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第11話 怪盗猫娘!
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「ねぇ、猫娘、なんでこんな事するの・・?」
樹のハンモックの上で、置物と跳(ジャンプ)を抱えて身を固くする猫娘に、目線を合わせるように少し屈んでゆっくりと話しかける。
「なんでって、決まってるでしょ、金持ちはみんな汚い真似して金を稼いでいるの!そいつらから奪って何が悪いんだよ!そして底辺を見下して生きてるんだ!父さんも、騙されて、一文なしになって。過労で・・。だから底辺を見下して悠々と生きてるアイツらに復讐してやるんだ!」
「でも、九条のおばあちゃんは違うわ」
ぎゅっと猫の置物を強く抱き寄せて、そう叫ぶ彼女の声は震えていた。その目は潤んでいて、たまった雫が今にもこぼれ落ちそうだ。
「九条のおばあちゃんも、亡くなったおじいちゃんも、この地域のことが大好きで、いつも街のために何かできないかって貢献してくれてたわ。その置物はおばあちゃんの宝物なの。おじいさんがくれた最後のプレゼントで、2人の大切な物思い出なの。だから、お願い。おばあちゃんに返してあげて」
「・・・・」
大きな目を更に見開いて見つめてくる彼女の瞳から、一粒涙がポロリと落ちた。
それをゴシゴシと少し乱暴にこすって顔をあげる。
「そうだったの。なんだ、これじゃ、汚い真似してるアイツらと変わらないわ」
少し悔しそうにそう呟いた彼女の目元は、強くこすったからなのか少し赤みを帯びていた。
ぐすっと鼻を鳴らして、猫の置物と目つきの悪い跳(ジャンプ)をぐいっとこちらに差し出してきた。
「そんなことないでしょ。皆のためを思って盗んだものを寄付してたんでしょ?そりゃ盗みは良くないことだけど、誰かのために何かができるのは素敵なことだよ」
猫娘が目を見開く。
「・・・・そんなこと言われたの・・初めて。・・・ありがとう。そしてごめんなさい。あなたは怪我してない?」
「ううん。大丈夫。ありがとう、猫娘」
猫娘が私の頬を右手で撫でる。その優しい手にそっと自分の手を重ねた。
「そういえば、なんで猫娘はさくらカード・・跳(ジャンプ)が使えるの?」
「あぁ、自己紹介をした方がテット話早いわ。私、李飛香(リ・フェイシャン)。日本読みの飛香(アスカ)って呼んでね☆」
「李ってゆうたか!まさか・・・李家の?!」
「そう!前当主の小狼様から見て、私は姪孫よ」
「な、なにーーー!!!あの小僧の親戚か!」
春人が、飛香の苗字を聞いて目を見開く。
聞いたことのない苗字だったが、「李」といえば中国系の方なのかな?とぼんやりと頭を巡らせる。
「え、李家って?」
「さくらカードの元になった、クロウカードの創作者クロウ・リードの遠い親戚にあたる一族や。あ、小狼はさくらの旦那な」
「さくらさんの旦那さんの実家?へ、へー・・なんかすごいお家なんだね・・・」
「兎に角、あの小僧の家の者だったかいな!それなら魔力持っとって、その上カード使いこなせるのも納得やで。でも又姪がいるなんて小僧から聞いとらんかったで」
「あら、小狼様、私の話してくれてなかったのね、ざんねーん」
ぷくっと頬を膨らませて少しいじけたように飛香は話す。
「飛香ちゃん、私以外で魔法使える人に初めて会ったの。仲良くしたいな。改めて、よろしくね」
「あぁ、私もなまえに逢えたことは運命だと思ってるわ」
「う、運命?」
「そう、運命☆私、あなたのこと気に入ったわ。またどこかで会えるわ」
そう言って、彼女の右手が顎に伸び、端正な顔が近づいて、唇が重なった。
ふわりと甘い香りがした。
一瞬のことだったから目を開けたまま凝視してしまった。
お、女の子にキスされちゃった・・・と半分惚けていると、私のリボンを止めていたヘアピンに彼女の髪が引っかかった。
そして、そのままずるりと彼女の髪の毛が落ちた。え、髪が頭皮ごと、落ちるなんて、ありえ、ない。と思考が状況に追いつかずキスされたままの体勢で顔をあげると、長いポニーテールと思っていたカツラの下からは、黒いショートヘヤーがお目見えした。
正確には、「髪」ではなく、彼女が被っていた「カツラ」が落ちた。
「あ、やべ、ヅラ!」
「「「え」」」
焦ったような声は、さっきまで聞いてた猫娘の声とは1オクターブほど違う、男の子のそれになっていた。
そのちょっとだけ低くなった声は、目の前のさっきまで「飛香ちゃん」だった人から聞こえる。
「あーあ。もうちょっと女の子同士でキャッキャしたかったのにー」
目の前のショートカットの男の子は、先ほど「飛香ちゃん」がやっていたように頬を膨らませ、悔しそうに呟く。
でもそんな姿も先ほどの「飛香ちゃん」の仕草と全く一緒だ。違うのは髪型と声の低さ。
いままで女の子と思っていた子は、男の子だったようだ。
女の子にキスされちゃったと思ったら、お、男の子にキス。。。されちゃったの、私・・?
