情事の後
貴方は
煙草に火を付ける




「なんですか...？」

「煙草...吸わないで...」

「この匂いが嫌いなら、私はもう行きます」
と言って、ドアに向かう竜崎。




「違っ...まだ...帰らないで...」



自分でも良く分からない

何故
こんなどうしようもない男を
引き止めたいのか



「No Name？帰って欲しくないんですか？」



竜崎は狡い



分かってるくせに





「まだ...一緒にいたい...」



クスッと鼻で笑われて
抱き締められる




この腕の中に抱かれていると
他に女が沢山いる事を忘れる


抱き締めてくれるのは
あたしの事だけだと
錯覚してしまう...




本当は違うって分かってるのに

あたしも
どうしようもないね...




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