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⭐︎L完全溺愛夢小説
裏~激裏・シリアス中心
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「ふぅ〜今日のタスク完了!撮り溜めてたドラマでも見るか〜!」
22時
漸く一人の時間
ふと目につくディスプレイ
あれ以来何もやり取りはしていなかった
「明日は土曜日だしもしかしたら出てくれるかな.......」
あたしは竜崎の番号をダイアルした
その指は震えてはいなかった
コール音が耳に煩い
流石にこんな時間に出てくれないかな
「.........はい。」
「.....あ、ごめん。寝てた...かな?もう遅いもんね」
「はい....寝てました。が、今起きました。どうかしたんですか?こんな時間に」
「用って程でもないんだけどね、こないだ花火大会の日に返事くれてありがとうって言うのが言いたくて...」
「あの日 No Nameも駅前にいたんですか?私も丁度外を歩いていた所だったんです。暫くイギリスにいたんですがちょうどあの日に戻って来たので」
「そうだったんだ!イギリスに!竜崎は結婚とかしてるの?イギリスで結婚式を挙げたとか?」
「結婚はしていません。捜査の依頼があったのでイギリスに行っていました」
「そっかそっか。相変わらずお忙しいみたいね」
「お陰様で」
「あなたはどうなんですか?結婚したと聞きましたが。お子さんは?」
「7歳と3歳。煩いのが二人おります」
「そうでしたか。子育て大変でしょう。尊敬します。」
「何を仰いますか!世界の名探偵様にそう言って頂けるなんて光栄です」
「変わってませんね?そういうとこ」
「竜崎も」
二人で声を出して笑った
竜崎と話していると全てがキラキラして見えた
今一緒にいれないのが不自然に思えてくる
それくらいあたしにとって竜崎は特別な存在だったから
「まぁ...その....大変じゃないですか?専業主婦というのも。時間があってもお子さんありきですし。私でよかったら話くらいは聞けますので、いつでも言って下さい。」
「ありがとう〜!助かる〜!」
「あなたさえ良ければ、今度お茶でもどうですか?美味しいケーキがあるお店を見つけたんですが....」
「行く!行きたい!」
「そうですか。それではまた、連絡します。」
「うん。分かった」
「おやすみなさい」
電話を切ってもあたしの胸のドキドキはおさまってくれなかった
彼の声は媚薬みたいにあたしをおかしくする
特徴的な喋り方が好き
声が好き
独特の言い回しが好き
あたしの名前を呼ぶあなたが大好き
もうダメだ
全て竜崎に支配されてる
竜崎の事しか考えられないの
竜崎への恋心を隠して離婚してまた一からやり直せたら...
最近そんな事ばかり考えているあたしは
きっと天国には行けないね....
でもやっぱりあなたには誰も敵わない
あたしが一番愛した人
あたし
彼の側にいたいよ
こんなの辛すぎる
でも子供達を置いてはいけないし...
桃太さんだって何も悪くないのに
悪いのは全部あたしなのに
あたしが罪を償って母親から女に戻ったら
あの人はどんな顔をするだろうか
ダメ...
忘れなきゃ
これ以上はダメ
竜崎に会ったらもう戻れない
戻れなくなる
ここが最後の分岐点
でも
もう止まらない
あたしは
「金曜日なら空いてるけど、どうかな?」
と竜崎に送った
止められなかった
後の事なんて何も見えていない
今が良ければいい
あたしは最低な人間だ
かつて一番愛した人と会って何が悪いの?
自分の気持ちに嘘はつけない
あたしはあたしが一番好きな人と一緒にいたい
竜崎といたい
きっともう母親の顔をしたあたしはそこにはいない
切なげでどこか艶のある女の顔をしたあたしがそこにはいた
竜崎だけがあたしをいつまでも女の子でいさせてくれる
彼に会いたくて肌がツヤツヤしてくる
目が輝いてくる
毎日ドキドキして自然と痩せてくる
刺激のない毎日を送っていたあたしには
竜崎との電話が凄く刺激的だった
昔を思い出して体が若返る
少し経った頃竜崎から返事が来た
「金曜は一日空いています。何時にしますか?」
「14時かな」
即返
駆け引きとかを考えている暇がなかった
彼に会いたい
ただ、それだけだった
金曜日.....
罪の華が咲く事も知らずに......
end.....