◇護衛チーム◆
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ポンペイの遺跡にて暗殺チームのメンバーの一人であるイルーゾォとの戦いを終えた後、それは突然やって来た。
「ねえ……ジョルノ 」
「どうしたんです? そんな顔して」
遺跡に向かったメンバーが一人として欠けることも無く、無事に帰って来たというのに凪子の表情にはいつものような明るさは無かった。
「その……フーゴのこと……見捨てないでいてくれてありがとう」
「いいえ、礼を言われるような事じゃあないですよ。仲間として当然のことをしたまでです」
ジョルノは凪子の様子が普段とは違うことに気がつき、俯く凪子の頭をそっと撫でる。下を向いているので顔は見えないが、彼女の膝にぽたりと滴が落ちたのを彼は見逃さなかった。ギャングとはいえ、女性だ。想いを寄せる男性の命が危険に晒されれば不安にもなるだろう。ジョルノはテーブルの上にあったお菓子の包みについていたリボンを手に取り、彼の能力で一輪のガーベラに変えると彼女の華奢な手を取りガーベラを握らせた。
「凪子、こんなことを言っても嘘臭く安い言葉にしか聞こえないでしょう。しかし……あなたが今何を考え、何に恐怖を抱いているのかが僕にはわかります」
ジョルノはガーベラを握ったままの彼女の手を両手で固く握り、彼女の目をまっすぐ見つめた。
「覚悟とは、暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことです。」
凪子はジョルノに何かを言いたげな表情をしているが、静かに俯きながらジョルノの話に耳を傾ける。
「この先、ボスの娘トリッシュの護衛にあたるにおいて常に危険は付き物でしょう。怪我をするのは勿論のこと、最悪の場合はそれ以上の事も起こりうるかもしれない」
静かに話を聞いていた凪子だったが、椅子から立ち上がって殆どと言って良いくらいに感情的に、反射的にジョルノに詰め寄った。
「こんなこと思ってはいけないって頭でわかってる……任務の遂行の為なら命を投げ出さなきゃいけないことも! でも…もし、今回みたいにフーゴがこんな危険に晒されたらと思うと……」
凪子は白い肌を赤く染め、綺麗な顔を涙で濡らした。ジョルノが彼のハンカチで優しく拭ってもただハンカチだけが濡れていく一方で、彼女が泣き止む気配が見受けられなかった。彼女の涙を拭くことを諦めたジョルノは、椅子に座っている彼女に跪き、手の甲にちゅっと音を立ててキスをした。
ガーベラの花言葉は「希望・前進」であるということを凪子に伝え、少しだけ顔に明るさの戻った彼女を抱き締める。
「安心して下さい。どんな状況になっても僕は決してあなたを、仲間を見捨てたりはしません。それに、フーゴだって覚悟して来てる人です」
「じゃあ、もしも仲間の命と任務の遂行を天秤に掛けられたとしたら? 」
「仲間の命と課せられた命令、どちらも諦めません。その時尽くせる全ての力で策を講じ、どちらも守り抜く」
ジョルノの言葉には確かな信頼と凄みがあった。それは強い覚悟を持った者が持つ物であり、彼の言葉は凪子の心に浮かんでいる恐怖、不安そして自己否定の気持ちを掻き消した。つい数秒前まで彼女の心にしっかりと根を張りしがみついていたそれらを、まるで初めからそんなものは無かったかのように取り払った。否。こう言い換えた方が正しいだろう。
「ジョルノ。今のあなたの言葉で心にあった負の感情が塗り替えられたわ。覚悟の気持ちで」
そう言い放った彼女の目にはジョルノと同じ、確かに強い、覚悟の意志があった。人は誰しも恐怖であったりとか、不安な気持ちもあるだろう。それを持つことを決して否定はしない、けれどそれを乗り越えていくだけの覚悟がこの世界では必要なのだ。覚悟が無ければ大切な人を守ることなんて先ず叶わないだろう。
「それで良い。それでこそ僕の好きになった女性だ」
ジョルノは彼女に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟いた。そしてその瞬間、ジョルノの中に新たな覚悟が芽生えたのだった。
