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その他

「へーへーカミサマはえらいですねー」

きっかけはなんだったのかは覚えていない。いつものようにはっきりと終わりがない口論を繰り返し捨て台詞を吐いてその場をあとにしようとしたときだった。ぐいっ、と首が締まり次の瞬間には目の前に見たことのない表情の見覚えのある顔があった。ネクタイを引っ張られたと気づいたのは視界の端で相手が自分の赤を握りしめていたから。

「俺だって、好きで神様やってんじゃねぇよ…」

地を這うような低い声。あぁこれはだめなやつだと本能が警告を出す。

「な、んだよ、それ…」

かろうじて出たのは掠れた声。それで我に返ったのかネクタイを放し、ちっと舌打ちを残して去っていった。
あとで聞いたことだが、あの日のシガナオヤは侵食者の攻撃を受けて耗弱状態だったらしい。普段とあまり変わりがなさすぎて気づかなかったが、思えばあの言葉は神様が抱え込んでいる一部だったのかもしれない。
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