【竜×厚】
※竜太亡き後厚子が髪をショートカットにした世界線
高校二年のとあるモブ男子は、クラスの役割決めで、数学が得意だからと数学係にさせられる
もう一人の数学係は二年で初めて同じクラスになった厚子で、
ずっと気になってはいるが係の仕事は課題ノートの回収くらいで、あまり話すことはなく数ヶ月が過ぎる
一学期末、係のもう一つの仕事の、考査前の予想問題プリント作りで二人が放課後集まることに
暑さのため窓が開け放たれた教室で、男子の席の前に自分の椅子を置きながら
「◯◯くんとちゃんと喋るの初めてだね、よろしくね」と笑ってみせる厚子
女子と話すのに慣れていない男子はぎこちなく返事する
さっそくプリント作りの流れになるが、予想問題ってどう作ればいいんだろ?と厚子が首をかしげる
男子が遠慮がちながらも、これこれこういう感じかも、と答えるとえ~すごい!頭いいんだね!?と無邪気に褒めてくる厚子
照れ隠しに、数学しかできないし係もそれで押し付けられたようなもんで……と自虐的に笑うと、
「私、数学苦手だから◯◯くんすごいなあっておもうよ?」
「問題作るの◯◯くんまかせになっちゃうかもだけど、私もがんばって一緒に考えるね」と厚子
問題を考える度に褒めてくれる厚子に気をよくしてはりきる男子、
しかしふと気になって質問する
「そういえば、陽本さんはなんで数学が苦手なのに数学係になったの?」
「ん?うーん……◯◯くんと二人になってみたかったから?」
その言葉とつかめない笑みにドキリとする男子
「えへへっなーんて。ほんとはなんでもよかったんだ。でも◯◯くんと話すの楽しいよ」
と、すぐにいつもの笑顔に戻る厚子
再び問題作りに戻るが、しばらくして急に風が強くなり教室にも吹き込んでくる
今日は風吹いて涼しいけどすっかり夏だね、早いなあと男子が言う
窓の外を見つめる厚子
「……そうだね、ほんとに、私ばっかり先に行っちゃう……」
ショートカットの髪を風に揺らして小声でつぶやく
言葉を聞き取れなかった男子はえっ?と聞き返すがなんでもない、とごまかされる
しかし、一瞬見せた厚子の切なげな表情に男子はより惹きつけられてしまう
高校二年のとあるモブ男子は、クラスの役割決めで、数学が得意だからと数学係にさせられる
もう一人の数学係は二年で初めて同じクラスになった厚子で、
ずっと気になってはいるが係の仕事は課題ノートの回収くらいで、あまり話すことはなく数ヶ月が過ぎる
一学期末、係のもう一つの仕事の、考査前の予想問題プリント作りで二人が放課後集まることに
暑さのため窓が開け放たれた教室で、男子の席の前に自分の椅子を置きながら
「◯◯くんとちゃんと喋るの初めてだね、よろしくね」と笑ってみせる厚子
女子と話すのに慣れていない男子はぎこちなく返事する
さっそくプリント作りの流れになるが、予想問題ってどう作ればいいんだろ?と厚子が首をかしげる
男子が遠慮がちながらも、これこれこういう感じかも、と答えるとえ~すごい!頭いいんだね!?と無邪気に褒めてくる厚子
照れ隠しに、数学しかできないし係もそれで押し付けられたようなもんで……と自虐的に笑うと、
「私、数学苦手だから◯◯くんすごいなあっておもうよ?」
「問題作るの◯◯くんまかせになっちゃうかもだけど、私もがんばって一緒に考えるね」と厚子
問題を考える度に褒めてくれる厚子に気をよくしてはりきる男子、
しかしふと気になって質問する
「そういえば、陽本さんはなんで数学が苦手なのに数学係になったの?」
「ん?うーん……◯◯くんと二人になってみたかったから?」
その言葉とつかめない笑みにドキリとする男子
「えへへっなーんて。ほんとはなんでもよかったんだ。でも◯◯くんと話すの楽しいよ」
と、すぐにいつもの笑顔に戻る厚子
再び問題作りに戻るが、しばらくして急に風が強くなり教室にも吹き込んでくる
今日は風吹いて涼しいけどすっかり夏だね、早いなあと男子が言う
窓の外を見つめる厚子
「……そうだね、ほんとに、私ばっかり先に行っちゃう……」
ショートカットの髪を風に揺らして小声でつぶやく
言葉を聞き取れなかった男子はえっ?と聞き返すがなんでもない、とごまかされる
しかし、一瞬見せた厚子の切なげな表情に男子はより惹きつけられてしまう
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