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【成×尚】

あるとき突然尚輝が
「お前の血が流れてるところが見たい」
「目立たない所でいいから、傷をつけさせてほしいんだけど」と言い出す
それに対して言い淀んでいる様子の成臣に駄目なのか?と思っていると
「あの、いいんですけど……傷からばい菌が入っちゃうかもなので、救急箱取ってきますね」と言って部屋を出ていく
ほどなくして救急箱と、床を汚さないためのタオルを持って戻って来る
二人で向かい合って座り、尚輝がいつも携帯しているナイフを取り出す
「どこがいい?」
腕まくりして上腕の中ほどを指差す成臣
「? もっと目立たないとこでもいいけど」
「ここがいいです」
「ふーん、そ」
ナイフの刃が肌に添えられる
すると成臣が
「い、いざとなるとなんだか、勇気いりますね、注射みたいで……」と目をつぶり、ひゃ~……と小さく悲鳴を上げる
その様子をじっと見つめる尚輝
「(……やっぱり、こいつの『これ』はおかしい)」
「(ナイフを立てるのが怖いくせに、俺が血を見たいと言っても何も聞かない)」
「(あのときも、首を締めたっていうのに、上を着ないで外に行ったらだめ、なんて別のことを言う)」
「(それはこいつの元々なのか。それとも、こいつの中の『俺』がそうさせるのか)」
つうっと垂れてきた成臣の血をおもむろに舐め、あ、な、尚輝さんそんな……と照れる成臣と
対照的に考え込むように黙ってしまう尚輝
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