要求してきた。厚かましい人、と凪子は眉間に皺を寄せ口を曲げたが仕方がないなあとばかりにメローネの口にモッツァレラをひと切れ差し出した。
「ディモールト。美味しいね」
「ほんとに美味しいって思ってる? なんかいつもの言い方より随分と落ち着いてるけど」
そういう日もある、とメローネは作業をしていた手を止め凪子の口にモッツァレラをひと切れ差したフォークを突っ込んだ。
「んぐ! 」
「ほうら、ちゃんと美味しいだろ? 」
凪子は口の中の物を全て飲み込み、青いグラスに入った炭酸水をぐっと飲み干した。美味しい、美味しいんだけどいきなり人の口に突っ込むのはどうかとメローネに食って掛かると、彼はふふんとにやけた表情で笑っている。
凪子とメローネは二人きりになっても気まずくなることはなく、寧ろお互い色々と素直に言い合えるくらいに気心が知れた中である。好きな食べ物、好きな動物……嫌いな物もまた然り。
でも、凪子はメローネのスタンドについてはほとんど無知に近かった。何故なら、知る機会が無いのもあったし、本人や彼のスタンドについて知るメンバーに話を聞いても濁されてしまうからである。
「そういえば、さっき何を調べてたの? 」
「ん? ああ。過去の母体のデータを比較してたのさ」
「ねえメローネ、次は私を母体にしてよ」
突然の発言にメローネは手を止め、凪子を凝視する。
はあ?と言わんばかりの表情で呆然とするメローネに対して、凪子は彼がどうしてそのような表情をしているのかわからないといった感じであった。
「ちょっと……凪子……自分が何を言ってるのかわかっていないのか? 」
「何? って何よ」
メローネの能力についてほとんど何もわかっていない凪子がそうなるのも仕方がない。彼はぐっと凪子を抱き寄せ耳元で自身の能力について説明した。もちろん、良い機会だとばかりに彼女の好みの「仕方」について聞くことも忘れない。
「何それ……初めて聞いたんだけど……!私だけ知らなかったの!? あとすっっごく 変態! 」
「痛っ! そうなるだろう? だから今まで言えなかったんだよ! 」
メローネ的には自身の能力を彼女に話すこと自体は構わなかった。しかし、リゾットやギアッチョに彼女には話すなと止められていた為、今までぼんやりとしか言うことが出来なかったのだ。こういった背景があり伝えられなかった、別に隠していた訳じゃなかったと詫びるように頭を下げる。
「それに母体になったらベィビィフェイスに食われるんだぞ?」
衝動的に、という言葉が相応しいだろう。メローネは言葉を放つと同時に凪子のことを強く抱き締めていた。
「ええっ! ちょっと……どうしたの……? 」
凪子はひどく動揺してメローネを引き剥がそうとするものの、メローネは力強く凪子を抱き締めたまま放さない。まるで、小さな子どもが母親に甘えるかのようにべったりとくっついている。
「おまけに君は……凪子は母体には向かないよ。だって君はベィビィフェイスの母体になるには優しすぎる」
メローネの声は張りが無く、か細く消えそうだった。凪子がゆっくりとあやすように優しい言葉をかけ頭を撫でると、彼女の首もとに伏せっていた顔をゆっくりと上げて彼女をじっと見つめた。
「凪子は気づいてないかもしれないけど、君といるときは子どもの時に返ったように甘えられるんだ」
「そう。だから口に食べ物を運んで欲しがったりしたのね? 」
「ああ、そうだよ。行儀が悪くて叱ってくれるのなんかも大好きさ」
凪子が叱られるのが好きなんて変態じみてる、と笑うとメローネは彼女の首筋をぺろっと舐め上げる。
「びっくりしたかい? ほら。叱っておくれよ」
「わっ! わざと叱られるようなことするの? もう、今日のあなたは体の大きな子どもみたいね」
身体は、大人になった。中身も、まあ幾つか大人になったかもしれない。それでも気になる彼女には子どものように甘えたい。優しく厳しい彼女は人間の子どもを育てる上では理想の母親かもしれない。
でも、ベィビィフェイスの母体には向かないのだ。むしろ母体の理想像とは対極にあると言っても良いだろう。仮に向いていたとしても、彼は絶対凪子を母体にはしないだろう。
だって彼は。
「叱られるのは大歓迎だけど、君が居なくなることだけは勘弁だ」
母親に求める純粋な愛情じゃあない、でも恋かはまだわからない。
何かははっきりしないけれど、彼女からしか得られない唯一無二の何かを求めているから。
「(これは俗にいう恋なのか? とりあえずキスしたらわかるかもしれない……)」
二人の唇が重なるまで5秒と無かった。
テイクアウトのマルガリータと即席で作ったカプレーゼ。ブルスケッタもある。
「メローネ、食事の時くらいはパソコン触るのやめなよ。お行儀悪いよ」
