スキンシップのその先
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あの日から数日。
なまえは珍しくフレッドと二人きりだった。
ジョージは課題を片付けると言って図書館へ。
リー・ジョーダンもどこかへ行ってしまい、談話室には二人しかいない。
こんな状況は意外と少ない。
双子は大抵いつも一緒だから。
「暇だな」
ソファに寝転がったまま、フレッドが言う。
「そう?」
「そう」
「じゃあ勉強する?」
「その発想が出る時点で暇じゃない」
即答だった。
なまえは思わず笑う。
フレッドもつられて笑った。
静かな時間。
けれど不思議と居心地は悪くない。
むしろ。
フレッドはいつもより落ち着いて見えた。
「ねえ」
なまえは何となく隣へ移動する。
「ん?」
「近い?」
「全然」
なら、と。
なまえはフレッドの肩へ寄りかかった。
いつもみたいに。何気なく。
しかし。
返ってきた反応は予想外だった。
「……危ないな」
ぽつり。
小さな声。
「何が?」
「君」
顔を上げる。
フレッドは笑っていた。
いつもの笑顔だ。けれど少しだけ違う。
「自覚ないだろ」
「ない」
「だと思った」
ため息をつく。
「ジョージにも言われなかった?」
ぎくり。
「な、なんで分かるの」
「双子だから」
「双子便利すぎ……」
フレッドは吹き出した。
「でもさ」
そう言いながら。
フレッドはなまえの額を軽く指で突いた。
「ジョージは真面目だからな」
「うん」
「色々考える」
「うん」
「僕はもう少し単純」
にやり。
悪戯っぽい笑み。
「好きな子が近付いてきたら嬉しい」
なまえは固まった。
「え?」
「ん?」
「え?」
「聞こえたろ?」
聞こえた。
聞こえてしまった。
フレッドは面白そうに笑っている。
「冗談?」
「残念」
「嘘?」
「もっと残念」
逃げ道がない。
「……本当に?」
するとフレッドは少しだけ笑みを和らげた。
「本当に」
その声だけは。
冗談の色がなかった。
「ずっと前から」
談話室の暖炉がぱちりと音を立てる。
「君ってさ」
フレッドが続ける。
「誰にでも優しいけど」
「そんなこと」
「あるよ」
断言された。
「だから勘違いしないようにしてた」
フレッドらしくない言葉だった。
「でも無理だったな」
肩をすくめる。
「毎日楽しそうに笑うし」
「……」
「抱きついてくるし」
「それは」
「可愛いし」
なまえの顔が熱くなる。
フレッドはそんな反応を見て楽しそうに笑った。
けれど。
どこか安心したようにも見えた。
「だから結論」
「結論?」
「僕は君が好き」
あまりにも真っ直ぐだった。
普段なら遠回しにからかうはずなのに。
今日は違う。
「返事は今じゃなくていい」
フレッドは立ち上がる。
「考えて」
そう言って歩き出した。
しかし数歩進んだところで止まる。
「……ああ、でも」
振り返った顔には、いつものいたずらっ子の笑み。
「もし今すぐ僕を好きになってくれるなら、その方が嬉しい」
「フレッド!」
笑いながらクッションを投げる。
フレッドは軽々と避けた。
「ほらな」
「何が!」
「やっぱり可愛い」
そう言って逃げていく。
追いかけるなまえ。
笑い声が談話室に響く。
けれど胸の奥では。
フレッドの真っ直ぐな言葉だけが、いつまでも消えずに残っていた。
なまえは珍しくフレッドと二人きりだった。
ジョージは課題を片付けると言って図書館へ。
リー・ジョーダンもどこかへ行ってしまい、談話室には二人しかいない。
こんな状況は意外と少ない。
双子は大抵いつも一緒だから。
「暇だな」
ソファに寝転がったまま、フレッドが言う。
「そう?」
「そう」
「じゃあ勉強する?」
「その発想が出る時点で暇じゃない」
即答だった。
なまえは思わず笑う。
フレッドもつられて笑った。
静かな時間。
けれど不思議と居心地は悪くない。
むしろ。
フレッドはいつもより落ち着いて見えた。
「ねえ」
なまえは何となく隣へ移動する。
「ん?」
「近い?」
「全然」
なら、と。
なまえはフレッドの肩へ寄りかかった。
いつもみたいに。何気なく。
しかし。
返ってきた反応は予想外だった。
「……危ないな」
ぽつり。
小さな声。
「何が?」
「君」
顔を上げる。
フレッドは笑っていた。
いつもの笑顔だ。けれど少しだけ違う。
「自覚ないだろ」
「ない」
「だと思った」
ため息をつく。
「ジョージにも言われなかった?」
ぎくり。
「な、なんで分かるの」
「双子だから」
「双子便利すぎ……」
フレッドは吹き出した。
「でもさ」
そう言いながら。
フレッドはなまえの額を軽く指で突いた。
「ジョージは真面目だからな」
「うん」
「色々考える」
「うん」
「僕はもう少し単純」
にやり。
悪戯っぽい笑み。
「好きな子が近付いてきたら嬉しい」
なまえは固まった。
「え?」
「ん?」
「え?」
「聞こえたろ?」
聞こえた。
聞こえてしまった。
フレッドは面白そうに笑っている。
「冗談?」
「残念」
「嘘?」
「もっと残念」
逃げ道がない。
「……本当に?」
するとフレッドは少しだけ笑みを和らげた。
「本当に」
その声だけは。
冗談の色がなかった。
「ずっと前から」
談話室の暖炉がぱちりと音を立てる。
「君ってさ」
フレッドが続ける。
「誰にでも優しいけど」
「そんなこと」
「あるよ」
断言された。
「だから勘違いしないようにしてた」
フレッドらしくない言葉だった。
「でも無理だったな」
肩をすくめる。
「毎日楽しそうに笑うし」
「……」
「抱きついてくるし」
「それは」
「可愛いし」
なまえの顔が熱くなる。
フレッドはそんな反応を見て楽しそうに笑った。
けれど。
どこか安心したようにも見えた。
「だから結論」
「結論?」
「僕は君が好き」
あまりにも真っ直ぐだった。
普段なら遠回しにからかうはずなのに。
今日は違う。
「返事は今じゃなくていい」
フレッドは立ち上がる。
「考えて」
そう言って歩き出した。
しかし数歩進んだところで止まる。
「……ああ、でも」
振り返った顔には、いつものいたずらっ子の笑み。
「もし今すぐ僕を好きになってくれるなら、その方が嬉しい」
「フレッド!」
笑いながらクッションを投げる。
フレッドは軽々と避けた。
「ほらな」
「何が!」
「やっぱり可愛い」
そう言って逃げていく。
追いかけるなまえ。
笑い声が談話室に響く。
けれど胸の奥では。
フレッドの真っ直ぐな言葉だけが、いつまでも消えずに残っていた。
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