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人間にしては大仰な雷の力に、正義感と自信溢れる台詞。右手に巻かれた包帯は中二病の証で、特に意味はない。
私の幼馴染――雷震子は、一言で言えば変人だ。今日も今日とて、張り切っている彼の隣で溜息をついた。
もう一人の幼馴染、ゴーストバスターの鍾馗も変わっているけれど、雷震子に比べればマシな方だろう。
……私? 私はただのモブだ。幼馴染二人からは否定されるけれど、少なくとも二人ほど目立つ存在ではない、と思う。
放課後の教室に残っているのは私と雷震子と、数名の生徒のみ。鍾馗は今夜廃墟へゴーストハントに行く準備をするため先に帰ってしまった。長々と続いている雷震子の話を聞き流しながら、帰り支度を続ける。
「おい! 聞いてるのかなまえ!」
「はいはい」
現世がどうとか選ばれし者がどうとか。挙げ句の果てには生ぬるい日常は捨てろ、だとか。ヒーローの次は救世主になるつもりらしいし、私が面倒事に巻き込まれる事は必至。
でも、こいつとなら……なんて。
「汝と共にこの現世を救いたい……準備はいいか!」
「……しょうがないなぁ」
――そう考えてしまう私も大概、おかしいんだろう。
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