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『Arena of Valorにようこそ』
溌剌としたアナウンスと共に転送された先は今回の戦場。バタフライが先陣を切って駆けてゆき、ダーシーとアストリッドがそれに続く。
「どうかしたのか?」
「ショップを見ていただけよ」
生命の祭壇に立ち止まったまま、次に購入する装備を確認していれば。ヨーンに声を掛けられ、振り返って答える。
若々しく整った顔立ちに反して、鍛え上げられた肉体。自分の体ほどある弓を軽々と持ち上げる姿。人間でありながら聖なる騎士団の団長にまで登り詰めた男、それが彼だ。
「じゃあ、行きま――…っ」
ヒーロークラスがサポートである私は、マークスマンのヨーンと共にドラゴンレーンへと向かうのが定石だ。だから彼を促そうとしたその時――手を、握られた。
「勝とう。絶対に!」
どこまでも真っ直ぐな声が響く。同じようにこちらを見据えた視線が――鋭く胸を撃ち抜いた。
繋がれた手のひらが熱くて、動悸がどんどん激しくなって。
私はヨーンの言葉に、ただ頷くことしかできなかった。火照った頬を隠せないまま。
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