本編
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side飴村乱数
結局、あの日から一月経っても、彼女が戻ってくることはなかった。
もちろん警察に相談したし、知人や近所に住んでいる人に目撃情報を聞いて回ったり、自分の足を使って情報を集めたりもした。だけど、思ったような成果は得られず、手がかりは何一つ得られないままだった。日に日に不安は強まり、生活は荒み、心に空いた穴は大きくなっていく。もし彼女が僕よりも頭がいい奴に誘拐されていて、証拠を残さないままに消されている、もしくは、それよりももっと酷い仕打ちを受けているのだとしたら──。そう思うと、いても立ってもいられなかった。しかし、探しても探しても何も出てこない。そもそも、ただの中学三年生が集められる情報なんて、たかが知れている。それでも、諦めるわけにはいかない。僕は、麻子がいないと生きていられない。麻子がいない世界なんて、酸素がない地球と同じなんだ。麻子を見つけられないくらいだったら、死んだ方がマシだった。
僕はついに、正式な方法ではなく、違法に情報を集めている組織へと手を出した。危険が伴うのは重々承知だった。だけど、麻子を見つけられる可能性が少しでも高くなるというのなら、そんな手段を使うのだって躊躇しない。人を傷つけることだって。好きでもない奴に媚を売ることだって。
「……絶対に、探し出すから。待っててね。麻子」
僕は麻子の寝顔の写真を見ながら、ひっそりと誓いを立てた。絶対に見つけ出すと。今度は絶対に──その手を離しはしない、と。
結局、あの日から一月経っても、彼女が戻ってくることはなかった。
もちろん警察に相談したし、知人や近所に住んでいる人に目撃情報を聞いて回ったり、自分の足を使って情報を集めたりもした。だけど、思ったような成果は得られず、手がかりは何一つ得られないままだった。日に日に不安は強まり、生活は荒み、心に空いた穴は大きくなっていく。もし彼女が僕よりも頭がいい奴に誘拐されていて、証拠を残さないままに消されている、もしくは、それよりももっと酷い仕打ちを受けているのだとしたら──。そう思うと、いても立ってもいられなかった。しかし、探しても探しても何も出てこない。そもそも、ただの中学三年生が集められる情報なんて、たかが知れている。それでも、諦めるわけにはいかない。僕は、麻子がいないと生きていられない。麻子がいない世界なんて、酸素がない地球と同じなんだ。麻子を見つけられないくらいだったら、死んだ方がマシだった。
僕はついに、正式な方法ではなく、違法に情報を集めている組織へと手を出した。危険が伴うのは重々承知だった。だけど、麻子を見つけられる可能性が少しでも高くなるというのなら、そんな手段を使うのだって躊躇しない。人を傷つけることだって。好きでもない奴に媚を売ることだって。
「……絶対に、探し出すから。待っててね。麻子」
僕は麻子の寝顔の写真を見ながら、ひっそりと誓いを立てた。絶対に見つけ出すと。今度は絶対に──その手を離しはしない、と。