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切創、裂創、挫創、銃創、熱傷痕に縫合痕。
ベッドから体を起こし煙草をふかすジンの素肌に刻まれた、大小も新旧もさまざまな傷痕。
長い髪を除け、指でその一つ一つをなぞれば、彼がくゆらせていた紫煙が揺れる。
「何、してんだ」
「別に?ただ、美しいなって」
「…悪趣味だな」
溜息と共に吐き出された言葉に少し微笑み、そっと傷の一つに口付けた。瘡蓋になっているそれを軽く喰む。
すればこちらを振り返ったジンに腕を掴まれ、ベッドに引き倒された。
冷たい眼の奥底に燃える情欲が垣間見えて、声を出さずに笑う。
「煽りやがって…」
「あなたのスイッチがどこにあるのか、未だによくわからないわ」
「煩え」
灰皿に押し潰された煙草の吸殻を目の端で捉えた時には唇を塞がれていて。舌の絡み合う音に耽溺するように目を伏せた。
お題お借りしました:桐@お題bot様
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