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暁アジト内にあるサソリの私室にふたり。置かれたソファの上で雑誌を読みながらだらけている私と、傀儡を弄っているサソリ。肩が触れ合うほどの距離だが、お互いこれがいつもの位置なので特に気にすることもない。サソリってパーソナルスペース広そうなのに意外、と以前デイダラにこぼしたら、いやお前も広い方だろ、うん……と呆れたように言われた。
「サソリってさ、結構私のこと好きだよね」
そんなことを考えていたからだろう、つい口に出してしまった。あ、やば、と思ったけれど覆水盆に返らず。声にした言葉はもう戻らない。
「それはお前もだろ」
「……否定しないんだ」
「そっくりそのまま返すぜ」
「……あ~、ズル」
余裕げな表情、手は止めずに言うサソリ。私は脱力して片手で顔を覆う。だって絶対赤くなってるから。
こんなの負けを認めるしかない。いいや、この男に勝てるはずがなかったんだ。
よく言うでしょ? 惚れた方の負けだって。
つまりは、そういうことだ。
「ちゃんと言葉にした方がいいか? 好きだ、ってな」
「……だから、ズルいって……」
こちらを向いたサソリが、いつもの彼からは考えられないほど優しく笑いながら私の頬を撫でる。唇をなぞる指がくすぐったくて私も笑ってしまう。指先の優しさと甘さから伝わる、彼の愛情が嬉しいのもあった。
「……重症だね」
「お互いにな」
またサソリが笑って、顔をこちらに近づけてくるから。ああ敵わないなぁなんて思いながら目を閉じて、甘いだけのキスに身を任せた。
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