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⭐︎L完全溺愛夢小説
裏~激裏・シリアス中心
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結婚して7年目の夏
「ママーはなび見にいきたい!」
「ぼくもー!」
「えー?花火?だって外暑いんだよ?飽きないで見てられるの?」
「うん!」
「いきたーい!」
今日は年に一度の花火大会の日
でも道路は混むし暑いし虫に刺されるし
大人だけで行くのと子供を連れて行くのとでは大変さが違う
下の子はまだ3歳だし
やめようかなとも思ったけど...
頑張って行ってみようかな
最近見れてなかったし
あたしは意を決して二人を車に乗せた
「あ!ちょっと待ってて!水筒!」
忘れた水筒を取りに戻った時にあたしは携帯に手を伸ばした
懐かしさが勝ったのか
運命のイタズラか
あたしは 彼 の連絡先をタップして
スタンプを一つ送った
「久しぶり。お元気ですか?」
たったこれだけ
彼 とはもう10年近く音信不通で
キラ事件が終わった今では
もうどこにいるかも分からなかった
でも10年前の今日
彼 と花火を見に行った事を何となく思い出したのだった
人混みが嫌いな 彼 はお面で顔を隠しながら浴衣に身を包み
あたしが行きたいからと着いてきてくれた
はぐれないようにとずっと手を繋いでいてくれて
時には腰に腕を回してあたしを引き寄せてくれた
彼のあの手が大好きだった
低く特徴のあるあの声が好きだった
大事な物を触るみたいに髪を撫でてくれる彼が好きだった
結婚の約束までしていた 彼 をあたしは選ばず
彼 を待てずに
松田さんと結婚した
今更あたしから連絡が来た所で返事なんて来るはずもない
きっと最悪な別れ方だったしブロックされているだろう
彼 も結婚しているかもしれないし
様々な想いが巡った
送信取り消しをしようかと思ったけど
出来なかったのだ
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