◇護衛チーム◆
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「(おいおい! ちょっと待ってくれ……! 凪子とジョルノが明日の朝二人でメルカートに行くだと……!? いつの間に奴らはそんなに仲良くなったんだあ!? )」
チーム内で最も背が高く、綺麗な長髪を持ち紫色のリップが良く似合う男、アバッキオは激しく動揺していた。何故かというと、彼が密かに心を寄せている同じチームのメンバーである凪子が明日の朝にジョルノと朝市へ出かけるというからだ。
先ほどアバッキオの言ったメルカートとは、ジョルノ達の言う市場のことである。ナポリの市内にも多く存在し、近くの農家から仕入れた新鮮な野菜や果物が山積みになり見ているだけでも幸せな気分になれる。野菜や果物以外にも熟成された生ハムやチーズなど、はたまた衣料品やアクセサリーなども並んでいるらしい。
アバッキオはメルカートでジョルノとはしゃぐ凪子の姿を想像しては心を痛めていた。
「この程度のことで気に病むなんて……いや、こいつはかなり重要な問題だ……なんせ……」
「一体何がそんなに重要な問題なんです? 」
アバッキオが一人言を全て言い切るより先に、ジョルノが彼に被せるように問いかけた。
「っ……!? ジョルノ・ジョバーナ!?? 」
「ちょっと、大きな声出さないでください。それになんでまたフルネームなんです? 」
アバッキオは余程驚いたのか、ジョルノのことをフルネームで呼び、それに加えて一対一で話すには大きすぎるくらいの声を出した。彼の低音の声がアジトのリビングに響き渡る。
「何だァてめぇ!? どう考えたっていきなり話しかけてきたお前の方が悪いだろうが!」
「いいえ。どう考えたって人の会話を盗み聞きする方が悪いんじゃあないですか? 」
「……なんだと……!? 」
アバッキオは目を大きく見開き、形の良い唇を歪め、頬を赤らめ額にはうっすらと汗の様な物を浮かべていた。先ほどの凪子達の会話をひっそりとばれないように聞いていたことを、どうやらジョルノは気づいていたらしい。
「正確なことを言うと、あなたが僕たちの会話を盗み聞きしている最中にはあなたの存在に気付くことはできませんでした。それに関しては僕はギャング失格かもしれません」
アバッキオはそれを聞いて少し安堵した様子であった。
「ハッ! なら俺がお前らの話を盗み聞きしてたなんていう発言はただのでっち上げってことになるな」
「いいえ? 話が終わったあとドアに近づいた時にあなたの大変暗く、悲壮感に溢れた一人言が聞こえてきたんです。内容を聞いたら瞬時にわかりましたよ。ああ、あなたは盗み聞きしてたんだなって」
「ああ!? 煽ってんのかこの野郎!? 」
アバッキオはあまりの恥ずかしさに耐えきれなくなり、ジョルノの洋服の襟元を思い切り掴んで引き上げた。これに関してはジョルノにも非はあるだろう。なんせ元々気分がかなり落ちていたアバッキオに対して、散々怒りを煽るような発言を何の遠慮もなくぶつけたのである。少しくらいは彼の気持ちを察して言葉の選び方に気を使うべきであろう。だがジョルノはそれをしなかったのでこうなって当然の結果と言える。
リビングで大きな音を立てたからか、凪子がパタパタという足音を立てながら彼らのところにやってきた。
「もう。 そんなに大きな声出したりして。何やってるの? ナランチャが勉強してる最中だからもっと静かにして」
二階ではフーゴがナランチャに勉強を教えている最中だったのだ。その時同じく二階にいた凪子は、フーゴの今にも爆発しそうなイライラした声が耳に入ってきて、彼の怒りが爆発することを危惧しジョルノ達を注意しに来たのであった。
「すまねえ。悪かったな」
「ごめんなさい。気遣いが足りませんでしたね」
二人ともばつが悪そうに目線を少し下に向けながら謝った。
「分かってくれたなら大丈夫だよ。そんな顔しないで」
そう言って凪子が微笑むと、二人の表情に明るさが戻った。
「そうだ凪子。アバッキオを明日の朝市に一緒に連れていってやりたいんですが。かまいませんね?」
それを聞いたアバッキオはナランチャに初めて会った日、フーゴがナランチャを連れてきてスパゲティを食わせてやりたいとブチャラティに言った日のことを思い出してどこか懐かしい気持ちになった。しかしそれも束の間。
「(ちょっと待て! 今のはどういうことだ!? )」
アバッキオが何か言葉を出す前に、凪子は間髪入れる隙もなくジョルノの申し出を承諾した。凪子は当初は入団時期の近いジョルノと仲良くなるために二人で行きたいと思っていたが、彼からその様に申し出があるなら仕方がない。それに人数は少しでも多い方が楽しいと思ったのでアバッキオの同行は結果として歓迎だった。
「ありがとうございます凪子。アバッキオ、良かったですね」
「ニヤニヤしてんじゃあねえぞ! ……まあ、その何だ……ありがとうな。」
アバッキオは少し照れながら凪子には聞こえないくらいの声の大きさでジョルノに礼を言った。ジョルノは彼に対してなんだ可愛い一面もあるんじゃあないか、と思いながら礼は必要はないと手を小さく振った。
「(この野郎のおかげというのは何だか複雑な気もするが、悪い気分ではねえな)」
