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「本当に良いのね?」
「……ああ」
飛び立ったカブトと穢土転生体のデイダラ、地中に沈み込んだゼツを見送り。後ろのオビトを振り返って最終確認をする。
膝に肘をついて岩に座っている彼は、着けていた仮面を外す。“トビ”のその素顔を知る者は、私とゼツだけだ。
神無毘橋の戦い。あの時、うちはマダラに救われたオビトと私は、彼から託された月の眼計画を成すべく今日まで動いていた。表舞台に立つのはオビトで、私は彼の手足となって暗躍し、計画のために働いた。
全てはオビトのため。彼がまた笑えるように……彼にとっての幸せな世界を作るため。己の感情からは目を背け、ただそう願う。
「もうすぐだ。あと少しで……オレたちの夢が叶う」
「ええ」
仮面を着け直したオビトが立ち上がる。私が彼を見上げれば、視線が絡み合う。昔は同じだった目線も、随分離れてしまった。
私が愛した唯一の人は、しかし私を愛することはない。彼が見つめる先にある背中はひとつだけ。
それでも共に往こう――地獄まで。
終わらぬ夢へと進むふたり。
夜が明けたその時……彼はステージに立ち続けていられるのか、それとも。
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