「女装・・癖・・?」
「違うってー!怪盗やる上での変装だよ変装!ま、ばれちまったらしょうがない☆」
そう言って飛香は私の肩をぐいっと引き寄せ、ハグをしてきた。
突然のことに脳内が追いついてなくて、軽くパニックになっていると、耳元で飛香が続ける。
「これは魔力に惹かれているんじゃねーぜ!本気だ!」
「ふ、フェイシャン・・?ま、魔力に惹かれるってどういうこと?」
「同じ力を持つもの同士は惹かれ合う。特にお前は月の力を強く受け継いているようだから、月の魔術師とは惹かれ合うだろうけど、俺は太陽の力を源にしてるから、それとは違うぜ!」
「お、同じ力を持つもの同士は惹かれ合う・・・・?」
「そうそう!」
女の子の時とはちょっと違う、いたずらっ子のような無邪気な笑顔。
そして今度は頬へ柔らかい感触が。
「「あーーー!またー!!」」
ケロちゃんと亮ちゃんの絶叫が背後から聞こえる。
そして横からユエさんの腕にぐいっと引っ張られ、飛香の腕から剥がされる。
「お前は無防備すぎる。少しは警戒しろ」
「むぐ、ご、ごめんなしゃい・・・?」
なぜか眉間に思いっきり皺を寄せた見るからに不機嫌なユエさんが、飛香にキスされた私の唇と頬をしきりに服の袖でこすっている。な、なんでユエさんこんなに不機嫌なんだろ?さっきまで普通に見えたのに。
とりあえず5分足らずでいろんな事実が発覚して事態に追いつけてない。
とりあえず亮ちゃんが飛香にブチギレているのはよくわかる。
「あんたなまえの唇奪ったわねー!!!!」
「だから、考えてくれよな☆なまえちゃん❤︎」
「私はあんたなんか認めないわよー!待ちなさいー!」
食って掛かっている亮ちゃんはガン無視で、飛香はバチっと効果音と星が飛びそうな綺麗なウインクをかまし、姿をくらました。
「な、なんだったの・・・・?あれ・・・?」
私のファーストキスは幼稚園の時のたくみくんだった(らしい)が、
物心ついてからの初めてのキスは、可愛い男の娘?でした。
樹のハンモックの上で、置物と跳(ジャンプ)を抱えて身を固くする猫娘に、目線を合わせるように少し屈んでゆっくりと話しかける。
「なんでって、決まってるでしょ、金持ちはみんな汚い真似して金を稼いでいるの!そいつらから奪って何が悪いんだよ!そして底辺を見下して生きてるんだ!父さんも、騙されて、一文なしになって。過労で・・。だから底辺を見下して悠々と生きてるアイツらに復讐してやるんだ!」
「でも、九条のおばあちゃんは違うわ」
ぎゅっと猫の置物を強く抱き寄せて、そう叫ぶ彼女の声は震えていた。その目は潤んでいて、たまった雫が今にもこぼれ落ちそうだ。
「九条のおばあちゃんも、亡くなったおじいちゃんも、この地域のことが大好きで、いつも街のために何かできないかって貢献してくれてたわ。その置物はおばあちゃんの宝物なの。おじいさんがくれた最後のプレゼントで、2人の大切な物思い出なの。だから、お願い。おばあちゃんに返してあげて」
「・・・・」
大きな目を更に見開いて見つめてくる彼女の瞳から、一粒涙がポロリと落ちた。
それをゴシゴシと少し乱暴にこすって顔をあげる。
「そうだったの。なんだ、これじゃ、汚い真似してるアイツらと変わらないわ」
少し悔しそうにそう呟いた彼女の目元は、強くこすったからなのか少し赤みを帯びていた。
ぐすっと鼻を鳴らして、猫の置物と目つきの悪い跳(ジャンプ)をぐいっとこちらに差し出してきた。
「そんなことないでしょ。皆のためを思って盗んだものを寄付してたんでしょ?そりゃ盗みは良くないことだけど、誰かのために何かができるのは素敵なことだよ」
猫娘が目を見開く。
「・・・・そんなこと言われたの・・初めて。・・・ありがとう。そしてごめんなさい。あなたは怪我してない?」
「ううん。大丈夫。ありがとう、猫娘」
猫娘が私の頬を右手で撫でる。その優しい手にそっと自分の手を重ねた。
「そういえば、なんで猫娘はさくらカード・・跳(ジャンプ)が使えるの?」
「あぁ、自己紹介をした方がテット話早いわ。私、李飛香(リ・フェイシャン)。日本読みの飛香(アスカ)って呼んでね☆」
「李ってゆうたか!まさか・・・李家の?!」
「そう!前当主の小狼様から見て、私は姪孫よ」
「な、なにーーー!!!あの小僧の親戚か!」
春人が、飛香の苗字を聞いて目を見開く。
