ネイルアート.....





「これなんか、僕の一番のお気に入りだよ」



少年は
一組の切断された腕を
私の前に翳した





この柄は....




先日殺された女性から剥ぎ取られていたネイルチップと
同じ柄.......




「綺麗だね」



触りたくもなかったが仕方がない



確認の為に爪に触れた




明らかに爪ではない
プラスチック性の手触り




間違いない
airだ





「これ...気に入ったから買うよ。家の人を呼んでくるから、ちょっと待ってて？」



頷くairを残し
テントを出る



自分の服に着いた異臭に
吐き気を覚える






「ワタリーー！！」


ワタリを目掛けて
勢いよく走っていく



「どうしました？Ｌ」

「犯人を見つけたんだよ！」
「.......！」




ワタリの手を引き
airのいるテントへ向かう




「連れてきたよ」


何食わぬ顔でテントに入り
ワタリにネイルチップを確認させる



「ほう...確かにこれですね」


そう言ったと同時に
airに手錠を掛けるワタリ




「な...なに？」

「air、貴方を逮捕します」
「たいほ...？」

「犯人がこんなに子供だったのは、計算外でしたがね。」



airを外に連れ出す



「もうすぐパトカーが来ますから、大人しくしていて下さいね」




犯人逮捕の瞬間だった



この時のワタリは
とても輝いていて
今でもその光景は
私の脳裏に焼き付いている





私も
ワタリのようになりたい




この日を境に
そう思う気持ちが
強まっていった






To be continued...
†Ｌ†
～Long way～(Ⅱ)