「うん? …何か言った? 」
「いいえ? 僕は何も」
いつか凪子を必ず手に入れる。
そんな彼の覚悟を凪子はまだ知らない。
「ねえ……ジョルノ 」
「どうしたんです? そんな顔して」
遺跡に向かったメンバーが一人として欠けることも無く、無事に帰って来たというのに凪子の表情にはいつものような明るさは無かった。
「その……フーゴのこと……見捨てないでいてくれてありがとう」
「いいえ、礼を言われるような事じゃあないですよ。仲間として当然のことをしたまでです」
ジョルノは凪子の様子が普段とは違うことに気がつき、俯く凪子の頭をそっと撫でる。下を向いているので顔は見えないが、彼女の膝にぽたりと滴が落ちたのを彼は見逃さなかった。ギャングとはいえ、女性だ。想いを寄せる男性の命が危険に晒されれば不安にもなるだろう。ジョルノはテーブルの上にあったお菓子の包みについていたリボンを手に取り、彼の能力で一輪のガーベラに変えると彼女の華奢な手を取りガーベラを握らせた。
「凪子、こんなことを言っても嘘臭く安い言葉にしか聞こえないでしょう。しかし……あなたが今何を考え、何に恐怖を抱いているのかが僕にはわかります」
ジョルノはガーベラを握ったままの彼女の手を両手で固く握り、彼女の目をまっすぐ見つめた。
「覚悟とは、暗闇の荒野に進むべき道を切り開くことです。」
凪子はジョルノに何かを言いたげな表情をしているが、静かに俯きながらジョルノの話に耳を傾ける。
「この先、ボスの娘トリッシュの護衛にあたるにおいて常に危険は付き物でしょう。怪我をするのは勿論のこと、最悪の場合はそれ以上の事も起こりうるかもしれない」
静かに話を聞いていた凪子だったが、椅子から立ち上がって殆どと言って良いくらいに感情的に、反射的にジョルノに詰め寄った。
「こんなこと思ってはいけないって頭でわかってる……任務の遂行の為なら命を投げ出さなきゃいけないことも! でも…もし、今回みたいにフーゴがこんな危険に晒されたらと思うと……」
凪子は白い肌を赤く染め、綺麗な顔を涙で濡らした。ジョルノが彼のハンカチで優しく拭ってもただハンカチだけが濡れていく一方で、彼女が泣き止む気配が見受けられなかった。彼女の涙を拭くことを諦めたジョルノは、椅子に座っている彼女に跪き、手の甲にちゅっと音を立ててキスをした。
ガーベラの花言葉は「希望・前進」であるということを凪子に伝え、少しだけ顔に明るさの戻った彼女を抱き締める。
「安心して下さい。どんな状況になっても僕は決してあなたを、仲間を見捨てたりはしません。それに、フーゴだって覚悟して来てる人です」
「じゃあ、もしも仲間の命と任務の遂行を天秤に掛けられたとしたら? 」
「仲間の命と課せられた命令、どちらも諦めません。その時尽くせる全ての力で策を講じ、どちらも守り抜く」
ジョルノの言葉には確かな信頼と凄みがあった。それは強い覚悟を持った者が持つ物であり、彼の言葉は凪子の心に浮かんでいる恐怖、不安そして自己否定の気持ちを掻き消した。つい数秒前まで彼女の心にしっかりと根を張りしがみついていたそれらを、まるで初めからそんなものは無かったかのように取り払った。否。こう言い換えた方が正しいだろう。
「ジョルノ。今のあなたの言葉で心にあった負の感情が塗り替えられたわ。覚悟の気持ちで」
そう言い放った彼女の目にはジョルノと同じ、確かに強い、覚悟の意志があった。人は誰しも恐怖であったりとか、不安な気持ちもあるだろう。それを持つことを決して否定はしない、けれどそれを乗り越えていくだけの覚悟がこの世界では必要なのだ。覚悟が無ければ大切な人を守ることなんて先ず叶わないだろう。
「それで良い。それでこそ僕の好きになった女性だ」
ジョルノは彼女に聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で呟いた。そしてその瞬間、ジョルノの中に新たな覚悟が芽生えたのだった。
「うん? …何か言った? 」
「いいえ? 僕は何も」
いつか凪子を必ず手に入れる。
そんな彼の覚悟を凪子はまだ知らない。