背中越しのぬくもり
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その笑顔を見た瞬間。
なまえの胸の奥で張り詰めていたものが、ふっと緩んだ。
「……本当に?」
思わず聞いてしまう。
「何がだ?」
「好きって」
ポルナレフは一瞬ぽかんとして。
次の瞬間、呆れたように笑った。
「お前なぁ」
額を軽く小突かれる。
「俺が冗談でこんなことすると思うか?」
「だって……」
「だって?」
言葉に詰まる。
けれど聞きたいことは一つだった。
「恋人じゃないのにチューされたし」
「ぐっ」
ポルナレフが盛大にむせた。
思わず吹き出しそうになる。
「それは……」
「それは?」
「……反省してる」
「本当に?」
「してる!」
必死な顔が面白い。
少しだけ意地悪したくなった。
「もしかして身体目当てだった?」
沈黙。
そして。
「はぁ!?」
ポルナレフの声が裏返った。
「な、何言ってんだお前!」
「違うの?」
「当たり前だろ!」
顔が真っ赤になっている。
耳まで真っ赤だ。
「そんなわけあるか!」
「ふふっ」
「笑うな!」
さっきまで真剣な空気だったのに。
今は少しだけいつもの二人に戻っている。
そのことが妙に嬉しかった。
「ふふふっ」
「だ〜か〜ら〜笑うなって」
真っ赤な顔のままポルナレフが唸る。
その反応が可愛くて、なまえはますます笑ってしまった。
けれど次の瞬間。
ポルナレフがふと思い出したように眉をひそめる。
「そういや」
「?」
「昼間のアレ」
「アレ?」
「花京院たちに部屋代われって言っただろ」
なまえは固まった。
「な、なんで知ってるの!?」
「聞こえたんだよ」
ポルナレフは不満そうに口を尖らせた。
「ロビーで普通に話してただろ」
言われてみればその通りだった。
思ったより周囲に人もいたし、声も小さくなかった気がする。
「その時な」
ポルナレフが頭を掻く。
少し気まずそうに。
「結構焦った」
「え?」
思わず聞き返す。
焦った?
ポルナレフが?
「だってよ」
視線を逸らしたまま続ける。
「花京院か承太郎のどっちかがお前と同じ部屋になるってことだろ」
「……あ」
今さら気付いた。
本当に今さらだった。
ポルナレフが呆れた顔になる。
「気付いてなかったのかよ」
「全然」
「お前なぁ……」
大きなため息。
その顔がおかしくて少し笑ってしまう。
「でも」
なまえは首を傾げた。
「そんなに嫌だった?」
すると。
ポルナレフはしばらく黙った。
そして観念したように笑う。
「嫌だったな」
即答だった。
「え」
「めちゃくちゃ嫌だった」
思わず目を丸くする。
そんなタイプだと思わなかった。
ポルナレフは明るくて。
誰とでも仲良くなれて。
どちらかと言えば余裕のある人だと思っていた。
だから。
「ポルナレフってヤキモチ妬くんだ」
ぽろりと漏れる。
すると彼は苦笑した。
「俺もそう思ってたんだけどよ」
低い声。
どこか照れくさそうな笑み。
「お前相手だと駄目みたいだ」
胸がきゅっと締め付けられる。
ポルナレフの腕が再び背中へ回る。
さっきよりも近くなる距離。
大きな胸板。
安心するような体温。
「花京院も承太郎も仲間だ」
静かな声だった。
「信用してるさ」
少しだけ抱き寄せる力が強くなる。
「けど」
その続きは掠れるような声だった。
「お前が他の男と同じ部屋にいるの想像したら」
苦笑する。
「全然平気じゃなかったぜ」
なまえの鼓動がまた速くなる。
こんな顔をするポルナレフを知らなかった。
こんな声も。
こんな表情も。
自分だけが見ている。
そう思っただけで胸がいっぱいになる。
ふと。
ポルナレフが肩口へ顔を寄せた。
髪が触れる。
くすぐったい。
そして。
首筋の辺りに微かな息がかかった。
「ポルナレフ?」
呼ぶと。
彼は小さく笑った。
「いい匂いする」
「っ!」
一気に顔が熱くなる。
恥ずかしい。
恥ずかしいのに。
嫌じゃない。
むしろ。
胸の奥が甘く痺れる。
ポルナレフはもう一度小さく息を吐いて。
今度はさらに強く抱きしめた。
まるで確かめるみたいに。
逃がさないように。
「好きだ」
耳元で落ちる声。
心臓が跳ねる。
「……ポルナレフ」
「好きだ」
もう一度。
今度は迷いなく。
真っ直ぐに。
「だから」
抱き締める腕に少しだけ力がこもる。
「もう離さねぇ」
砂嵐の音が遠く聞こえる。
けれど今は何も気にならなかった。
温かい腕の中。
すぐ近くにある鼓動。
そして。
ようやく伝わった想い。
なまえはそっと目を閉じる。
ポルナレフの胸に額を預けながら。
離れたくないと思った。
今だけじゃない。
これから先も。
ずっと。
