◇護衛チーム◆
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ああ……体が重い。頭から出血もしている。くそっ……額を伝った血が目に入りそうだ。しかし、今の俺にはそれを拭う余裕すらない。
「(あと少しで凪子たちの待つであろう車に辿り着くんだが……この様子だと厳しいかもしれないな……)」
こうなったのは敵のスタンドを甘く見ていた俺にある。任務の内容がどんなものであれ、手を抜いたことや甘く見てかかったつもりはないのだが……もしかすると、気がつかなかっただけで自分の中にどこか奢りがあったのかもしれない。
「(まずいな……思っていたより出血が酷いらしい……ジョルノに電話をかけて迎えに来てもらうか? )」
体のジッパーを開けて携帯電話を取り出そうとしたが、腕の痺れが酷く腕を上げることすら困難であった。ゆっくりと意識が遠退いていくのを感じる。砂嵐がかかったような視界がどんどん白くぼやけていく。
「(他のやつらは大丈夫だろうか。無事に車に戻れただろうか……。早く……俺も……)」
体に力が入らなくなり、視界が90度上に跳ね上がる。夕暮れ時の赤色に灰色が濁ったような曇り空と、雨に濡れた硬く冷たいアスファルトを全身に感じる。
「ブチャラティーーー! 」
聞き慣れた女の声が自分の名を呼んでいる。
「……凪子……? ありがと……う……迎えに……」
―――――――――――――――――――――――
一体どのくらいの時間、眠っていたんだろうか。気がつくと俺はベッドの上におり、体の傷はジョルノのスタンド能力で治療されていた。
「よお。目が覚めたかブチャラティ? 」
「アバッキオ……すまない。迷惑をかけてしまったな」
「気にすんな。あんたが体を張ってくれたお陰で任務は無事成功だ」
上体を起こし、アバッキオの方に体を向けようとすると大腿から膝上にかけて重みを感じた。
「こいつ。一晩中てめえの横について絵本を読み聞かせていたんだぜ」
彼の視線の先に目をやると、凪子が自分の体の上で眠っているではないか。彼女の膝の上には昨晩読み聞かせていたであろう絵本があった。きっと泣いたのだろう、瞼は赤みを帯びて腫れており、目の下には隈が出来ていた。頬には涙が通った跡が乾いて残っている。
「凪子、君は俺の為に一晩中……」
「ブチャラティがうなされてる、隣で絵本を読んであげたら落ち着くかもしれない。って言ってたぜ。ほんと、優しいやつだぜあいつは」
いつのことだが忘れてしまったが凪子と昔話をした。俺が子どもの頃、母に絵本の読み聞かせをしてもらうのが好きだったという話をしたので、その話をを思い出しての行動かもしれない。
「ああ、おかげで良く眠れたよ」
そう言ったあと、俺は眠る彼女の髪を撫でた。起こさないようにそっと。優しく。
指に触れた彼女の髪は絹の様になめらかだった。
どうか飛び立たないでくれ。
君は一生、俺の隣にいれば良い。
自分の中で黒い何かが生まれた気がした。
「(あと少しで凪子たちの待つであろう車に辿り着くんだが……この様子だと厳しいかもしれないな……)」
こうなったのは敵のスタンドを甘く見ていた俺にある。任務の内容がどんなものであれ、手を抜いたことや甘く見てかかったつもりはないのだが……もしかすると、気がつかなかっただけで自分の中にどこか奢りがあったのかもしれない。
「(まずいな……思っていたより出血が酷いらしい……ジョルノに電話をかけて迎えに来てもらうか? )」
体のジッパーを開けて携帯電話を取り出そうとしたが、腕の痺れが酷く腕を上げることすら困難であった。ゆっくりと意識が遠退いていくのを感じる。砂嵐がかかったような視界がどんどん白くぼやけていく。
「(他のやつらは大丈夫だろうか。無事に車に戻れただろうか……。早く……俺も……)」
体に力が入らなくなり、視界が90度上に跳ね上がる。夕暮れ時の赤色に灰色が濁ったような曇り空と、雨に濡れた硬く冷たいアスファルトを全身に感じる。
「ブチャラティーーー! 」
聞き慣れた女の声が自分の名を呼んでいる。
「……凪子……? ありがと……う……迎えに……」
―――――――――――――――――――――――
一体どのくらいの時間、眠っていたんだろうか。気がつくと俺はベッドの上におり、体の傷はジョルノのスタンド能力で治療されていた。
「よお。目が覚めたかブチャラティ? 」
「アバッキオ……すまない。迷惑をかけてしまったな」
「気にすんな。あんたが体を張ってくれたお陰で任務は無事成功だ」
上体を起こし、アバッキオの方に体を向けようとすると大腿から膝上にかけて重みを感じた。
「こいつ。一晩中てめえの横について絵本を読み聞かせていたんだぜ」
彼の視線の先に目をやると、凪子が自分の体の上で眠っているではないか。彼女の膝の上には昨晩読み聞かせていたであろう絵本があった。きっと泣いたのだろう、瞼は赤みを帯びて腫れており、目の下には隈が出来ていた。頬には涙が通った跡が乾いて残っている。
「凪子、君は俺の為に一晩中……」
「ブチャラティがうなされてる、隣で絵本を読んであげたら落ち着くかもしれない。って言ってたぜ。ほんと、優しいやつだぜあいつは」
いつのことだが忘れてしまったが凪子と昔話をした。俺が子どもの頃、母に絵本の読み聞かせをしてもらうのが好きだったという話をしたので、その話をを思い出しての行動かもしれない。
「ああ、おかげで良く眠れたよ」
そう言ったあと、俺は眠る彼女の髪を撫でた。起こさないようにそっと。優しく。
指に触れた彼女の髪は絹の様になめらかだった。
どうか飛び立たないでくれ。
君は一生、俺の隣にいれば良い。
自分の中で黒い何かが生まれた気がした。