名探偵の手記は
此処で終わっている



この後
No Nameが救急車を呼び
名探偵を病院に運んだというのは
後日聞いた話だが







彼程の名探偵でも

死には

勝てなかった





彼程の名探偵でも

死を恐れ

もがき苦しんだ











be in the grip of Death














『死神に取り憑かれた』
















彼は
ずっと分かっていた



ノートに
自分の名前を書いた瞬間から



死神に取り憑かれていた事を






次第に狂ってゆく


自分の精神を








この世に
神などいない事を






いないと分かっていても

祈りたかった





答えは簡単だ




全ては



No Nameと一緒にいたかったから






彼にとって



No Nameが全て



No Nameだけが希望の光





神....



あなたは




悪魔ですか...








初めて恋を知った名探偵を


助けようとは


思わなかったのか









神はいなかった




彼の願いは


叶う事はなかった






最後に見たのは

貴女の泣き顔と






...死神が嘲笑った姿だけ...
















end...