キスして?とお願いしてみた
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ホテルの部屋に入ると、長い旅路の後らしい静かな空気が漂っていた。
私は先に部屋へ入り、荷物をベッドの上に置く。
「思ったより広いね」
軽く伸びをしながら振り返ると、後ろから入ってきた
モハメド・アヴドゥル が静かにドアを閉めていた。
彼は部屋を一度見回し、落ち着いた声で言う。
「悪くない。今夜休むには十分だろう」
深い声。
それだけで、なぜか部屋の空気まで落ち着く気がする。
私はベッドの端に腰掛けた。
少しだけ沈黙があってから、思いついたように言う。
「アヴドゥル」
「どうした?」
「変なお願いしてもいい?」
彼はすぐには答えない。
だが眉をわずかに上げて、興味深そうにこちらを見る。
「……内容によるが、聞こう」
私はあっさり言った。
「キスしてくれない?」
静かな部屋に、言葉だけが落ちる。
アヴドゥルは驚いて声を上げたりはしなかった。
ただ、ゆっくりと私を見つめる。
アブドゥルの瞳が、少しだけ細くなる。
「……なるほど」
低い声で、穏やかに言う。
「なかなか大胆なことを言う」
私は肩をすくめた。
「私まだしたこと無くて。どんな感じかな〜って思って」
その言葉に、アヴドゥルは小さく息を吐いた。
「君は……」
ゆっくりと歩いてくる。
一歩。
また一歩。
足音は静かなのに、不思議と存在感がある。
気付けば、すぐ目の前。
彼の影が私の膝のあたりまで落ちていた。
私は少し見上げる。
アヴドゥルは腕を軽く組み、しばらく考えるようにしてから言った。
「無邪気だな」
「そう?」
「ある意味では」
そして少しだけ、柔らかく笑う。
「危うくもある」
その手がゆっくり伸びる。
大きな手が、私の顎にそっと触れた。
強引ではない。
けれど自然と顔が上を向く。
「……」
至近距離。
彼の落ち着いた呼吸が近い。
「キスというものは」
低く、ゆっくりとした声。
「ただ唇を触れ合わせるだけのものではない」
そう言いながら、彼は私の手を取った。
指先が温かい。
そのまま手を持ち上げる。
私は思わず息を止めた。
そして——
唇ではなく、手の甲に。
柔らかく、丁寧なキスが落ちた。
ほんの一瞬なのに、そこだけが熱を持つ。
「……っ」
なぜか胸が静かに高鳴る。
アヴドゥルはゆっくり顔を上げた。
私の表情を見て、少しだけ目を細める。
「どうだ?」
落ち着いた声。
「それでも十分、胸が騒ぐだろう」
私はうまく言葉が出ない。
アヴドゥルはその様子を見て、ふっと優しく笑った。
それから、もう一歩だけ距離を詰める。
声が少し低くなる。
「本当に唇で受けていたら」
ほんのわずかに顔を近づける。
その距離に、思わず息が揺れる。
「今よりずっと」
穏やかな声で続ける。
「落ち着いていられなかったはずだ」
そして、私の手をゆっくり離しながら言った。
優しいのに、どこか甘い声。
「大人を、あまり軽くからかうものではない」
私は先に部屋へ入り、荷物をベッドの上に置く。
「思ったより広いね」
軽く伸びをしながら振り返ると、後ろから入ってきた
モハメド・アヴドゥル が静かにドアを閉めていた。
彼は部屋を一度見回し、落ち着いた声で言う。
「悪くない。今夜休むには十分だろう」
深い声。
それだけで、なぜか部屋の空気まで落ち着く気がする。
私はベッドの端に腰掛けた。
少しだけ沈黙があってから、思いついたように言う。
「アヴドゥル」
「どうした?」
「変なお願いしてもいい?」
彼はすぐには答えない。
だが眉をわずかに上げて、興味深そうにこちらを見る。
「……内容によるが、聞こう」
私はあっさり言った。
「キスしてくれない?」
静かな部屋に、言葉だけが落ちる。
アヴドゥルは驚いて声を上げたりはしなかった。
ただ、ゆっくりと私を見つめる。
アブドゥルの瞳が、少しだけ細くなる。
「……なるほど」
低い声で、穏やかに言う。
「なかなか大胆なことを言う」
私は肩をすくめた。
「私まだしたこと無くて。どんな感じかな〜って思って」
その言葉に、アヴドゥルは小さく息を吐いた。
「君は……」
ゆっくりと歩いてくる。
一歩。
また一歩。
足音は静かなのに、不思議と存在感がある。
気付けば、すぐ目の前。
彼の影が私の膝のあたりまで落ちていた。
私は少し見上げる。
アヴドゥルは腕を軽く組み、しばらく考えるようにしてから言った。
「無邪気だな」
「そう?」
「ある意味では」
そして少しだけ、柔らかく笑う。
「危うくもある」
その手がゆっくり伸びる。
大きな手が、私の顎にそっと触れた。
強引ではない。
けれど自然と顔が上を向く。
「……」
至近距離。
彼の落ち着いた呼吸が近い。
「キスというものは」
低く、ゆっくりとした声。
「ただ唇を触れ合わせるだけのものではない」
そう言いながら、彼は私の手を取った。
指先が温かい。
そのまま手を持ち上げる。
私は思わず息を止めた。
そして——
唇ではなく、手の甲に。
柔らかく、丁寧なキスが落ちた。
ほんの一瞬なのに、そこだけが熱を持つ。
「……っ」
なぜか胸が静かに高鳴る。
アヴドゥルはゆっくり顔を上げた。
私の表情を見て、少しだけ目を細める。
「どうだ?」
落ち着いた声。
「それでも十分、胸が騒ぐだろう」
私はうまく言葉が出ない。
アヴドゥルはその様子を見て、ふっと優しく笑った。
それから、もう一歩だけ距離を詰める。
声が少し低くなる。
「本当に唇で受けていたら」
ほんのわずかに顔を近づける。
その距離に、思わず息が揺れる。
「今よりずっと」
穏やかな声で続ける。
「落ち着いていられなかったはずだ」
そして、私の手をゆっくり離しながら言った。
優しいのに、どこか甘い声。
「大人を、あまり軽くからかうものではない」