「別に良いだろう? あっ、モッツァレラをひと切れ口に入れてくれ」
メローネは手を止めるどころか顔色一つ変えることもなく、おまけに凪子にカプレーゼを食べさせることを要求してきた。厚かましい人、と凪子は眉間に皺を寄せ口を曲げたが仕方がないなあとばかりにメローネの口にモッツァレラをひと切れ差し出した。
「ディモールト。美味しいね」
「ほんとに美味しいって思ってる? なんかいつもの言い方より随分と落ち着いてるけど」
そういう日もある、とメローネは作業をしていた手を止め凪子の口にモッツァレラをひと切れ差したフォークを突っ込んだ。
「んぐ! 」
「ほうら、ちゃんと美味しいだろ? 」
凪子は口の中の物を全て飲み込み、青いグラスに入った炭酸水をぐっと飲み干した。美味しい、美味しいんだけどいきなり人の口に突っ込むのはどうかとメローネに食って掛かると、彼はふふんとにやけた表情で笑っている。
凪子とメローネは二人きりになっても気まずくなることはなく、寧ろお互い色々と素直に言い合えるくらいに気心が知れた中である。好きな食べ物、好きな動物……嫌いな物もまた然り。
でも、凪子はメローネのスタンドについてはほとんど無知に近かった。何故なら、知る機会が無いのもあったし、本人や彼のスタンドについて知るメンバーに話を聞いても濁されてしまうからである。
「そういえば、さっき何を調べてたの? 」
「ん? ああ。過去の母体のデータを比較してたのさ」
「ねえメローネ、次は私を母体にしてよ」
突然の発言にメローネは手を止め、凪子を凝視する。
はあ?と言わんばかりの表情で呆然とするメローネに対して、凪子は彼がどうしてそのような表情をしているのかわからないといった感じであった。
「ちょっと……凪子……自分が何を言ってるのかわかっていないのか? 」
「何? って何よ」
メローネの能力についてほとんど何もわかっていない凪子がそうなるのも仕方がない。彼はぐっと凪子を抱き寄せ耳元で自身の能力について説明した。もちろん、良い機会だとばかりに彼女の好みの「仕方」について聞くことも忘れない。
「何それ……初めて聞いたんだけど……!私だけ知らなかったの!? あとすっっごく 変態! 」
「痛っ! そうなるだろう? だから今まで言えなかったんだよ! 」
メローネ的には自身の能力を彼女に話すこと自体は構わなかった。しかし、リゾットやギアッチョに彼女には話すなと止められていた為、今までぼんやりとしか言うことが出来なかったのだ。こういった背景があり伝えられなかった、別に隠していた訳じゃなかったと詫びるように頭を下げる。
「それに母体になったらベィビィフェイスに食われるんだぞ?」
衝動的に、という言葉が相応しいだろう。メローネは言葉を放つと同時に凪子のことを強く抱き締めていた。
「ええっ! ちょっと……どうしたの……? 」
凪子はひどく動揺してメローネを引き剥がそうとするものの、メローネは力強く凪子を抱き締めたまま放さない。まるで、小さな子どもが母親に甘えるかのようにべったりとくっついている。
「おまけに君は……凪子は母体には向かないよ。だって君はベィビィフェイスの母体になるには優しすぎる」
メローネの声は張りが無く、か細く消えそうだった。凪子がゆっくりとあやすように優しい言葉をかけ頭を撫でると、彼女の首もとに伏せっていた顔をゆっくりと上げて彼女をじっと見つめた。
「凪子は気づいてないかもしれないけど、君といるときは子どもの時に返ったように甘えられるんだ」
「そう。だから口に食べ物を運んで欲しがったりしたのね? 」
「ああ、そうだよ。行儀が悪くて叱ってくれるのなんかも大好きさ」
凪子が叱られるのが好きなんて変態じみてる、と笑うとメローネは彼女の首筋をぺろっと舐め上げる。
「びっくりしたかい? ほら。叱っておくれよ」
「わっ! わざと叱られるようなことするの? もう、今日のあなたは体の大きな子どもみたいね」
身体は、大人になった。中身も、まあ幾つか大人になったかもしれない。それでも気になる彼女には子どものように甘えたい。優しく厳しい彼女は人間の子どもを育てる上では理想の母親かもしれない。
でも、ベィビィフェイスの母体には向かないのだ。むしろ母体の理想像とは対極にあると言っても良いだろう。仮に向いていたとしても、彼は絶対凪子を母体にはしないだろう。
だって彼は。
「叱られるのは大歓迎だけど、君が居なくなることだけは勘弁だ」
母親に求める純粋な愛情じゃあない、でも恋かはまだわからない。
何かははっきりしないけれど、彼女からしか得られない唯一無二の何かを求めているから。
「(これは俗にいう恋なのか? とりあえずキスしたらわかるかもしれない……)」
二人の唇が重なるまで5秒と無かった。