そう思えるくらいに。
なまえの胸の奥で張り詰めていたものが、ふっと緩んだ。
「……本当に?」
思わず聞いてしまう。
「何がだ?」
「好きって」
ポルナレフは一瞬ぽかんとして。
次の瞬間、呆れたように笑った。
「お前なぁ」
額を軽く小突かれる。
「俺が冗談でこんなことすると思うか?」
「だって……」
「だって?」
言葉に詰まる。
けれど聞きたいことは一つだった。
「恋人じゃないのにチューされたし」
「ぐっ」
ポルナレフが盛大にむせた。
思わず吹き出しそうになる。
「それは……」
「それは?」
「……反省してる」
「本当に?」
「してる!」
必死な顔が面白い。
少しだけ意地悪したくなった。
「もしかして身体目当てだった?」
沈黙。
そして。
「はぁ!?」
ポルナレフの声が裏返った。
「な、何言ってんだお前!」
「違うの?」
「当たり前だろ!」
顔が真っ赤になっている。
耳まで真っ赤だ。
「そんなわけあるか!」
「ふふっ」
「笑うな!」
さっきまで真剣な空気だったのに。
今は少しだけいつもの二人に戻っている。
そのことが妙に嬉しかった。
「ふふふっ」
「だ〜か〜ら〜笑うなって」
真っ赤な顔のままポルナレフが唸る。
その反応が可愛くて、なまえはますます笑ってしまった。
けれど次の瞬間。
ポルナレフがふと思い出したように眉をひそめる。
「そういや」
「?」
「昼間のアレ」
「アレ?」
「花京院たちに部屋代われって言っただろ」
なまえは固まった。
「な、なんで知ってるの!?」
「聞こえたんだよ」
ポルナレフは不満そうに口を尖らせた。
「ロビーで普通に話してただろ」
言われてみればその通りだった。
思ったより周囲に人もいたし、声も小さくなかった気がする。
「その時な」
ポルナレフが頭を掻く。
少し気まずそうに。
「結構焦った」
「え?」
思わず聞き返す。
焦った?
ポルナレフが?
「だってよ」
視線を逸らしたまま続ける。
「花京院か承太郎のどっちかがお前と同じ部屋になるってことだろ」
「……あ」
今さら気付いた。
本当に今さらだった。
ポルナレフが呆れた顔になる。
「気付いてなかったのかよ」
「全然」
「お前なぁ……」
大きなため息。
その顔がおかしくて少し笑ってしまう。
「でも」
なまえは首を傾げた。
「そんなに嫌だった?」
すると。
ポルナレフはしばらく黙った。
そして観念したように笑う。
「嫌だったな」
即答だった。
「え」
「めちゃくちゃ嫌だった」
思わず目を丸くする。
そんなタイプだと思わなかった。
ポルナレフは明るくて。
誰とでも仲良くなれて。
どちらかと言えば余裕のある人だと思っていた。
だから。
「ポルナレフってヤキモチ妬くんだ」
ぽろりと漏れる。
すると彼は苦笑した。
「俺もそう思ってたんだけどよ」
低い声。
どこか照れくさそうな笑み。
「お前相手だと駄目みたいだ」
胸がきゅっと締め付けられる。
ポルナレフの腕が再び背中へ回る。
さっきよりも近くなる距離。
大きな胸板。
安心するような体温。
「花京院も承太郎も仲間だ」
静かな声だった。
「信用してるさ」
少しだけ抱き寄せる力が強くなる。
「けど」
その続きは掠れるような声だった。
「お前が他の男と同じ部屋にいるの想像したら」
苦笑する。
「全然平気じゃなかったぜ」
なまえの鼓動がまた速くなる。
こんな顔をするポルナレフを知らなかった。
こんな声も。
こんな表情も。
自分だけが見ている。
そう思っただけで胸がいっぱいになる。
ふと。
ポルナレフが肩口へ顔を寄せた。
髪が触れる。
くすぐったい。
そして。
首筋の辺りに微かな息がかかった。
「ポルナレフ?」
呼ぶと。
彼は小さく笑った。
「いい匂いする」
「っ!」
一気に顔が熱くなる。
恥ずかしい。
恥ずかしいのに。
嫌じゃない。
むしろ。
胸の奥が甘く痺れる。
ポルナレフはもう一度小さく息を吐いて。
今度はさらに強く抱きしめた。
まるで確かめるみたいに。
逃がさないように。
「好きだ」
耳元で落ちる声。
心臓が跳ねる。
「……ポルナレフ」
「好きだ」
もう一度。
今度は迷いなく。
真っ直ぐに。
「だから」
抱き締める腕に少しだけ力がこもる。
「もう離さねぇ」
砂嵐の音が遠く聞こえる。
けれど今は何も気にならなかった。
温かい腕の中。
すぐ近くにある鼓動。
そして。
ようやく伝わった想い。
なまえはそっと目を閉じる。
ポルナレフの胸に額を預けながら。
離れたくないと思った。
今だけじゃない。
これから先も。
ずっと。
そう思えるくらいに。
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