路地裏の奥に向かって「可哀想に。」
「君が”正しい”世界だってどこかにはあるはずなのにね」と言う叶也
視線の先には返り血に濡れて叶也のほうを振り返りきょとんとする尚輝と殺された人
叶也は尚輝に近づき頬に手を当てる
「君はここに生まれてきてしまった」と続ける
尚輝は無邪気に笑い「よくわかんないけど、俺はここが好きだよ」
「もし俺が正しくて、カンタンにできちゃったら、ツマンナイっすよ」と返す
その後ろ手にカッターを構える
そのカッターをするりと取り上げる叶也
「……じゃあまだ”おあずけ”ね」
カッターの刃をさらにくり出してそこに紙切れを刺す
「片付け終わったら書いてある場所においで。なんか一緒に食べよー」と言いながらひらひら手を振って去っていく叶也
刺さった紙を取り「”よし”する気ないくせになぁ」とつぶやく尚輝