聞いたことのない苗字だったが、「李」といえば中国系の方なのかな?とぼんやりと頭を巡らせる。
「え、李家って?」
「さくらカードの元になった、クロウカードの創作者クロウ・リードの遠い親戚にあたる一族や。あ、小狼はさくらの旦那な」
「さくらさんの旦那さんの実家?へ、へー・・なんかすごいお家なんだね・・・」
「兎に角、あの小僧の家の者だったかいな!それなら魔力持っとって、その上カード使いこなせるのも納得やで。でも又姪がいるなんて小僧から聞いとらんかったで」
「あら、小狼様、私の話してくれてなかったのね、ざんねーん」
ぷくっと頬を膨らませて少しいじけたように飛香は話す。
「飛香ちゃん、私以外で魔法使える人に初めて会ったの。仲良くしたいな。改めて、よろしくね」
「あぁ、私もなまえに逢えたことは運命だと思ってるわ」
「う、運命?」
「そう、運命☆私、あなたのこと気に入ったわ。またどこかで会えるわ」
そう言って、彼女の右手が顎に伸び、端正な顔が近づいて、唇が重なった。
ふわりと甘い香りがした。
一瞬のことだったから目を開けたまま凝視してしまった。
お、女の子にキスされちゃった・・・と半分惚けていると、私のリボンを止めていたヘアピンに彼女の髪が引っかかった。
そして、そのままずるりと彼女の髪の毛が落ちた。え、髪が頭皮ごと、落ちるなんて、ありえ、ない。と思考が状況に追いつかずキスされたままの体勢で顔をあげると、長いポニーテールと思っていたカツラの下からは、黒いショートヘヤーがお目見えした。
正確には、「髪」ではなく、彼女が被っていた「カツラ」が落ちた。
「あ、やべ、ヅラ!」
「「「え」」」
焦ったような声は、さっきまで聞いてた猫娘の声とは1オクターブほど違う、男の子のそれになっていた。
そのちょっとだけ低くなった声は、目の前のさっきまで「飛香ちゃん」だった人から聞こえる。
「あーあ。もうちょっと女の子同士でキャッキャしたかったのにー」
目の前のショートカットの男の子は、先ほど「飛香ちゃん」がやっていたように頬を膨らませ、悔しそうに呟く。
でもそんな姿も先ほどの「飛香ちゃん」の仕草と全く一緒だ。違うのは髪型と声の低さ。
いままで女の子と思っていた子は、男の子だったようだ。
女の子にキスされちゃったと思ったら、お、男の子にキス。。。されちゃったの、私・・?
「女装・・癖・・?」
「違うってー!怪盗やる上での変装だよ変装!ま、ばれちまったらしょうがない☆」
そう言って飛香は私の肩をぐいっと引き寄せ、ハグをしてきた。
突然のことに脳内が追いついてなくて、軽くパニックになっていると、耳元で飛香が続ける。
「これは魔力に惹かれているんじゃねーぜ!本気だ!」
「ふ、フェイシャン・・?ま、魔力に惹かれるってどういうこと?」
「同じ力を持つもの同士は惹かれ合う。特にお前は月の力を強く受け継いているようだから、月の魔術師とは惹かれ合うだろうけど、俺は太陽の力を源にしてるから、それとは違うぜ!」
「お、同じ力を持つもの同士は惹かれ合う・・・・?」
「そうそう!」
女の子の時とはちょっと違う、いたずらっ子のような無邪気な笑顔。
そして今度は頬へ柔らかい感触が。
「「あーーー!またー!!」」
ケロちゃんと亮ちゃんの絶叫が背後から聞こえる。
そして横からユエさんの腕にぐいっと引っ張られ、飛香の腕から剥がされる。
「お前は無防備すぎる。少しは警戒しろ」
「むぐ、ご、ごめんなしゃい・・・?」
なぜか眉間に思いっきり皺を寄せた見るからに不機嫌なユエさんが、飛香にキスされた私の唇と頬をしきりに服の袖でこすっている。な、なんでユエさんこんなに不機嫌なんだろ?さっきまで普通に見えたのに。
とりあえず5分足らずでいろんな事実が発覚して事態に追いつけてない。
とりあえず亮ちゃんが飛香にブチギレているのはよくわかる。
「あんたなまえの唇奪ったわねー!!!!」
「だから、考えてくれよな☆なまえちゃん❤︎」
「私はあんたなんか認めないわよー!待ちなさいー!」
食って掛かっている亮ちゃんはガン無視で、飛香はバチっと効果音と星が飛びそうな綺麗なウインクをかまし、姿をくらました。
「な、なんだったの・・・・?あれ・・・?」
私のファーストキスは幼稚園の時のたくみくんだった(らしい)が、
物心ついてからの初めてのキスは、可愛い男の娘?でした。