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ぱちり。目を覚まし、網膜を焼く光の眩しさに再び瞼を閉じる。
どこかで嗅いだ匂いがして、自分の家だと認識する。
ああ、またか。これで何回目だろうか。百を越えた辺りから数えることを諦めてしまった。
どうしても救いたい人がいて、だけどその人は英雄に殺されてしまう。だから祈ったのだ。どうしようもできない自分の無力さを呪いながら、"神様どうか、あの人を救ってください"と。
するとどうだ。次に私が目を開けた時、眼前に広がっていたのは。生まれ故郷もとい、焼け落ちたはずの自宅だった。
壁に掛かっていたカレンダーには「[μ]-εγλ 1998」の文字。鏡を見れば随分と若返った自分の姿。つまり、あの人が死ぬ十年前に私はいた。
祈りが届いた、と喜んだ私は奮闘した。これで彼を助けられる、と。
ジェノバを殺し、宝条を殺し、その他にも障害になりそうなものは全て壊した。あらゆる手を使って彼に接触を図り、救済の手を差し伸べた。
だけど――だけど、それらはことごとく失敗に終わった。あの人はどうしたって絶望して、私は全てを止められない。そうして世界はまた巡り、気づけばまた十年前の自宅のベッドで目を覚ます。
今度こそ、と何度願っただろうか。どうして、と何度慟哭しただろうか。もう、覚えていない。
未来は変えられないのか。どうしたって、どうにもならないんじゃないのか。それなら、私がこうして心をすり減らす意味はどこにある。
閉じたままの瞼から涙が流れる。とっくに涸れたものだと思っていたけれど、それは止まることを知らないかのように流れ続けて。
もう、疲れた。弱音など吐くまいと頑張り続けていたけれど、そろそろ終わらせてもいいんじゃないだろうか。
「っく、ふ…」
「起き…おい、」
ここにいない筈の人の声が、して。思わず目を剥いた。
そのまま勢いよく起き上がれば、声の主と目が合って。
「どうした? …なんだ、その顔は」
さらさらと流れるのは銀髪。彫りの深く目鼻立ちの整った顔。
怪訝そうに向けられる翡翠の魔晄眼。その瞳孔は縦に裂けていて。
「セフィ、ロス…」
思わず呟いた名前。ずっと、救いたいと願い続けてきたひと。
同時に視認できた部屋は、何度か立ち入った事がある。そうだ、セフィロスの自室だ。匂いに覚えがあると思ったのはそのせいか。
この後詰問されてヤケになった夢主が
全部バラして…ってとこまでは考えた