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後悔先に立たず

それは本当に素っ気なく置かれていたのだ。
教員室共用の戸棚の中。そこには、教員用の珈琲やら茶菓子やらが入れられていて……確かにそれは綺麗に包装されてはいたものの、そんな所にポイっと入れられていては「貰い物か何かかな?」と思ってしまっても致し方ないんじゃないかと、俺は思ったのだけれども。

「おーい、ジルオー」

「…………。」

「ジルオってばー」

「…………。」

「もぉー、いい加減機嫌直せってぇ。俺めっちゃ謝ったじゃぁん」

「……とてもじゃないが、謝罪している態度になぞ見えないが?」

「ていうか、ジルオ普段甘いモンなんて食わねーじゃん!だから俺……てっきり食っていいもんかと、」

「だからこそだこの阿呆!あれは俺が食べようと思って買った訳ではない!!」

「あ。もしかしてぇ…………アレ、ルトちゃんに買ってあげたやつだったり……?」

「気づくのが遅すぎだ!!」

「うーわ、そりゃマジでごめん。いや、ごめんなさい。つか、ジルオにしちゃ良いセンスだったわあのケーキ。めっちゃ美味かった」

「味の感想は特に求めていないのだが……?」

「いや、感想つーか一応褒めたつもりなんだけど?!あーーーー……ほんっとに悪かったって!明日朝イチで同じケーキ買ってくるから許してちょ!!」

うぇー……頑張って書類書き上げたからご褒美ー♪って食べちゃった俺のバカー!!
この後、テストの採点がまだまだ残ってるのに……ジルオに手伝ってもらうつもりだったのに……あの様子じゃ絶対手伝ってくれないじゃん!

――――――

♥ありがとうございました!

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