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「快楽の虜」「抱いて濡れて」「Valentine 15 minutes late.」と同じ夢主
家の門限は午後八時。夜が深くなる前に、私たちの逢瀬は終わりを迎える。
予め連絡すればもう少し伸びるけれど、そうしても朝稽古の開始時間が遅くなるわけでもない。ろくに眠らずお祖父様との稽古に挑むなど自殺行為に等しい。遅刻など以ての外だ。
だから、とベッドから立ち上がる。
「……どこへ行く」
「そろそろ帰らないと」
「そんな顔をされては、帰したくなくなるな」
するり、と頬を彼の指が滑る。そのまま押し倒され、シーツに逆戻りするはめになった。
「そんな、顔って」
「寂しくて堪らないというような表情だ」
抗議の声を上げようとすれば、唇を塞がれてしまう。身体をまさぐる荒々しい手付きとは真逆の、とろけるように甘い口づけ。こうなれば抵抗しても無駄だ。それはもう十分に彼から知らされている。
観念した私は目を閉じた。明日はきっと、寝不足で稽古に励むはめになる。
それでも、今はこの行為に溺れたかった。
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