page.56 繋がらない君へ
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⭐︎L完全溺愛夢小説
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「バカ!バカ!エロ月!変態!」
「はいはい」
帰り道
あたしは散々月に罵声を浴びせた
だってあんな学校で...
ひどいよ....バカ....
「No Nameが竜崎の名前に反応してたみたいだから、ちょっとムカついた。」
「え....?」
「もういい加減忘れろよ。あんな何処に行ったか分かんない奴の事なんて。」
「月.......」
「もう竜崎は戻って来ない。僕には分かる」
「どうして...?」
「なら、あいつの携帯に掛けてみたら?」
携帯...
そういえば別れてから一度も連絡してなかった
というか出来なかった
出て貰えなかったら...
拒否されたら...
番号が変わっていたら...
この11桁が意味もない数字に変わるのが恐くて
今まで避けていた
「ほら、早く。まだメモリ消してないんだろ?」
「なんで知って...」
「こないだNo Nameが先に寝た時に見た。」
「最悪....」
「しかも "あ竜崎"ってなんだよ...」
「いいでしょ、なんでも....」
電話帳を開くと一番に竜崎が出てくるようにしていた
それは今でも変わってない
何となく消去出来なくて
ここまで来てしまった
「ほら」
月に後押しされ
あたしは別れてから暫く振りに竜崎に電話を掛けた
「........。お掛けになった電話は現在使われておりません。番号をお確かめの上、お掛け直し下さい。
こちらは○○です。お掛けになった電話は.....」
「うそ.....。」
「嘘じゃないよ。僕も竜崎があんまりにも学校に来ないから前に電話してみたんだ。そしたらこの通りだよ。」
「何でよ...番号変わったら....もう連絡取りようがないじゃない..........」
あたしはその場にへたり込んでしまった
もうこの11桁に意味はない
繋がらない番号
所有者のいない番号
無意味な番号
メモリの無駄遣い
「バカだよな。あいつ」
「番号変えるって事は、もう逢いたくないって事じゃん。本当にさよならってことじゃん.........」
「あんたもバカだよ....」
「え....?」
「竜崎はあんたがそう言うの予想してたと思うけど?」
「...........。」
「そんな単純な理由じゃないと思う。あんたは自分の事しか考えてないみたいだけどさ」
「............」
「携帯変えるって結構決心いるだろうし。ましてや番号変えるってのは、結構な覚悟がいると思うんだよね」
「そう..かな.......」
「竜崎も苦しいって事だと思う。もしかしたらあんた以上に苦しんでるんじゃないかな。だから番号まで変えて。強制的に連絡取れない状況にして。
大学にも来ないで。
ホント、バカだよね。あんたら」
「二重人格ナルシストめ......」
あたしは月に憎まれ口を叩くしか反抗が思いつかなかった
ホントにバカだな...
ていうかガキ...?
ツライのは自分だけだと思ってた
だから竜崎を忘れようとした
でも忘れられなかった
竜崎もツラかったんだ
あんな別れ方だったし
だからあたしを忘れようとした
でも忘れられなかった
だから携帯を変えて番号を変えて
学校にも来ないで
一人だけの世界に篭って
必死であたしを忘れようとしてるんだ
「でもそれってさ、結局忘れてないからしてるんだよね」
「................。」
そうなんだよね
無理やり忘れようとしてる
普通は嫌いだったら自然と忘れていく
もうその人の事なんか思い出さない
まるでなかった事のようにその人が居なくても世界は進んでいく
でもあたし達は違う
まだお互い気持ちがあったのに
拗れて拗れて拗れまくって
そして修正が効かなくなって
お互いに意地を張ったまま寄り添えなくて
どうしようもなくなって離れたんだ
好き過ぎてツライから離れたんだ
好きなのに
一緒に居たいのに
でも分かり合えなくて別れたんだ
あたし
竜崎を嫌いじゃなかったんだ
「そっか.....。そうなんだ...。」
「そういう事。漸く分かった?」
「うん!月ありがとう!あたしやっぱり竜崎じゃないと駄目!絶対駄目!これ、返すね!バイバイ!!」
「あ...!おい!ちょっと...!」
僕は見せかけの婚約指輪を見て微笑んだ
「やっぱりこんな安い指輪じゃ駄目だったかー。もうちょっとだったんだけどなー。
やっぱり竜崎には敵わないな」
早くまた二人の時計が動き出せばいいと思った
これからどうするかは二人次第だ
ただお互いが歩み寄る所から始めなきゃね
No Nameは気づいて歩み寄ろうとしている
じゃあ竜崎は?
お前は逃げてばっかじゃどうしようもないだろう
女一人幸せに出来ないようじゃ駄目だぞ?
少しは僕を見習えば?
な?竜崎。
end.