状況がいまいち理解出来ずにきょとんとした顔をしている凪子をよそ目に、彼らは顔を合わせてふふっと小さく笑いあうのであった。
→ to be continued
チーム内で最も背が高く、綺麗な長髪を持ち紫色のリップが良く似合う男、アバッキオは激しく動揺していた。何故かというと、彼が密かに心を寄せている同じチームのメンバーである凪子が明日の朝にジョルノと朝市へ出かけるというからだ。
先ほどアバッキオの言ったメルカートとは、ジョルノ達の言う市場のことである。ナポリの市内にも多く存在し、近くの農家から仕入れた新鮮な野菜や果物が山積みになり見ているだけでも幸せな気分になれる。野菜や果物以外にも熟成された生ハムやチーズなど、はたまた衣料品やアクセサリーなども並んでいるらしい。
アバッキオはメルカートでジョルノとはしゃぐ凪子の姿を想像しては心を痛めていた。
「この程度のことで気に病むなんて……いや、こいつはかなり重要な問題だ……なんせ……」
「一体何がそんなに重要な問題なんです? 」
アバッキオが一人言を全て言い切るより先に、ジョルノが彼に被せるように問いかけた。
「っ……!? ジョルノ・ジョバーナ!?? 」
「ちょっと、大きな声出さないでください。それになんでまたフルネームなんです? 」
アバッキオは余程驚いたのか、ジョルノのことをフルネームで呼び、それに加えて一対一で話すには大きすぎるくらいの声を出した。彼の低音の声がアジトのリビングに響き渡る。
「何だァてめぇ!? どう考えたっていきなり話しかけてきたお前の方が悪いだろうが!」
「いいえ。どう考えたって人の会話を盗み聞きする方が悪いんじゃあないですか? 」
「……なんだと……!? 」
アバッキオは目を大きく見開き、形の良い唇を歪め、頬を赤らめ額にはうっすらと汗の様な物を浮かべていた。先ほどの凪子達の会話をひっそりとばれないように聞いていたことを、どうやらジョルノは気づいていたらしい。
「正確なことを言うと、あなたが僕たちの会話を盗み聞きしている最中にはあなたの存在に気付くことはできませんでした。それに関しては僕はギャング失格かもしれません」
アバッキオはそれを聞いて少し安堵した様子であった。
「ハッ! なら俺がお前らの話を盗み聞きしてたなんていう発言はただのでっち上げってことになるな」
「いいえ? 話が終わったあとドアに近づいた時にあなたの大変暗く、悲壮感に溢れた一人言が聞こえてきたんです。内容を聞いたら瞬時にわかりましたよ。ああ、あなたは盗み聞きしてたんだなって」
「ああ!? 煽ってんのかこの野郎!? 」
アバッキオはあまりの恥ずかしさに耐えきれなくなり、ジョルノの洋服の襟元を思い切り掴んで引き上げた。これに関してはジョルノにも非はあるだろう。なんせ元々気分がかなり落ちていたアバッキオに対して、散々怒りを煽るような発言を何の遠慮もなくぶつけたのである。少しくらいは彼の気持ちを察して言葉の選び方に気を使うべきであろう。だがジョルノはそれをしなかったのでこうなって当然の結果と言える。
リビングで大きな音を立てたからか、凪子がパタパタという足音を立てながら彼らのところにやってきた。
「もう。 そんなに大きな声出したりして。何やってるの? ナランチャが勉強してる最中だからもっと静かにして」
二階ではフーゴがナランチャに勉強を教えている最中だったのだ。その時同じく二階にいた凪子は、フーゴの今にも爆発しそうなイライラした声が耳に入ってきて、彼の怒りが爆発することを危惧しジョルノ達を注意しに来たのであった。
「すまねえ。悪かったな」
「ごめんなさい。気遣いが足りませんでしたね」
二人ともばつが悪そうに目線を少し下に向けながら謝った。
「分かってくれたなら大丈夫だよ。そんな顔しないで」
そう言って凪子が微笑むと、二人の表情に明るさが戻った。
「そうだ凪子。アバッキオを明日の朝市に一緒に連れていってやりたいんですが。かまいませんね?」
それを聞いたアバッキオはナランチャに初めて会った日、フーゴがナランチャを連れてきてスパゲティを食わせてやりたいとブチャラティに言った日のことを思い出してどこか懐かしい気持ちになった。しかしそれも束の間。
「(ちょっと待て! 今のはどういうことだ!? )」
アバッキオが何か言葉を出す前に、凪子は間髪入れる隙もなくジョルノの申し出を承諾した。凪子は当初は入団時期の近いジョルノと仲良くなるために二人で行きたいと思っていたが、彼からその様に申し出があるなら仕方がない。それに人数は少しでも多い方が楽しいと思ったのでアバッキオの同行は結果として歓迎だった。
「ありがとうございます凪子。アバッキオ、良かったですね」
「ニヤニヤしてんじゃあねえぞ! ……まあ、その何だ……ありがとうな。」
アバッキオは少し照れながら凪子には聞こえないくらいの声の大きさでジョルノに礼を言った。ジョルノは彼に対してなんだ可愛い一面もあるんじゃあないか、と思いながら礼は必要はないと手を小さく振った。
「(この野郎のおかげというのは何だか複雑な気もするが、悪い気分ではねえな)」
状況がいまいち理解出来ずにきょとんとした顔をしている凪子をよそ目に、彼らは顔を合わせてふふっと小さく笑いあうのであった。
→ to be continued