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あいつが他の女子と話しているだけで、心が痛む。
別れてからもう1ヶ月が経ったのに…まだ。認められない気持ちには蓋をした。
そうでもして目を背けなければ、最悪の結果を招きかねなかったから――「戻ろう」と、こちらから連絡してしまいそうだったから。
しんどいなあ、という泣き言は声に出さず飲み込んだ。
▽
「なんか用なん? わざわざ神奈川まで来て…」
「なんでお前が立海おるねん。しかも誰にも何も言わんと転校して、挙句の果てにテニス部のマネージャーて…当てつけのつもりか?」
「…別に。違うし」
「参謀さんと、随分仲良なったみたいやな?」
「っ、白石には関係ないやん」
「…それ、本気で言うてるん?」
「当たり前やろ。…今更、何なん?」
「何、…って」
「うちが誰と、どんな男と仲良くしようが……付き合おうが。あんたに口出しされる理由ないやろ。…もう別れてるんやで?」
「…それはそうかもしれんけど、俺は、嫌や」
「は、……っ!」
「相変わらずやらかいな、お前のくちび…っ痛」
「何やねん…っ! ほんま今更何し、ぅ…」
「泣かんといてや…悪かった」
「そっちこそ、謝るぐらいなら、せんといて…っ、今更や、わ」
「…さっきから今更今更って……なあ、それってもう、今にならんの?」
「え、…? どういう意味、」
「いちいち説明せな、ほんまにわからん?」
「……わかるって、言ったら…どうするん?」
「相変わらず意地悪やなって、思うわ」
「…そんなん。あんたにだけやし」
「……アカン。なぁ…分かっててやってる?」
「何が…っ、ちょっと」
「ほんまいけずやな、お前は。…俺だけとか、期待してええん?まだ」
「違っ! 抱きしめんといて…っ白石!」
「蔵之介って呼んでや、前みたいに…俺もお前のこと、名前で呼ぶから」
「やめ、ふざ…っあ」
「やっぱり耳弱いな。変わってない…な、もうお互い諦めようとするん、諦めようや」
「お互い、って」
「…さっきの答え、聞かせてや。今でもまだ、俺のこと」
(元彼の白石が転校先の立海にまで押しかけてきたお話)
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